- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883251629
作品紹介・あらすじ
知将「石田三成」は、豊臣政権の転覆を図る徳川家康に、敢然と立ち向かった「忠義」の臣として、多くの人に受け入れられている。しかし、三成の評価は、単なる「忠義」の臣でよいのか?
三成は秀吉のもと、戦国時代後の理想国家を夢みて、太閤検地や兵農分離などの政策を行っていた。それは、社会に浸透したさまざまな既得権を奪うもので、まさしく戦国の構造改革であった。三成は、この改革を断固実現した政治家としてこそ、正当に評価されるべきである。彼は「私恩」のために家康と戦ったのではない、家康と目指す国家が違うために立ち上がったのである。この本では、大谷吉継や直江兼続ら盟友との関係にも触れつつ、新出文書も踏まえながら新たな三成像を提示する野心作。
感想・レビュー・書評
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三成の誕生から関ヶ原合戦後の佐和山落城までを、古文書等の解釈を交えながら検証している。小説と違い、三成の成し得たことを端的に知ることができる。
惣無事令や太閤検地、刀狩りなど、その後の社会や経済システムを形作る上で欠かせなかった構造改革を、豊臣政権の中で三成が中心となって進めていたことがわかる。こういった歴史的事実から、三成が目指した社会の姿を垣間見ることができる。
P188 三成が目指した先鋭的な中央集権国家は実現せず、徳川幕府では大名連合的で緩和された中央集権国家となった、という記述はもう少し勉強しないとわからない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書状等をもとに、詳しいことが余りわかっていない三成に関する事実関係を淡々と検証、確認していく作品であり、一般向けの本というよりはかなり学術的な本という印象を持った。
他の本からの引用ではあるが、豊臣政権の社会・経済制度度改革の意味を説明している部分が参考になった。 -
石田三成を深く掘り下げた本。
豊臣秀吉や島左近のほか、関わりのあった人物の略歴解説もあり、なかなか面白かった。
この本は、三成の地元、滋賀県の出版社が出した本だそうで、確かに地元ならではの地図等も多く取り上げられているな、と。
古文書も、一部がまとめて掲載されており、より深く石田三成を知りたい方にオススメ。 -
滋賀県の地方史を扱っている出版社が出した石田三成の本。
巻末には参考文献や引用史料の白文など資料も充実しており、最近の石田三成関係では良著。
石田三成といえば豊臣への忠義の士として語られることが多いが本著はそれだけではなく豊臣政権の事務次官としての石田三成にもスポットを当てていてとても面白かった。
値段も手に取りやすい値段なので石田三成好きはぜひ読んでいただきたい。 -
現在読書中。