はこにわ虫

著者 :
  • 青林工藝舎
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本棚登録 : 495
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883791729

感想・レビュー・書評

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  • 夢で怖い体験をしたはずなのに、朝起きて思い出してみると、全然怖くない、みたいな感じのあの不思議な気分が得られた漫画でした。
    豊かな妄想力に脱帽です。

    何となく高野文子さんの作品を思い起こしました。

  • エッセイ集『不思議というには地味な話』の漫画版と言った感じ。出版年からすると逆になるのかな。
    近藤聡乃の少し不気味で不思議な世界を追体験できる。
    わたしの場合、エッセイより漫画の方が惹かれるものがあった。こんな夢を見てみたいという好奇心を掻き立てられる。
    エッセイは、静かに心の隙間に落ちてくる感じ。
    …やはりどちらも魅力的で、同じくらい惹かれるな。

  • てんとう虫。ボタン。爪。アメ玉。キナコ。傘。スリッパ。
    何でもないものが異様に迫る。
    もう、好き。
    さらに解説が林静一で膝を打つ。

  •  多分近藤さんのマンガで「つめきり物語」が一番すきなのだけれど、記念すべき1冊目で、それが載っているのが嬉しい! 爪を切ってふと何かを思い出す…というシーンは、「つめきり物語」以前にも何回か出てきていたので、近藤さんにとって「爪を切る」ということは、おはなしの誕生(回顧??)に大切な行動なのかも^^

  • これはコミックHとかコミックアックスという、たぶんかなり相当マイナーなコミック雑誌の掲載作品を集めたものらしいです。<br><br>

    どの話も作者の「発想」がすごいというか理解できない感じがして、
    読んでいてとても不安になります。<br>
    例えば「きな粉が降ってくる教室」なんて普通の人の発想じゃないです(笑)。<br>
    全体を通じて、意味がはっきりわからない……けどなんとなくわかる話という感じですね。
    <br><br>
    正直な話、最初読んだときには「この発想は病気か薬の影響でもあるんじゃないか」と思ったほどです。


    <hr>


    これを読んでいて思い出したのは、つげ義治と山田花子(※)の漫画。
    <br>といってもどちらの作品も、私はちゃんと読んでいるわけではありません。ほとんどイメージだけです。
    <br>つげ義治の作品は「ねじ式」の入った短編集(って漫画も呼ぶのかな)しか読んでませんし、
    山田花子のはちょっとの立ち読みと「消えたマンガ家」という本での紹介を読んだだけですから。
    <br>そもそも他にいわゆる"ガロっぽい"漫画は知らないし……。

    <br><br>でも、まあとにかくそれを思い出しました。
    <br><br>

    つげ義治の世界よりは、もうすこしわかりやすい、何か意味や意図の込められたものを描いているようには感じますし、
    山田花子の世界よりは、もう少し他人との
    感じるのですが……。
    でもやはりどこか似ているなと。
    <br><br><br>

    ※もちろん吉本のお笑い芸人ではなくて、
     自殺してしまった漫画家のほうの山田花子です。
    <br>※近藤聡乃と山田花子の差異については、解説でも述べられてます。<br>
     もちろん「差異」をあえて説明するってことは、似ている要素があるってことだと思いますが。


    <hr>


    これは、確固としたストーリーがある漫画ではないです。<br>
    自虐と悪意と不安を混ぜたものを妄想で膨らませて、ちょっと幻想をまぶしてから現実に引きずり込んだ感じです。
    <br>ええと、自分でも何を言ってるか良くわかんないですね。<br><br>

    面白いと思えるかどうかは結構別れてしまう作品かもしれませんが、
    私は好きでした。
    <br><br><br>

    あとは、この人の描く世界を実際に覗いてみて下さい。
    ネットで見れるサイトや作品を紹介します。

    <br><br>・<a href="http://www.nhk.or.jp/digista/hall/2002/0913_kondo/" target="_blank">「電車かもしれない(近藤聡乃/たま)」</a><br>
     ※「PLAY MOVIE」をクリックしてください。
    <br>・<a href="http://www.ohanashiehon.com/ehon_jyouhou/interview/interview_007.html" target="_blank">近藤聡乃インタビュー</a><br>
    ・<a href="http://kiteretsu.robot.co.jp/akinobox/" target="_blank">KONDOH AKINO-box office-</a>
    <br><br>
    「なんか面白そう」と思ったら、この漫画を買ってみてください。


    <hr>

    <a href="http://blogs.dion.ne.jp/zzz/archives/1035178.html" >※その他の本の紹介・感想まとめはこちら</a>

  • 狂った世界観でも妙に実感が伴うのがすごいところ

    解説が蛇足、セクハラじゃん

  • 近藤聡乃さんの作品『はこにわ虫(2004)』を読了。

  • 2019/8/4購入
    2019/8/11読了

  • 知久さんの「電車かもしれない」のアニメーションでいいなあと思ってた人の漫画。作品中の「はこにわ」ヤナちゃんのあの歌がテーマになってて、いやあ~なんだかいいなあ、ぞくぞくするような悪夢に近かったりするんだけど、非常になんというかドメスティックに懐かしく繊細なこの感覚、思ったよりずっと面白く読めた。

  • 『はこにわ虫』著 近藤聡乃
    むかし美大生のお友達におススメしてもらった漫画です。漫画、というより私はアートに近いものとして位置づけています。妄想と、夢と、現実が混在する独特の世界観。
    説明するよりもアニメーションをみてもらったほうがいい。
    http://www.youtube.com/watch?v=tFqAc9kRP8g

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著者プロフィール

一九八〇年千葉県生まれ。マンガ家、アーティスト。二〇〇〇年にマンガ家デビュー。アニメーション、ドローイング、エッセイなど多岐に渡る作品を国内外で発表している。コミックス『はこにわ虫』『いつものはなし』(ともに青林工藝舎)、『うさぎのヨシオ』『A子さんの恋人』全七巻(ともにKADOKAWA)、作品集『近藤聡乃作品集』(ナナロク社)、主な個展に二〇二三年「ニューヨークで考え中」(ミヅマアートギャラリー/東京)、二〇一九年「近藤聡乃展 呼ばれたことのない名前」(三菱地所アルティアム/福岡)がある。二〇〇八年よりニューヨーク在住。

「2023年 『ニューヨークで考え中(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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