- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883353736
作品紹介・あらすじ
デジタルテクノロジーが浸透した社会において伝統的なマーケティングの解釈はどのように変わるのか。いまの時代に合わせて再編したマーケティングの新しい教科書。
感想・レビュー・書評
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宣伝会議のイベントに参加した際に、
10%OFFだったために試しに購入。
章によって執筆者が異なるため、
読みやすい章とそうでない章の差があり、
用語などの言葉も統一されていない。
第7章/第8章の山岡教授と
第9章/第10章/第11章の立川さんは、
まとまっており非常に分かりやすい上に、
深く勉強になる内容だった。
第7章はブランドについて書かれている。
下記は、この章で特に学びになったことだ。
・マーケティングの中で重要な概念の一つポジショニングで成功するブランディング・プログラムは、特異性というコンセプトに立脚している。
・ブランディングとは、ひとえに差異をつくるプロセス。
・ブランド・イメージとブランド・アイデンティティのギャップ。
・ブランドの構築のどのように行なっていき、どのような要素が必要かのフレームワークに、ブランド・ビルディング・ブロックがある。
・ブランド開発戦略は、ライン拡張、ブランド拡張、マルチブランド、新ブランドの4つの方法がある。
・ポジショニングの基本原理は、脳はお手上げ状態、脳は混乱を嫌う、脳はピンぼけするという3つの特性で説明できる。
第8章は新製品開発について書かれている。
下記は、この章で特に学びになったことだ。
・ニーズとウォンツの違い。
・IDEOは、着想、観念化、実現化の3つの段階で開発を進める。
・新製品開発プロセスは、アイデア創出、アイデアスクリーニング、コンセプト設定、マーケティング戦略、事業分析、製品開発、市場テスト、商品化の8段階。
・アイデアを出すための手法の例は、前提逆転発想法や分割発想法。
・選定条件は、企業、競合、顧客の3Cや、競争優位性、実行可能性など。
・ニーズを満たすものが製品であって、企業が開発したものが製品ではない。
第9章は価格戦略とチャネル戦略について書かれている。
下記は、この章で特に学びになったことだ。
・マーケティングの4Pにおける2つの要素が価格(Price)と、チャネル(Place)。
・チャネルには、流通チャネル、販売チャネル、コミュニケーションチャネルと大きく3つある。
・流通チャネルには、物流、商流、情報流の3つの側面がある。
・販売チャネルには、人チャネル、情報媒体チャネル、店舗チャネルがある。
・価格は、顧客視点=価格の受容性、競合視点=価格の競争優位性、自社視点=商品の収益性から、総合的に評価し決定される。
・需要の価格弾力性=需要量の変化率(%)/価格の変化率(%)で、値が1を超えると弾力性が大きいと言い、1より小さいと弾力性が小さいまたは非弾力的と言う。
・Price Sensitive Measurement分析は、消費者に下限価格、上限価格、理想価格、妥協価格を聞き、参照価格の分布を見るものであり、価格設定範囲が分かる。
・ペネトレーション・プライシング(市場浸透価格設定)とは、新製品の発売時に相対的に低い価格を設定し、競合他社が追随する機会を排除する戦略。
・スキミング・プライシング(上澄吸収価格設定)とは、新製品の発売時に相対的に高い価格を設定し、大幅な利益を計上することで、早期に新製品の開発コストを回収する戦略。
・イールド・マネジメント(収益管理)とは、価格を状況に応じて変化させて企業の収益を最大化させる戦略。
・直接販売、半直接販売、間接販売の3つの管理方法。
・流通チャネルには、開放的流通、選択的流通、排他的流通の3つの方法がある。
・オムニチャネルとは、店舗、カタログ通販、オンラインストアなど、複数の販売チャネルや流通チャネルのすべてを統合させて、一つのシームレスなチャネルを構築すること。
・マルチチャネルとは、特定の顧客をターゲティングしてチャネルを使い分けるという手法。
・O2Oとは、一般的には「Online to Offline」という意味だが、近年では逆に「Offline to Online」という意味でも使われるようになった。
