少女椿

著者 :
  • 青林工藝舎
4.04
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本棚登録 : 1679
感想 : 142
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883791415

感想・レビュー・書評

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  • やっと読めた・・・・・・‼ エロ・グロ・ナンセンスの金字塔的本作は、我らが丸尾末広先生の代表作! 12歳の少女みどりちゃんの陰惨でどこか耽美な見世物小屋生活の中で、ワンダー正光の登場をきっかけに、徐々にみどりちゃんの未来が‟混沌”としていく・・・・・・。丸尾先生の圧倒的画力もさることながら、みどりちゃんのかわいそうな毎日に、終始目を離すことができない! 少女、絶望、見世物小屋・・・・・・個人的には惹きつけられる要素がとても多いです。
    でも、実際に読んでみると、改訂版だからかもしれないけど、そういう描写は抑えられているような気もします(勿論十分多いけど)。これに関しては、同じく丸尾先生の『D.D.Tー―僕、耳なし芳一です』でかなりの耐性がついていたからだとも思いますね。それでもインモラルでカオスな感じは拭いきれていないので、十分きまってますけど(笑)。
    あと、意外と想像補填的な箇所もあって、セリフが少なかったり、劇画チックな場面もあったりと、やはり普通の漫画とはいい意味でテンポが全然違う。『トミノの地獄』とか読んでたあたりもやっぱりそうで、この独特の丸尾ワールドが、たまらなくいいんですよね。
    まとめると、間違いなくこの『少女椿』が後に与えた影響は計り知れなくて、当時は前衛的かもしれかった本作も、サブカルチャーの中でマンガというものを影で先導する、不朽の名作として、いつまでも君臨し続ける作品だと思います。取り敢えず、読めてよかった!

  • これは読む人を選ぶな〜と思いながら読み終わりました。

    激しく嫌悪する人もいると思うけどハマる人も絶対いると思います。
    アニメの方も観ましたが漫画の方がグロテスクな部分が薄いかなと思います。漫画から入る方をおすすめ

    見世物小屋とか奇形とか聞いても引いたりしない人なら楽しめる面白い本です。

  •  見世物小屋で働かされる美しくも不幸な少女「みどり」ちゃん。その暮らしや生活は非常に残酷で、グロテスクなものでした。
     そんな「みどり」ちゃんを救いだしたかと思われる幻術師の「ワンダー正光」も、嫉妬深く恐ろしい小男。だけど、「みどり」ちゃんの不幸な毎日を考えれば、「ワンダー正光」と共に生きていく方がはるかにマシに思えました。
     見世物小屋で働く人々は、社会から見捨てられたかにも思える人々です。彼らが強く生きていくためには、辛くても働き、哀しくても笑わなくてはならない。時勢も手伝って、この時代は、きっと、わたしの父母や祖父母の目にも映らないところで、たくさんの悲劇があったことでしょう。
     最後に、救われなかった「みどり」ちゃんは、どうやって生きていくのでしょうか。その先の見えない絶望がふつふつと漫画から伝わってきました。

  • 不憫すぎるみどりちゃん

    この作品を一言で表すとみどりちゃん(主人公)をいじめ倒す胸糞系SM作品と言っても過言ではないでしょう。その不憫っぷりがいいんです笑 そして丸尾先生の独特で狂った世界観が秀逸です。
    本作を100人が読んだら10人は好み、90人は合わないかなと思います笑 読む際は心して読んでください!

  • 芸大の図書館で読んだ。
    自分は合わなかった
    漫画やのに絵本みたい

  • 映画版を鑑賞。

    ・・・・・・・・・・
    父親は家で、母親は病死・・・
    行くあての無くなったみどりは、以前やさしくしてくれた山高帽のおじさんを訪ねます・・・
    しかし、そこは赤猫屋という見世物小屋です。
    みどりは無理やり見世物小屋にで働かされます・・・
    周りには手の無いもの、両手両足が無いものと・・・
    しかし、なかなか客は来ず、お金も貰えず、そのためか周りの者達も椿にあたります。
    そのような中、新しく見世物小屋に入ってきたのが西洋マジックの使い手・正光・・・
    正光はみどりちゃんに好意を抱き、みどりも正光に惹かれていきます。
    しかし、正光がみどりに対しての感情が大きすぎみどりは正光から離れていこうとします。
    そのような中、舞台中に小人といわれ暴れてしまう正光・・・
    翌日、団長は金を持って夜逃げします。
    そしてみどりと正光は二人で再出発をしようとしますが、正光が弁当を買いに行っている最中、通り魔に刺され死んでしまうといった内容です。
    児童ポルノおよび児童わいせつに関する法律に引っかかり東京国際ファンタスティック映画祭2004を最後に8年間は上映禁止と言われた見れば見るほど不思議な気分になる作品です。
    ・・・・・・・・・・

    絵や内容の素晴らしさもあるが、素晴らしいのはやはりその世界観。
    単純なエログロではなく、一種の寂しさ、優しさ、ノスタルジーを感じさせる。
    異形のものたちはみどりにひどい仕打ちをするのに、なぜかしら憎みきれず。
    みどりも最後にはそこに懐かしさを感じ、それゆえにか「死んでしまえ!」と憎しみをぶつける。
    個人的には、包帯男やふたなり少女の存在ももっと見てみたかった。
    幻術師・ワンダー正光のもたらした安息が、もっと続けばよかったのにな……と思う。
    原作も読むこと。

  • 元祖キワモノ漫画。
    見世物小屋ってもう存在しないからか、インモラルですごく惹かれる。みどりの住む一座の怠惰で退廃的な雰囲気は、サーカス団ではありえない。寺山修司の「田園に死す」を思い出した。
    すごいのは画面のどぎつい構成。一枚絵や見開きはゾンビ映画のポスターみたいな迫力。メリハリが効いた、読者の目に焼き付くような白と黒のうずまきは、話の筋もふくめて正に見世物小屋チック。
    わけわかんないラストは、椿の首がぽとんと落ちる感じで、このわけわかんない漫画に合っていると思う。人生ってそんなにうまくいかないものだし。

  • 絵がうまいなあ~きれいだなあ~
    鞭棄萌えるなあ~

  • すごい。としか言いようがない、名作。
    もうぐちゃぐちゃで、どろどろで、混沌、
    でもそのなかになにか大切で尊いものがある、
    そんな作品。
    なにより絵が好みすぎる。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「すごい。としか言いようがない」
      凄い凄い!身体にビリビリ響いてきます。。。
      「すごい。としか言いようがない」
      凄い凄い!身体にビリビリ響いてきます。。。
      2014/03/18
  • 不幸少女・みどりちゃんと、見世物小屋のお話。
    あの時代の空気が、紙面から零れ出てきます。
    最高傑作、いや確かに。

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著者プロフィール

1956年、長崎県生まれ。15歳で上京後、『リボンの騎士』でデビュー。漫画とイラストレーションを数多く手がける。主な作品『少女椿』『月的美人』『笑う吸血鬼』『パノラマ島奇談』や荒俣宏『帝都物語』の挿絵など。

「2018年 『丸尾画報DX III』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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