ナショナリズムの受け止め方―言語・エスニシティ・ネイション

著者 :
  • 三元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883033805

作品紹介・あらすじ

グローバリズムの強まりと軌を一にしてナショナリズムの波が世界をおおう今日、いかにして他者・異文化理解は可能なのか。リベラルナショナリズム、オリエンタリズム論、ポストコロニアル論、人類学、社会学、社会言語学等の理論的考察、そして旧ソ連・ユーラシア世界の歴史と現状の実証的研究をつうじ、あらためて言語・民族・エスニシティ・ネイションを考察する。

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  • 『ナショナリズムの受け止め方――言語・エスニシティ・ネイション』(塩川伸明 三元社 2015)

       ナショナリズムという難問に挑む――
     グローバリズムの強まりと軌を一にしてナショナリズムの波が世界をおおう今日、いかにして他者・異文化理解は可能なのか。リベラルナショナリズム、オリエンタリズム論、ポストコロニアル論、人類学、社会学、社会言語学等の理論的考察、そして旧ソ連・ユーラシア世界の歴史と現状の実証的研究をつうじ、あらためて言語・民族・エスニシティ・ネイションを考察する。

    定価=本体 2,800円+税
    2015年3月15日/四六判並製/336頁/ISBN978-4-88303-380-5
    http://www.sangensha.co.jp/allbooks/index/380.htm


    【目次】
        はしがき 11

      序 章 ナショナリズムの受け止め方――社会思想史的検討へ向けた一試論 21
         1 問題の所在 21
         2 ナショナリズム評価の変遷 24
         3 ナショナリズムとリベラリズム 30
         4 現実的な背景 35
         5 結びに代えて 41

    第1部 色とりどりの理論との対話 

      第1章 リベラル・ナショナリズム理論の再検討――ウィル・キムリッカの場合 49
         1 はじめに 49
         2 キムリッカ理論の骨格 51
         3 いくつかの疑問 58
         4 「民族」という問題系 62
         5 言語への着目 66
         6 キムリッカ自身の応答と更なる疑問 70
         7 キムリッカ理論の射程―旧ソ連・東欧諸国への応用 73

      第2章 オリエンタリズム論再考――サイードへの問いかけ 85
         1 はじめに 85
         2 『オリエンタリズム』という書物との遭遇――最初の出会いから再見へ 87
         3 主題の多義性 91
         4 専門知への批判的眼差し 96
         5 表象の問題―「見る者」と「見られる者」 101
         6 おわりに 105

      第3章 人類学・ポストコロニアリズム・構築主義――杉島敬志編『人類学的実践の再構築』をめぐって 109
         1 問題提起 109
         2 「他者」とは何か 114
         3 「他者」理解の困難(1)――「本質主義」批判とその限界 118
         4 「他者」理解の困難(2)――翻訳としての他者理解 122
         5 学問の倫理 128
         6 他者の「代表」「代行」可能性 132
         7 対抗戦略とその限界 138

      第4章 社会学的ナショナリズム論の冒険――大澤真幸『ナショナリズムの由来』をめぐって 147
         1 はじめに――理論社会学とナショナリズム論 147
         2 書物の構成および特徴 151
         3 「原型」?――古典的ナショナリズム 156
              〈旧植民地諸国における言語問題〉 157
              〈多文化主義とその批判〉 160
              〈シヴィック・ナショナリズム/エスニック・ナショナリズム論〉 161
              〈資本主義と社会主義〉 167
         4 「変形」――現代的状況 170
              〈前提としての古典的ネーション論〉 171
              〈「アイロニカルな没入」論〉 175
              〈サバルタン論〉 179
              〈イスラーム主義をめぐって〉 183
              〈実践的な提言――クレオール論を中心に〉 185
         5 補論「ファシズムの生成」について 191
         6 おわりに 193

      第5章 多言語主義という問題系――砂野幸稔編『多言語主義再考』に寄せて 201
         1 はじめに――多文化主義・多言語主義・多言語状況 201
         2 「状況」――類型論の試み 204
         3 「主義」――その限界? 209
         4 「舗装工事」のディレンマ 211

    第2部 社会主義の実験と民族・言語問題 

      第6章 ソ連の民族問題と民族政策――テリー・マーチンの業績に寄せて 221
         1 はじめに 221
         2 基本的骨格 224
         3 研究対象の幅広さ 228
         4 取り上げられる民族の多彩さ 230
         5 時間的推移の把握 235
         6 第二次大戦およびその後への展望 238
         補注1 241
         補注2 242

      第7章 ある多言語国家の経験――ソ連という国家の形成・変容・解体 249
         1 はじめに 249
         2 問題提起―ソ連言語・民族政策の「アファーマティヴ・アクション性」 251
         3 「現地化」政策とソヴェト版ネイション・ビルディング 253
              〈「現地化」政策〉 253
              〈ソ連におけるネイション・ビルディングのあり方〉 256
         4 「多言語主義イデオロギー国家」のかかえる矛盾 258
              〈アファーマティヴ・アクションおよび多文化主義の困難性と矛盾〉 258
              〈「言語建設」「民族建設」の問題〉 261
              〈「基幹民族」優遇政策の思わざる副産物〉 264
         5 反抗と解体 268
         補論 カルヴェの所論との対比 274

      第8章 旧ソ連地域の民族問題――文脈と視点 289
         1 文脈の重層性 289
         2 ペレストロイカ期再訪 292
              〈問題の諸相――その多様性〉 293
              〈いくつかの事例〉 295
              〈連邦再編の試みから連邦解体へ〉 300
         3 冷戦後/ソ連解体後 302

      第9章 歴史社会学とナショナリズム論の新地平――鶴見太郎『ロシア・シオニズムの想像力』をめぐって 309
         1 はじめに 309
         2 書物の基本的な内容 310
         3 理論的観点について 314
         4 思想史と現実史の間 318
         5 若干の残る問題 320

         あとがき 325
         索引 i

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著者プロフィール

東京大学名誉教授

「2020年 『歴史の中のロシア革命とソ連』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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