太宰治ADHD(注意欠陥・多動性障害)説―医師の読み解く「100年の謎」

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著者 : 富永國比古
  • 三五館 (2010年8月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883205103

太宰治ADHD(注意欠陥・多動性障害)説―医師の読み解く「100年の謎」の感想・レビュー・書評

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  • 最近、太宰治の作品を読んでいるのでもっと太宰治を知りたいと思い、読んでみた。昔から太宰はただのかまってちゃんなメンヘラだろうと思っていたのだが、これを読んでADHDやアスペルガー障害・アダルトチルドレン、トラウマなどのいろいろな疾患や生きづらさを抱えながら生きてきたのだなと知る。こういった太宰の部分を見て、太宰作品を読むとまた違った雰囲気を感じれるのかもしれない。

  • 私は文学研究のことは良く分かりません。素人の読書家として、文学や小説の良し悪しや価値は、作者の作品外の生活を抜きにして語られるべきだと思ってきましたが、特に生の苦悩をテーマとしていた作者については、このようなアプローチも意味のあるものかと思います。

    太宰は、津軽でも有数の素封家に生まれ裕福な中で育ち、勉強もできて旧制中学・高校から帝大に進み、生活上は何不自由なく大人になったわけですが、それゆえに精神的に非常に弱くて、お金や女性関係や生活にだらしなく、破滅的、それを文学の上で表現した、、、たとえばこんなイメージで理解されているのではないかと思いますが、彼が発達障害であったのではないかという仮定を置くと、また違った姿が見えてきます。

    太宰が、甘やかされて育てられたので弱くだらしなくいいかげんだったのではなく、ADHDやアスペルガーであったために、逆に非常に完璧主義で潔癖だったのに自分の理想どおり生きられない、対人関係をそつなくこなすことができない、その苦悩が彼の文学だとしたら、という感じです。かつ発達障害は育成環境によっては二次障害を招くのであり、金持ちで地元の有力者であるが家庭を顧みない父と、病弱で子育てができない母が、太宰の発達障害傾向をさらに問題に向かわせた可能背もあるかもしれないと。

    正直に言って、太宰が発達障害であるかどうかはどうでもいいのです。また、私は発達障害の考え方は、レッテルを貼って遠ざけるのではなく、その特性を理解した上で本人と周囲が一緒によりよく生きていけるために努力や工夫をするためにあると思ってますので、すでに亡くなった方が発達障害であるかどうかは実は重要な問題ではないと思います。

    ですが、太宰のケースは、発達障害がいかに周囲に理解されにくいものか、特に成人の発達障害者が抱える苦悩はどのようなものか、を表す一つのケースとして意味のあるものなのではないかと思いました。

    文学者研究としてどうなのかはわかりません。発達障害と関係なく太宰の人物像に迫ろうとしている部分にはあまり興味がもてず、情緒的に過ぎる、思い込みでは?という記述も散見されたので、結果として半分ぐらいは読み飛ばしたことも事実です。

    発達障害に関心のある方にはおススメします。

  • 太宰治という人物を、発達障害という視点から捉える試みをした本書。

    前半は、太宰の人となりや作品から発達障害の可能性に言及したもので、発達障害についてある程度知識があったので興味深く読めた。

    後半、かなりの部分をキリスト教との関係で太宰を語っているので、キリスト教の知識がないと分かりにくいかもしれない。
    太宰とかかわりのあった多くの作家とのエピソードが面白く、いくつか出てきた文献を読んでみたくなった。

  • めちゃくちゃ面白かった。
    ADHDやASについてよく知りませんでしたので、興味が沸きました。
    参考文献がそらもう沢山出て来まして…読まねば!

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