医者は現場でどう考えるか

  • 石風社
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883442003

感想・レビュー・書評

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  • 医者がどのように認識エラーをおこすのか。結局はナラティブにコミュニケーションを取っていくしかなくて、患者は治療のパートナーであるのだよ、という本。
    時代はEBMじゃなくてNBMだよねぇ

  • 「ドラマERの本版」とまではいかないけれど、色々な症例が出てきて(主に誤診の話ではある…)興味深かった。
    医者の多忙さや、思考・意思決定を理解すると、患者としてやるべきこと・話すべきことが見えてくる。日常にも役立つ内容だった。

  • このたびは読み飛ばしてしまったがふたたびまた手にすることだろう。

  • 図書館で借りた。

    医師でも診断を間違えることがあることを大量の事例を交えてストーリー仕立てにして解説する。

    問題意識は、自分で考えず判定システムやアルゴリズムに診断を委ねる若い医師が多いことにあるようだった。ただ、そのような医師を教育する方法は、先輩の背中を見るしかないらしい。

    本書では認識エラーが鍵となっている。病気の特徴と合致する点だけに注目してしまい、それ以外の部分を無視したり、最近よく経験した病気に何でも関連づけたりといったエラーが具体例を通して挙げられる。
    患者としては「他に何が考えられますか」といって他の可能性を示唆することが防護になるようだった。

    EBMやベイズ統計だけでは目の前の患者をしっかりと捉えることができないから、患者の話をよく聞いて、何が起きてるかを考えることが必要だと伝えているのかもしれない。

    放射線科医にX線写真を読み取る試験を行って、人により、また同じ人でも時期により診断結果が違うことに驚いた。著者が経験した手の診断でも4人の医師が異なる結果を出していて、それも意外だった。

    患者の立場からは、医師も完璧ではない、認識エラーを起こすこともあると知って、話をするしかないような気がする。

    「おわりに」が本書の内容を非常によくまとめているため、読むかどうかはそこを見れば判断できる。

  • 【テーマ】
    医者はなぜ、治療・診断においてミスが生じてしまうのか。本書では、医者の思考メカニズムに基づいて、その要因を考察している。

    【内容】

    医療とは、そもそも不確実性を伴う分野であり、少なからずミスは生じてしまうもの。そのリスクをミニマイズするためには、以下の要素が重要である。

    ①医師特有の思考メカニズムの良くない特徴を認識しておく必要がある。例えば、時期尚早な結論付け、フレーミング(すぐに既存パターンにあてはめる)等。

    ②上記の予防策・防護策として、患者の協力が必要とのこと。つまり、より良い医療には、医者と患者間のコミュケーションを良好に図る必要があるとのこと。



    *一般的には、医者は最適な治療方法の選定・診断を行うためには、”臨床アルゴリズム”のようなロジックを使っている。ただ、万能な思考ツールではなく、複合的な要素が絡み合うケースや、判断が難しいケースの場合、上記のようなロジックは使えない。

著者プロフィール

1952年生まれ。ハーバード大学医学部教授(Dina and Raphael Recanati Professor)兼、ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターの生物医学などの実験的医学主任。がん、血液疾患、エイズ治療の第一人者。「ニューヨーカー」誌で医学・生物学分野のスタッフライターをつとめ、また「ニューヨーク・タイムズ」紙や「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙などの新聞や多くの科学雑誌に寄稿し、旺盛な執筆活動も続けている。日本で刊行された著書に『毎日が贈りもの』、『セカンド・オピニオン』がある。

「2011年 『医者は現場でどう考えるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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