- Amazon.co.jp ・マンガ (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883790210
感想・レビュー・書評
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月刊ガローーかつて隆盛を極めたその雑誌名を耳にした時、まず浮かぶ作家人といえば、丸尾末広や花輪和一などが挙げられると思います。「エロ・グロ・ナンセンス」な漫画たち。乱歩や久作の作品群を彷彿とさせる猟奇、怪奇世界への傾倒こそ、この二人にはありました。
と、偉そうなことを口走っていますが、そんな愚かな私が寡聞にして知らなかったのが、この大越孝太郎という漫画家でした。そして、その代表作である本書、『月喰ウ蟲』を初めて読むことができたので、感想をサラッと書くことにしたいと思います。
先ずこう思いました。まるで丸尾末広×花輪和一の世界観じゃないか! と。もちろん大越孝太郎という作家の個性が爆発してるのは慥かですが、やはり絵のタッチといいコマ割りといい、かの二人の影がうっすらと見えるのです! つまり何が言いたいのかと言うと、とても自分好みの絵、殊に女の子が綺麗ということでした。伊藤潤二とかもそうだけど、やっぱりこの手の作品に登場する女の子は、綺麗じゃないと惹かれません。
その他にも自分は、乱歩の小説の舞台の浅草のような、雑然として何か不穏なアルモノが跋扈しているように稠密に描写された横浜の世界も好みでした。近未来的なのに、そこらへんに死体とかガラクタが転がって不潔な感じ、凄くいいです。
しかし、作品を読み進めていくと、私も慣れてきたのか、大越孝太郎の作風にゾクッと身震いをしながら、終始ニヤケて読んでいました。大越孝太郎の漫画はなるほど確かに丸尾末広や花輪和一的世界観ですが、大越孝太郎のオリジナリティの源泉は江戸川乱歩や夢野久作に近い、どこか文学的というか(矢鱈と感じが旧字体だったりとかね)、「エロ・グロ・ナンセンス」に乗っかっているようで乗っていないような印象を受けました(これは勿論いい意味です)。就中本作にたびたび登場する垂紅介は猟奇小説家兼探偵と、一貫した個性のもと断片的に表れるのがまさにそうで、最後の『月喰ウ蟲』なんかまさに探偵漫画! って感じで面白かったです。乱れているようで乱れていないって言うのでしょうか、どこか孤高と自作を確立している感じが、とても斬新でした。他の漫画も、機会があれば読んでみたいですね!
個人的に好きなのは
『月喰ウ蟲』(どっちも)
『織垣家ノ娘』
『差出人をみたら匿名希望だこりゃ』
ですかね~。『織垣家ノ娘』と『差出人をみたら匿名希望だこりゃ』は狂人の得体の知れない奮闘感がすごく好きな私からすれば逸品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最後のはなしがいちばんすきだなぁと。
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大越孝太郎に間違いはないのです。
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双子の話が一番良かった。ごちゃごちゃしていて奇想的だが、中身が薄い作品もあるのでお薦めはできない。だがこの類の漫画を数多く読みたいならこれからはいるのも悪くない。
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初期作品集の改訂版。
怖いもの見たさに購入したが、意外に上品だった。
人間椅子・和嶋慎治氏の解説付。 -
この世界観、奇妙すぎる。
まるで夢野久作。
小栗虫太郎。
そして中井英夫。
さすが「ガロ」。
良作。
一般人は読まないでほしい。
読んだら嫌悪感があふれてくる。
グロでもエロでもないのかな。
故にエログロ。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
またこれは衒学的といえる。
知識は生きていくためには必要
ないのかもしれないけれど。
生きていくためには、
ただ生きていればいいけれど。
この本を読まなくてもいい。
一生読まなくていい。
それほど、良い作品。
ジャケ買いして、
よくわからない世界。
何度も読むとわかる・・・
というかむしろ、
世界に浸食されていく。
世界に侵略されていく。
そんな僕は壊れていますか。
そう思わせるマンガ。 -
初大越さん作品。どんどん危険になる。
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本屋さんで見かけたとき、まず超読みたい!!!でした。
表紙と裏表紙の絵が気になって気になって仕方がない。。
絶対濃い怪しい感じの世界なんだろうな、どんな物語がつまっているのだろうか…!と期待でワクワクで、買いました。
描写がやっぱりすごいです。
話は面白いですが、もう一歩オリジナル要素が欲しかったかも。そしたらうんとすきでした!表紙の雰囲気のだったらすきだったのかなぁ。 -
本当にすてきな作品です
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表紙だけでも買う価値あると思う。美しいから。