星へ行く船シリーズ5そして、星へ行く船

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著者 : 新井素子
制作 : 大槻香奈 
  • 出版芸術社 (2017年3月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882934950

星へ行く船シリーズ5そして、星へ行く船の感想・レビュー・書評

  • ラストを知っているからこそ、楽しめる太一郎さんの発言たち。そして数年ぶりに読んだラストシーンはやっぱり最高でした。
    「αだより」読めてよかった!太一郎さんの照れまくりがとてもいい。今どきこんな純情な小説あるのだろうか。今の若者に読んでもらいたい…

  • 前作に引き続いて…。

    銀河連邦にたった一人のESP能力を
    活かして、初めて接触した他宇宙の
    知的生命体と、善意ある意思疎通をしてくれ。

    そんな依頼を受けた、森村あゆみ。

    彼女の能力は…?
    彼女の出した回答は?

    そして、太一郎との恋の行方は?

    話の大筋は、コバルト版と変わりません。
    でも、このお話も加筆改稿されて良くなりました。

    どんな能力をあゆみが持っていて、
    どうなるのか。

    そこをネタバレしたくないので
    ちょっとこのメモ書くの、苦しいのですが。

    初版を読んだ時は、正直

    そんな悲劇的な能力じゃないし
    たぶん依頼もうまくいくのに
    何をこんなにあゆみは困ってるんだろう…。

    何巻も引っ張って、シリーズ完結にしては
    地味だし、あまり面白くないなあ…なんて
    思ったものでした。

    でも、このお話は異能SFがメインじゃなくて
    SFであるけれど、初版のあとがきで新井さんが
    おっしゃっているとおり、あゆみちゃんの
    成長譚なんだとしたら…。

    多分に心理描写に重きをおいた
    内面を描く小説になったのは自然なことで。

    今回の決定版で、何故あゆみの能力が
    彼女を追い詰めるものだったのか、とか

    親しい人と一緒に生きることも必要だけれど
    そこから切り離された部分で、自分を磨く
    責任が、個人には誰しもあって、それを
    成長と呼ぶんだ、とか…。

    色んな事がスッキリ腑に落ちる形で
    再認識できたので…。

    あゆみの巻き込まれた事態に対して
    そりゃあ大変なことだ!と共感できるように
    整理された小説になってます。

    これ、実は、あゆみに来た依頼の特性が

    『やってみなけりゃどうなるかわからない。』

    『結果の予測がまるきりつかないが
    最善を尽くすしかない。』

    『後戻りできず、自分で考えて引き受けるしかない。』

    『一生続く。』

    というもので…これ、依頼と人生が置き換わっても
    全然違和感ない辺り、さすがコバルトから始まった
    シリーズだと思うんですよ。
    (厳密には高1コースの連載でしたっけね。)

    ひとりの女の子が、自分の人生を
    愛する人や家族と一緒に構築して
    共存はするけど、責任は自分で負うお話。

    おとなになるってこういうことよ。
    というお話なのですね。

    但し、あゆみちゃんはほんとにいい子なので
    ちゃんと幸福で、希望のあるラストなのは
    読後感が最高に良いです。

    太一郎さんとの新婚生活も読めるし
    なんとなくなし崩しに、なんだかわからない
    ラストだった彼らのロマンスも、ちゃんと
    プロポーズされて、

    (同時収録の番外編では式挙げて…
    新婚生活して…。

    うん。

    納得のラストでした。
    彼らの関係が、どことなくうやむやだった
    尻切れトンボ感がなくなって大満足。

    およめさんがゆめ、とは言いませんが
    少し前までの、良いお家の娘さんが
    奥様になった時の結婚観ってこうだったなと
    ほのぼのと読めました。

    すきなひとに、朝のお茶、淹れてあげる幸福。

    そんな感じ。

    コバルトの方では

    『星から来た船』(上・中・下)
    と番外編の本があるのですが

    いつか本当に太一郎さんとあゆみちゃんが
    彼らの子供を連れて地球や火星に里帰りする
    なんてお話は出るでしょうか。

    なんとなくそのまま宇宙で暮らしていて
    火星や地球なんて知らない、孫の世代とかが
    遊びに帰ってきそうな気もするし

    あゆみちゃんの両親に、二人ならちゃんと
    子供を見せに帰りそうな気もするし…。

    別にそこらへんはかっちりと書かれなくても
    今回の決定版で、ちゃんと『星へ行く船』
    シリーズは完結したんだって、納得がいきました。

  • [図書館]
    読了:2017/5/27

    すごくあっさりと読み終わった。言葉遣いが軽いわりに、登場人物たちみんな、自分の心情を全て口に出して長々長々喋り続けるところが苦手だった。特に太一郎さんがあゆみに対する心情を全部中谷君に喋っちゃったら、せっかくの太一郎さんの性格付けも、意味がなくなってしまうだろうに。そこは少女漫画だから口に出して言ってくれないと女の子の好みにそぐわないのだろうけれど・・・。

    あと、「αだより」の関口さんが言う、
    「能力がないならないでいいんです。それはどうしようもないことですから。でも、僕たちの時間を取るのは、以後、やめてくださいね」
    「……!……!」
    「はい、いくらでも口ごもってください、僕の時間を取らない限り、別に僕はそれを気にしませんから」
    謙譲の美徳ってやつがなく、自己主張したやつが勝ち、人への思いやりなどより自分に能力があることを率先して示さない人間には無能力者としての扱いしかしない、そういう世界での会話そのもので、ぐさっときた。

