顧客視点の企業戦略 -アンバサダープログラム的思考-

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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883353927

感想・レビュー・書評

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  • ー この「あなたの会社は顧客に何を提供する会社なのか?」という問いに答えるうえで、最も重要なのは長期的な視点です。今、自社が抱えている商品やサービスをどう売るかという発想ではなく、「今まで」「現在」そして「これから」あなたの会社は顧客にとって何を提供する会社なのか。自分たちの会社がどういう顧客の問題解決のために登場した会社なのか、その歴史を経てこれからどういう顧客の問題解決のために存在する会社であるべきなのか。

    この答えは、 今この瞬間に売っている商品にあるわけではありません。 会社の歴史や遺伝子、ビジョンや企業理念、そして会社の文化や社員の価値観の中にあるとも言えます。 多くの日本企業が失われた20年と共に忘れてしまっているのは、このあなたの会社は顧客に何を提供する会社なのか?」という問いに対する答えのように感じています。 ー

    お客様とどう向き合うのか、その向き合い方のヒントを教えてくれる作品。

  • プロモーションの山を作るといったマス・マーケティングよりも「顧客視点のマーケティング」すなわち、いかにファンを増やし、アンバサダーを増やし、顧客との長期関係を重要視するかということに比重が移りつつある、ということがわかる一冊。

    顧客の声を部門に籍を置く人はぜひ読んでほしい。顧客の声を傾聴することになれているはずだから、それだけでも立派な新マーケターの素質を備えている。

    今後のBtoCマーケティングを考え実践していくうえで必読の書である。顧客視点が企業にプラスの効用を与えることを信じ、それを言語化して説明するためにはぜひとも読んでおきたい。

    自分もその日のために機会を見つけて再読したいと思ったので★5つ。

  • ファンベースを読んで、引用されていたので、こちらを読んだ。
    ファンベースを読んで、感動したのだが、こちらの本のほうが、より理論的であると感じたので、こちらを保管用とすることにした。
    さらに、この大本であるグランズウェルを読もうと思っている(しかし、グランズウェルは、2008年ということで、随分遅れているが)

    マスマーケティングの時代から、SNSの時代になり、
    顧客の声が強くなった。顧客の口コミが最も強力な情報源であるのは、昔から一緒。
    テクノロジーの進歩に伴って、それが可視化され、
    世界的な規模でそれを共有できるようになった。
    そこに最大の信頼性が生まれている
    (ぐるなび、価格ドットコムなどは、その最たるもの)

    その中でも、友人というのはとても強い
    同じような趣味を持っていて、
    同じような価値観を持っている人からの推薦であれば、
    自分にも響く可能性はすこぶる高い。


    それを、商業的に運営するのではなく、
    コアなファンをベースに、会社の外に
    その情報発信源を作る取り組み。

    人は、良いものを他人に推薦したいという欲求を持っている。

    AIDMA
    Attention,Interest, Desire, Memory ,Action
    まずは、認知してもらわないと始まらない
    そのために、チャネルが限られていた過去は、
    そこに情報を流せば、寡占的に情報を伝えられる→ほかの情報源を知らないので、それを買う
    マスマーケティング。

    今は、情報が無限にある。その中で自分にとって有用な情報は何かを選別するのが難しい時代。

    AISAS
    Attention Interest Search,Action Share
    Shareが、他人の各階層に連動して、
    次のサイクルにつながっていく。

    SIPS
    Sympathize identify participate share and spread

    Talker、ブランドアドボケいつ
    情報を発信する人を探す。

    アンバサダープログラムによって、
    ブランドアドボケいつを組織化する。
    アンバサダーをサポートする。語る言葉を増やすこと。

    アンバサダーと、インフルエンサーの違い
    報酬の有無。報酬を与えてはいけない。あくまで
    顧客の立場で、語るからこそ、その言葉に信用性が生まれる。

    アンバサダーとロイヤルカスタマーの違い
    推薦してくれるかどうか。


    口コミ=Word of Mouth


    傾聴→会話→活性化→支援→統合(共創)

