- Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883643172
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
初見の訓練ってすごく大切なのに、なぜか音楽教育において重要視されない気がする。
新曲視唱と同様に、レッスンや音楽学校の授業に組み込むべき。
あとがきで著者が書いているように、初見は基礎でしかなく、深い楽曲分析と演奏研究の方がメインであることはそうなのだが、両方できるのがベストだ。
今まで多くの人に初見のアドバイスを求めてきたけど、役立つものは一つもなかった。
「初見が苦手なら暗譜が得意になる」
「初見ができるより、1曲をじっくり取り組める方がすごい」
と励まされたり(そんなこと聞いてないのだが)、
「初見は練習しなくていい」
「怖い先生が横にいると思って止まらずに弾く」
「遊びでいろんな曲を弾いてみよう」
と難しめの課題を紹介されたり。
初見が得意な人は、
「なんで得意か自分でわからないのよね。なんか手がその形になっちゃうの」
と。
そして、初見ができない人を心から不思議がる。
どんなに説明してもわからないらしい。
そして大人になって初見を勉強しても伸びることは伸びるが、子供の頃に身につけた人とは比べ物にならない。
それは絶対音感のようなものである。
どの人のアドバイスも合わない時は、驚くほど呆れるほど簡単なレベルから、うまず、懲りず、諦めず、やるしかない。
何百、何千と初見練習するしかない。
そのことに、もっと早く気づけばよかった。
つまり、いわゆる(この本にも載ってるような)初見練習に向くとされる曲より、もっとはるかに簡単な譜面から、大量にこなせばよかったのだ。
バイエル上巻ぐらいから。
この本に載っている曲は良い練習になったが、曲想まで守って弾くのはまだ無理だな。
今から死ぬまで毎日初見したら、定年の頃には人並みになっているかもしれない。