虫けら様

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著者 : 秋山亜由子
  • 青林工芸舎 (2002年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883791057

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虫けら様の感想・レビュー・書評

  • 地方都市の郊外、庭に池がある家に育ったわりに、私は虫が苦手だった。幼い頃はそれなりにトンボやバッタを採ったりもしたけれど大人になる頃にはもういけない。虫けらの類を天敵であるかのように忌み嫌った。
    それなのにどうしたわけか、このところ小さなものたちに目を向けるようになってしまった。怖いもの見たさであったかもしれない。奇妙で想像を軽く超える彼らの生態や形態を知ったからかもしれない。
    そんなある日、本書を手に取った。まず表紙に惹かれた。蟻がお江戸の昔のような火鉢とキセル台を横に文机に向かって何やら文をしたためている。余白の多い、美しい絵だ。
    帯には”虫は魂を運ぶ、と私は信じている”とある。
    そしてタイトル。虫けらに様をつけてあるとは何事?とそのまま書店のレジに持って行ったのだ。
    内容はタイトルどおり。様々な小さきものたちのお話が詰め込まれている。昔話風であったり童話風であったり、あるいは説話風であったり。
    一つ一つの物語に虫けら様に向ける作者の愛おしさを感じる。
    中でも好きなのはスズメバチネジレバネの小さなお話。スズメバチに寄生する虫だ。虫に寄生する虫。虫嫌いなのにその不思議さにもう惹かれてやまないのだけども。雄は羽化して一日で死んでしまうが、その間にやはり寄生している蜂から顔だけ出して交尾し、そして卵を産んでやはりすぐに死んでしまう。
    なんと不思議な虫の一生だろう!産まれて生きて卵を産んだらおしまい。儚い命なのに延々と継がれていく命。
    せっかくだからと死んだ雄は顔しか見たことのない雌が死ぬのを待っている。死んで出てきた魂を抱きしめるとつるんつるんのぷにゅぷにゅだと言い、女の子はみんなこんななのかと思う(死んだ魂ですがね)
    なんてかわいい。なんて切ない。
    そんなお話の詰め込まれた本書に出会えて幸せである。虫はやっぱり好きじゃないけども。

  • 2016.4.10市立図書館
    コミックだった(それはそうか…)。表題作シリーズ5編、デビュー作「一人娘」ほか、虫や目に見えないちょっとふしぎなものが出てくるような16の短編のアンソロジー。
    ちいさきものに寄生するさらに小さきもの。子孫を残す本能のために人から見れば驚くような戦略もとれる虫たち。ときに水木しげる風だったり、杉浦日向子風だったり。昔の絵草子に想を得た「土蜘蛛草紙」「鼠の草子」も印象に残った。(作家との出会いとなった)絵本とはまた雰囲気の違うモノクロの世界だったけれど、虫を描いてグロくならず、細々とした描写に愛が感じられ、中学生の長女もおもしろかった模様。
    巻末には作者&近藤ようこの虫愛づる漫画家対談。
    ちくま文庫版、買っちゃおうかな。

  • 表紙買いでしたが、中身は不思議な不思議な世界でつい引き込まれてしまいました。擬人化が面白く、古い日本な感じに非常にマッチしています。2点しか出されていないのが惜しい。

  • 小さな虫たちのなんだか広い世界のお話。
    時々絵がしんどくなる時もあるけど、なんだか虫も可愛らしい。
    貝殻天使、一人娘、雪迎えが好き。
    鼠の草子も可愛い。
    くものはなしが怖い…しかし世界ってそういうもんだよなって思った。

  • 虫に対する愛があふれている作品。
    擬人化。
    話によって絵柄が変わる。
    ほんのり不思議な世界。

  • 絵が細かくてすごい。カラーのイラストは日本画みたいなかんじ。

  • どこが良いと思うのか、人に伝えるのは難しいな…。しみじみと、虫たちの営みが切なく、健気で、愛しく思える本。社会性のある昆虫のお話などは、やはり人間と重ねて見てしまいます。虫は本能の命ずるまま、時にはひどく融通の利かない無益なことになりながらも、一生懸命生きていて、俯瞰してみれば人間たちもまた同様に生きているのかもしれないなあ、と思ったりします。

  • 友人には皆知れてることなんですが。

    虫大好き!!

    でも嫌いな方でも読めると思います。短編集なのですが、御伽噺のようなストーリーや、実際の御伽噺の漫画化、うら寂しい話、悲しいけどちょっとほろっとくる話、不思議な話、残酷な話、どれも素敵。

    絵柄も独特でちいちゃくて点描がいっぱいで奇妙なような可愛らしいような稲虫やら蜂やら蜘蛛やらきのこやらねずみやらいっぱいでてきてホントたまりません。

    ネジレバネの「おみ足にすごくしがみつきたいと思います。」という台詞まわし大好きwwww

  • 虫等の小動物生態擬人化漫画。古典風味。
    蚤のサーカスが好き。ハニカムも好き。

    京都国立近代美術館の稲垣稔次郎の絵に「鼠の草紙」があって、タイムリーだった。

  • ジャケ買い大成功!の類。とにかく虫、虫、虫の生態、虫のもののけづくし。人間とは違う価値観(?)がよく描かれていて、度々薄ら寒くなり、描いた人はほんっとーによく虫見てるのねと感心する。でも、たまにとても染みる美しい話がある。真冬に口もない成虫になって目覚める虫の話が読むとホロホロ泣ける。風が吹けば飛ばされてしまいそうな虫けらの「子供のことを考えると、どこかに世界の続きがあるような気がふとしました」という思うとも言えない念。その魂のかそけさ、あてどなさ、いとおしさよ。著者はいう。「虫は魂を運ぶ、と私は信じている。」また鳥獣戯画風味の虫が可愛いんだー。

  • 「子供のことを考えると、どこかに世界の続きがあるような気がふとしました」
    このフユシャクの独白が、ほんとうに傑作。

  • 誕生日に地下でもらったもの。
    冒頭のゾウムシがかわいすぎる(笑)

  • 虫のみかたが変わった…作者のしとはほんとに
    虫がすきなんだとつくづく思った。

  • 突如として気になってきた本1
    追記:買って読みました。1つめの話からハマった。というか、折り込みの、虫の参詣曼陀羅からハマってしまった。
    しかも巻末に作者と近藤ようこの対談とは!虫談義に花が咲いてすごいったらありゃしない。
    虫のこころあり。そをなづけて虫魂といふなり。

  • ジャケ買い大成功です。小さな小さな虫たち不気味さ・おかしみはそのまま生きる事の滑稽と懸命さの表れのようでした。たまにおかしく、胸がしんとなる絶妙な短編集です。

  • 虫が主人公のコミックって、どんなんだろう?と興味本位で。
    面白かった。

    瓢箪虫なんて、最高!って思いました。
    こんな風流な虫と、1つの季節でも良いから一緒に暮らしてみたい。

    あとは色んな虫の一生をモチーフにした短編集。
    それは共生であったり、寄生であったり、
    搾取したり、搾取されたりする関係を描きながらも、
    優しく、ホンワカした気持ちにさせてくれる漫画でした。

  • 好きなものを書くのっていいなぁと思います。

  • きた。
    絵もすばらしく緻密。
    当たり前だけど恩返し系に泣けた。

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