- Amazon.co.jp ・マンガ (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883790654
感想・レビュー・書評
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淡々と語られるムショ暮らし。しかし飯が旨そうだ。
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「本の雑誌」で入江敦彦さんが獄中記の一つとして紹介していた。学生時代の友人にディープな花輪ファンがいて、その作品世界の凄さを力説していたものだが、少女まんが育ちのわたしには絵柄がどうにも…ね。なんか匂いまでしてきそうな感じだもの。同じように匂ってきそうな粘ったタッチである諸星大二郎さんは好きなんだけど。はて、その違いは?と考えてみるに、諸星作品はどこまでも「知的」なのだ。土俗的なものに対して、作者はいつも「こちら側」から見ている。対して花輪氏は、「あちら側の人」という気がする。
本書はまったく異色作だ。刑務所に収監されていることについて、「あり得べからざる事が起こってしまった」という感は皆無。「これは表現者としてまれな機会だからネタにしてやろう」という雰囲気も、見事にない。ただ、描いている。徹底的に細部にわたって描いている。解説の呉友英氏が言うように、これはやはり特異な才能の持ち主であるがゆえのビョーキだろう。ただ、本当の意味で「病んでいる」人には、人に読ませるようなものは描けないわけで、そういう意味でも空前絶後と言える。 -
先日府中刑務所文化祭に行く際の予習として読みました。
おいしいもの食べたときに「ビューだよ~」と言うのと、人に物を頼むとき「ねがいま~す」と言うのが、癖になりました。 -
花輪氏の確かな画力と驚異的な記憶力によって描かれた獄中レポ。
淡々と描かれてはいるが、時たま現れる心象描写がリアルに響いてくる。
絵描きが3年も絵を描けないなんてなんと苦しいことだろう。 -
単純に刑務所の中がおもしろい。
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内容はもちろん、描写やカット割りも
すごく勉強になります。
余談ですが、刑務所から
保釈されたばかりのホリエモンが
「酒が飲めず、スリムになった。
最初は炭酸も飲めなかったけど、
そのうち、映画の上映会に
参加できるようになり、
炭酸やお菓子も出るようになった」
と言っていて、ちょうどこのマンガを
読んだばかりだった私は
「あー!
本に出てきた内容と全く一緒だ〜(笑)」
としみじみ思いました。 -
淡々としていながらも、実に緻密に描かれた「刑務所の中」の生活。そこに刑務所への批判や自身の犯した罪への反省といった思想は含まれていない。しかし、記録された刑務所の生活には「願いますの壁」のような異常性が潜んでいる。
食べ物に関する表現も面白い。限られた種類の献立で毎日似たようなメシを食べていると、たまにしか出ないパンが悪魔的なまでの魅力を発するゴチソウになる。これはわかる気がする。 -
快適すぎないか・・・?
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獄中記といっても薄っぺらい反省や自戒を並び立てたつまらない内容ではなく、刑務所内のしきたりや建物内部の作りなど丁寧で几帳面なペン先で見事に描いています。「ホットひとつ願いまーす」のなんちゃって妄想の所が好きだ。面白かった!
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中の様子はよくわかるが、著者の感じ方には共感できないかな.
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筆者の刑務所での実体験をもとに書かれている。
食事(ムショのくさい飯)の描写が料理マンガ顔負けの秀逸さであり、非常にうまそうである。
筆者のその他の作品と同様に、多くの人間が逃れることのできない「業」の要素も多分に含まれている。
なお、自身が犯した犯罪についての反省の描写はまったく見られないw -
すごい記憶力、細かな観察眼、さすが。
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刑務所での生活が非常に淡々と描かれている。わざわざ突飛な事を書くのではなく、日常風景を徹底的にリアルに描写する事で、却って塀の中の異様な雰囲気が伝わってくる。画の線が細い事も迫力を増させている大きな要因だと思う。面白かった。
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読んだあとアルフォート買いにコンビニに走った記憶が
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改造銃の所持で懲役三年をくらった筆者が描いた獄中マンガ。内容はとても明るく読んでいて楽しい。それにしても食事の描写が逸品で、ほんとにうまそう。
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むちゃくちゃ面白かったですね。
刑務所の中ってこんな感じなんだなぁって思いました。
刑務所に入りたいとは思わないけど、
どんな世界なのか興味は湧きました。 -
たんたんとムショ暮らしを楽しむ。
マーガリンと小豆のパン。
なぜか面白い。
何度も読んでしまう。 -
これで初めて花輪和一を知りました。割としょうもない、どうでもいいことばかりの獄中録。だからこそリアル。<br>願いまーす!「刑務所の中」一冊願いまーす!!
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飯が旨そう、それもマーガリンと小倉のパン。背徳の行為にただ恍惚となるのみですね。
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アルフォートやあんこなどの甘シャリがほんとにうまそう。。読んだ後不思議な爽快感が。
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マンガですよ。銃刀法違反でつかまった作者の獄中日記。これはねえ、絶望も諦めもないのがいいんですわ。なんていうのかな、感情をむき出しにして書くと、大体刑務所は安っぽくなるんだけど、それを排除するからいろんな感情が立ち上ってくるわけだ。そしてその描き方がうまいと思う。
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著者自身が体験した刑務所の中という特殊な環境設定にも関わらず、描かれているのはとても日常的な事ばかり。でも、徹底的に描き込まれた絵が不思議な説得力を生む。刑務所で出る食べ物の描写が秀逸で、必ず醤油かけご飯が食べたくなる。読んだ後は日常の些細な事が本当に美しく感じられるようになるはず。
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刑務所の食事が旨そうなんです。映画も面白かった。
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おなかが すくんです。
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いま、流行語は「びゅーだね!」です。
ご飯がおいしいマンガ。よだれが垂れて仕方がない。
あたしは、「天皇ごっこ」と一緒に読みました。刑務所の中に生活感を感じます。 -
たしか、「本の雑誌」をペラペラめくっているときにふと気になって、読んでみたいと思ったもの。実際に行きたくはないけど、塀の中って気になるもんな。ユーモアも交えながら、かなりリアルに描かれた一冊。なかなか。
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花輪和一氏の作品『刑務所の中(2000)』を読了。
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リアルだったが、笑いも欲しかった
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ずいぶん前に買ったきりほったらかしになっていたもの。あまり響くものはない。