    現状把握
    ・ブランド顧客>CRM登録数>潜在的アンバサダー>アンバサダー
    ・アンバサダーの発信量<リーチ数>売り上げへの貢献度

    クーポンなどを使って、定量化する。

    口コミ活性化の公式
    シーン:口コミしたくなる機械
    仕掛け:人に伝えたくなるネタ・情報
    仕組み:伝えやすい機能・ツール

    アンバサダージャーニー
    商品にたどり着くまでの旅路を見直すことで、シーンがつかめる。

    話題度を増す
    知識を深める
    関係を深める。


    顧客>登録者>アンバサダー>ヒーローアンバサダーへの進化を誘導

    アンバサダーに何をしてもらいたいか
    障壁は何か
    どんな機会提供・解決支援をするか

    紺どんな行動でひろめるか
    アンバサダーによって、どんな感情を誘発されるか
    どういう行動にとるか。


    Nのサービスでも、同様のことがいえる。

  • アンバサダーマーケに関する数少ない本。

    それっぽいフレームとかは分かるんだが、結局うまく回っているところはどういうところにを注力していて、何を指標にしているのか、逆にうまくいかないところは?各論がわからないと見えてこないな。。

  • 大量生産、大量消費時代を支えたマスマーケティングに頼っていては、モノは売れない。これからはクチコミで売る時代。そう言われて久しいが、クチコミの具体的な効果やソーシャルメディアなどで強い影響力を持つと言われるインフルエンサーについて、冷静かつ理論的に論じた本は極めて少ない。 副題の「アンバサダー」とは企業やブランドを自発的に応援して、情報発信をしてくれるファンのことだ。著者は「もはや情報の主導権は顧客の側に移ってしまった」と言い切り、真の顧客視点に立って、アンバサダーを発掘し、その言葉に耳を傾けることが新たな市場を切り開く一歩だという。それは同時に 企業の長期戦略の策定や、ブランドの構築にも良い影響をもたらすと指摘する。デジタルマーケティング事情に詳しく、自身もブロガーとして、活動する著者が、クチコミがうむパワーと、その発火点となるファン(=アンバサダー)をテーマに新時代の市場開拓を説く。

  • 「顧客視点」というよく耳にする言葉。私の会社でも、「お客様のためになる○○」などの言葉がよく出てくるけれど、実際は企業視点だな、と思うことがまれにあった。
    この本の冒頭では、顧客視点で考えるとおかしい点として、新規顧客獲得のために数万円のキャッシュバックで乗り換えを推奨する携帯キャリアの例をあげていた。10年以上使い続けている人には何の優遇もないのに、他の通信会社から乗り換えたばかりの人には数万円もの現金が渡される。これって果たして顧客視点なのか?という問いかけに、思わず「アイタタタ…」と思った。まさしく会社で、期間限定の送料無料キャンペーンを行ったばかりだったからだ(その前日に買った人はきっと損した気分になっただろうから)。

    そこから読み始めた『顧客視点の企業戦略 アンバサダープログラム的思考』、顧客視点から、優良顧客をいかに増やしていくかについて、今後生かせそうなことがたくさん載っていたのでメモしておきます。

    --------------
    デジタル時代は顧客に情報の主導権が移ってしまった。企業と顧客の関係は、インターネットやソーシャルメディア、そしてスマートフォンの普及により180度変わってしまったと言われる。大きなポイントは
    ・顧客の情報収集能力が飛躍的に高まった
    ・顧客の声が可視化されるようになった
    ・顧客の声が伝播するようになった
    の3点(P30)

    →顧客が企業からの情報提供だけでなく、リアルな声を収集・拡散できるようになった(ソーシャルメディアの影響)から、企業と顧客の力関係が変わった。

    顧客を味方にすることで得られる恩恵はクチコミの拡散だけではない。顧客の声が可視化されるということは、企業が顧客の声を聞きやすくなったことを意味する。ソフトバンクは、ツイッター上の顧客の声に対して積極的に話しかける「アクティブサポート」と呼ばれる手法で、自社に対するクレームだけでなく、iPhoneのトラブルに関する発言にも声掛けをし、ツイッターユーザーにおけるソフトバンクのイメージ向上に成功したと言われている。また、顧客の情報収集能力が上がったということは、顧客の商品やサービスに関する知識が増えているということでもある。そのため、企業にとっては顧客の意見の価値が増えている(P38)