・オンラインとオフラインのチャネルを統合するという点においては、O2Oもオムニチャネルの1つの役割。
・ショールーミングとは、商品の購入を検討する際に、店舗で商品を確かめ、店員を介して商品知識を身につけてから、店舗ではなくオンラインストアで購入するという形態。
第10章はコミュニケーション戦略について書かれている。
下記は、この章で特に学びになったことだ。
・コミュニケーション戦略のプロセスとして、まずは目的の設定を行う。誰になにを伝え、どのような態度や行動の変化を起こさせたいのかを明らかにする。次に変化の各段階において、どのメッセージをどのコンタクトポイント(またはタッチポイント)で伝えると目的を達成できるのかを考える。最後にそれぞれの段階における効果検証を行い、コミュニケーションの内容やミックスを最適化していく。
・効果的なコミュニケーションの開発には、①コミュニケーションの目的の設定、②購買決定プロセスの理解、③メッセージの作成、④コミュニケーション・チャネルの選択、⑤コミュニケーション・ミックスの決定、⑥効果測定と最適化の6つのステップがある。
・購買に至るまでに「認知、感情、行動」の段階を通過すると言われているが、その過程を顧客の視点で細分化したものにAIDMA(アイドマ)やAISAS(アイサス:電通商標登録)といったモデルがある。
・コミュニケーション・チャネルには、人的と非人的の2種類があり、人的チャネルであれば、企業チャネル、専門家チャネル、社会的チャネルがあり、非人的チャネルには、テレビ、新聞、インターネットなどのメディアやプレスリリースやスポンサーのイベントなどが挙げられる。
・コミュニケーションの手段は、「広告」、「パブリック・リレーションズ」、「クチコミ」、「ダイレクト・マーケティング」、「販売促進」、「人的販売」などいくつかの種類がある。
・広告とは、広告主を明らかにして、人を介さずに、有料の媒体を用いて、製品やサービスの宣伝をするもので、具体的には、放送広告、印刷広告、Web広告などがある。
・広告の特徴として、①公共性、②普及性、③表現の多様性、④非人格性が挙げられる。
・パブリック・リレーションズの特徴として、①マスメディアの利点の享受、②イメージのコントロール、③演出が挙げられる。
・広告が購入の理由を提供するアプローチに対して、販売促進は人や組織のモチベーションを誘引するインセンティブ的な役割を持っている。
・販売促進には、消費者向け、流通業者向け、企業の営業向けの3つの種類がある。
・販売促進の特徴として、①即効性、②付加価値の提供、③コミュニケーション力が挙げられる。
・クチコミの特徴として、①信頼性、②加速的伝播、③制御困難が挙げられる。
第11章はショッパー・マーケティングについて書かれている。
下記は、この章で特に学びになったことだ。
・2007年に米国の食品企業団体であるGMAが提唱し、これまでの一般消費者を対象にしたコンシューマー・マーケティングとは切り離して、購買者の行動や心理を起点として、店頭・売り場でのマーケティングを捉えている。
・ショッパー、メーカー、小売業がそれぞれ便益を享受できる形で存在することで、最適な「ショッパー・ソリューション」を実現することができる。
・「10の法則」は、①商品を見せる、②効果的なナビゲーションを提供する、③製品のくくりと見せ方を単純化する、④ノイズを最小化する、⑤製品の訴求力を最大化する、⑥新製品と新しいアイデアを提示する、⑦買い物体験を簡便化する、⑧買い物体験の楽しみを提供する、⑨説得力をもって伝える、⑩柔軟性を保持する
・店頭・売り場でのコミュケーションツールは、①パッケージ、②大量陳列、③店頭POP、④サンプリング、⑤デジタルサイネージ
・POS(Point of Sales)データの利点は、商品名・価格・数量・日時などの販売実績が即時に集約される。
・FSP(Frequent Shopper Program)とは、顧客カードを発行して購買データを捉えながら、購入金額や来店頻度によって顧客を選別し、ステータスに応じて最適なサービスを提供し、優良顧客の維持や拡大を図るマーケティング手法である。ID-POSともいわれている。
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Yotsuya