〈西洋美術史を学ぶ〉ということ: 成城学園創立100周年成城大学文芸学部創設60周年記念シンポジウム報告書

著者 :
制作 : 喜多崎 親 
  • 三元社
3.77
  • (2)
  • (7)
  • (3)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 58
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883033683

作品紹介・あらすじ

"西洋美術史"は何の役に立つの?実学偏重傾向にある大学での学び。そこで"西洋美術史"を学ぶのは優雅な"趣味"と見られがち。でも、異文化を理解し、美術作品という視覚的な物を言語化し、それを歴史的に考察する"西洋美術史"は、汎用性の高い能力を習得できる学問なのです。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 開始: 2023/12/12
    終了: 2023/12/12

    感想
    何の役に立つのか。人生。彩りのない生活に追われる。そんな中で一滴の水となり心に染み渡る。芸術とは人が生きていく上で欠くべからざるもの。

  • 講演会の記録なので、会話調で進んでいく。

    日本人として西洋美術史を学ぶ意味、という大きな問題に、分野の名だたる方々が答えている。どれもはっきりとはしてないが、一人一人の美術を愛するようになった経緯の中に、やはり一人一人の問いに対する答えが含まれていたように思う。

  • 「西洋美術史は何の役に立つんでしょうか?」典型的なDevil's advocateだが,重要な視点だと思う.リベラルアートの重要性を考えるきっかけになると思った.千足さんとは面識があるので高階さんとの出会いのエピソードは楽しく読めた.今度,詳細な話を伺ってみよう.高階さんが強調していた,絵に現れわされたものから,時代背景などを読み取る力を備えていきたいものだ.

  • 過去の軌跡をたどる
    ものの通訳者

  • 西洋美術史は役に立つか?というところから、そもそも人文系で学問は何かを明かす好著。

    シンポジウムの内容をまとめた小冊子。

    学問することにはpurenessがある、なければならない、という言葉にハッとする。実用的=手段的だが、そもそもその手段を使って、どんな生を享受したいのかが重要だと思った。

    西洋と日本の違いも相変わらず興味深い。

    リベラルアーツ教育と細分化された学問の中で普遍的な手法を体得する教育の対比も面白い。

  • 物言わぬ美術品から作家(画家、彫刻家)が伝えたいことを知るための、美術品を通して昔の人と会話をするための、言語として美術史を学ぶ。
    なるほどねー。高階先生、さすがです。
    現代の東洋における実学的なものを理解するために、一番距離があるのが、西洋の美術の歴史であり、一番遠いものを通してこそ学べるものがあるはず、というのも納得てす。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

高階 秀爾(たかしな・しゅうじ):1932年、東京生まれ。東京大学教養学部卒業。1954ー59年、フランス政府招聘留学生として渡仏。国立西洋美術館館長、日本芸術院院長、大原美術館館長を歴任。現在、東京大学名誉教授、日本芸術院院長。専門はルネサンス以降の西洋美術史であるが、日本美術、西洋の文学・精神史についての造詣も深い。長年にわたり、広く日本のさまざまな美術史のシーンを牽引してきた。主著に『ルネッサンスの光と闇』(中公文庫、芸術選奨)、『名画を見る眼』(岩波新書)、『日本人にとって美しさとは何か』『ヨーロッパ近代芸術論』(以上、筑摩書房)、『近代絵画史』(中公新書)など。エドガー・ウィント『芸術の狂気』、ケネス・クラーク『ザ・ヌード』など翻訳も数多く手がける。

「2024年 『エラスムス 闘う人文主義者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高階秀爾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×