  • 完全版

    嬉しい書き下ろしはなんとのαでのバタカップ♪
    「バタカップの幸福」なんともなごむわぁ

  • 「星へ行く船」シリーズの完結編。前作で憧れの女性レイディと再会を果たしたあゆみが、自身の特殊な能力を知り、傷つきながらも過去と未来を見つめなおす物語だ。
    一番最初に刊行されたのは、なんと1987年。だから、近未来が舞台であるのにスティックのりが登場したり、太一郎の言動がやたらに亭主関白風なノリであったりする。
    ジュブナイル小説、ということもあって、やたらに夢があり、みんな気持ちがまっすぐで甘い部分があるのだけれど、そういうのもひっくるめていい話だなぁ、と思った。
    読み終えた後、優しい気持ちになる。

  •  完全版、星へ行く船シリーズの完結編。
    分厚くて、あゆみちゃんの苦悩と決断と成長と、そしてー。
    いろんなものがぎゅうぎゅうに詰まってる感じがする。

     うーん、こんなお話だっただろうか。
    っていうのは、こんなにあゆみちゃんと太一郎さんのベタ甘なシーンって、あったんだっけ?
    (正確には、αだよりの中にあるんだけど)

     昔読んだ時には、口が悪いし自信過剰だし、どこか子供っぽい面もあったり、でもいざという時にこれほど頼りになる人はいないっていう憧れの存在だった太一郎さんは、今の私よりもずっと若くて、なんだかとっても可愛らしい人に思える。
    印象は少し昔とは違って見えるけれど、やっぱり好きだな。
    もう、このシリーズが大好きだ。

     このシリーズのラストを飾るのが、まさかバタカップの短編とは!
    ネメシスのあとがきで経緯は書かれてはいたけれど、本当に載っていてニンマリ。
    当時とは状況が全く違って、今や空前の猫ブーム。お話に出てくる猫の人気投票なんてものがあった日には、バタカップ、かなり良いセン行くんじゃないでしょうか。

     この本は、もう冷静に★の数なんてつけられない。
    思い出と思い入れが強すぎる。
    そして、かなりの時を経てしかも「完全版」なるものに再会させてもらえたことに、感謝の気持ちでいっぱい。至福の時間でした。ありがとう。

  • "あたしがここにきたがっていた。何でだか判らないけど、そう、確かに、あたしはここに来たくてしょうがなかったんだ。ここへ来てーーそして、ピンクの空と、ちいさなおひさまを見て……。
    ……そうか……そうだ。
    あたしはそっと両手をまわして、自分で自分の体を抱いてあげた。ゆっくりと、優しく、ありったけの思いをこめて。
    田舎で見た、満点の星。やっぱり、あれがすべての始まりだったんだ。あそこで見た星が、あたしの運命だったんだ。
    シノークの砂漠で。家に帰ろうと思った。帰って、あったかい部屋で、窓の外に降っている雨を見ながら、紅茶いれて、ショパンのピアノ曲なんか聴きたいと思った。でもーーあの時あたしは、帰らなかったんだ。"[p.275]

  • おそらくファーストコンタクトに分類されるSFで、相手となる異星人が登場しない希有な作品なんではないだろうか。ほぼあゆみちゃんの心理的葛藤だけで1冊書ききってしまうあたりが新井素子だなぁ。
    今回のシリーズには各巻に短編が1つ追加されていますが、この巻のバタカップ編が最高じゃないだろうか。
    あと、ここまでやったからには「星から来た船」も、同じ装幀で出して欲しいな。

  •  『二〇一七年 三月三〇日 第一刷 発行』版、読了。


     シリーズ最終巻かつ前巻からの続きにあたる後編。

     主人公には特殊な能力があり、それを遭遇した異星人との交流に用いて人類との架け橋になるよう協力してほしい……なんて言われる話。

     この特殊な能力がなんなのか、その前フリだけでおよそ90ページ。そして、主人公の葛藤が大半をしめて、協力していざ出発で物語は終わってます。

     そしてその後を描いた中編と、書き下ろしのショートショート、最後に書き下ろしのあとがきです。


     文体は、作者ならではの読みやすさでスラスラ読めます☆ ただ、読んでスカッとしたかどうかというと、それはまた微妙な気分。ひとまずシリーズ全部、ひさびさに読み直した感だけは達成できました。

     次回はぜひ過去作の改訂版ではなく、完全新作を読みたいところです。

  • 届いた。読んだ。
    といっても、最後のやつ、二つ。
    やっぱりしっくりなじみます。
    世代、でしょうか。

  • 最初に読んだときよりも面白く感じた。新井素子の代表作なのは間違いない。

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星へ行く船シリーズ5そして、星へ行く船の作品紹介

新井素子の人気SFシリーズ・全5巻、完結!

憧れの女性レイディに拉致された、あゆみ。
ある仕事を依頼されるが成功すれば全宇宙の英雄、失敗すれば一生火星へ帰れないという極端なもので……表題作ほか、
後日譚「α(アルファ)だより」、
書き下ろし短編「バタカップの幸福」、
新あとがきを併録!

星へ行く船シリーズ5そして、星へ行く船はこんな本です

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