    アンバサダーは、ここでは「企業を積極的に応援してくれる顧客やファン」という意味。従来のお得意様や常連客などの言葉で連想するのは、あくまで企業側にたくさんのお金を落としてくれている顧客のことだったが、アンバサダーとなった顧客は、それだけでなく他の顧客を連れてきてくれたり、企業に様々なフィードバックをくれたり、企業の一員となって活動しれくれることがありえる(P)

    アンバサダープログラムとは、ブランドアドボケイツを自社の応援団として組織化し、企業が彼らと一緒いマーケティング活動を行う取り組みの総称のことであり、クチコミや評判が広がる仕組みを構築することを目的とする(P128)

    今や消費者は企業発信の広告よりも、他の消費者の言葉を信用するようになっている。アンバサダープログラムは、企業から直接発信するのではなく、企業が伝えたい情報をアンバサダーに伝えてもらうというのが基本的な考え方(中略)企業からは伝えることのできないきめ細かい情報や、一消費者としての実感を込めた内容を伝えることができる(P)

    →例えば企業がブランドの目指す理念を伝えたいと思ったとき、通常は広告を通じて伝える。その際には広告制作者によって魅力的なキャッチフレーズやボディコピーに凝縮されるが、制約(メディアにタイミングよく接しているときでないと見てもらえない、時間やスペースなど)がある一方で、アンバサダープログラムでは、消費者の代表に広告では伝えられないような深い情報を伝えられ(しかも知りたいと思ってくれている)、さらにそれを彼らの言葉で、生活者としての視点とそれぞれの多様性を持って周りに語ってもらえる。情報ソースに対する信用度は広告よりも、知人からの推奨やインターネット上の消費者の意見のほうが高いことからも、この方法ならより深いファンを獲得できる可能性があるというのは確かにと思った。

    クチコミ活性化の公式=シーン×シカケ×シクミ(P201)
    シカケとは「人に伝えたくなるネタ・情報」のことで、シクミとは「人に伝えやすい機能・ツール」のこと。シーンはクチコミをする機会になり得るシーンのこと。

    ブランドの特徴やパッケージ、顧客層の違いなどがこのクチコミ率の差に影響するが、比率を上げるための取り組みをしては3つある。
    ・話題性を増す…パッケージが特殊(いろはすもも)
    ・知識を増やす…健康に良いという理解(ヘルシア緑茶の苦み)
    ・関係を深める…ツイッターでのアクティブサポート

    ※アンバサダープログラム導入のモデル設計が一番参考になったけれど、情報量が多すぎるので概要のみ。

    「アンバサダーステップ」検討の順序(P233)
    仮設定①アンバサダーにどんな活動をしてほしいか
    ⑤⑥アンバサダーに友人にどんな影響を与えてほしいか(感情・行動)

    検討・洗い出し②アンバサダーの活動に至らない「壁」は何か
    ③「壁」を超え活動を促進する「機会
    」は何か
    ④アンバサダー以外の人に伝える方法何か

  • ビジネスで重要と言われる「顧客視点」。だが、理念や思想として語られるだけで、実際に顧客に支持される施策を実行できている企業は多くない。本書では、顧客視点のマーケティングを実現した「アンバサダープログラム」の考え方を軸に、マス・マーケティングと両輪で機能させる、真の顧客視点戦略について解き明かす。

    はじめに  「新たなる現実」を受け入れて、次へ向かう指標としての顧客視点
    第1章 顧客視点がないと「マーケティング」ではない
    第2章 マーケティングを顧客視点で組み替える
    第3章 企業の目的は「顧客を創造する顧客」の創造である
    第4章 顧客と一緒にマーケティングする
    第5章 アンバサダーが企業にもたらす変化
    第6章 顧客視点経営がビジネスを変える

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