- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883793884
作品紹介・あらすじ
マンガ家福満しげゆきが出した結論。連載エッセイ待望の単行本化!!甘くも、苦くも、酸っぱくもある「青春」。その「青春の苦しみ」の正体は?青春に後悔のある著者が、青春を語る!「青春期をスムーズに生きるヒント」が見つかるかもしれない!
感想・レビュー・書評
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筆者の漫画はエッセイものもストーリーものもとても魅力的だけど、文章もやはり魅力的。
文章の場合、絵で表現できないという制約があるため、筆者はより饒舌になる。現代の田中小実昌とでもいうべき躊躇いがちな口語体で、ときには脱線からの脱線もしながらの展開は、どうしても一話ごとに一貫性が求められる漫画よりも一段階自由度が高くなっており、より伸びやかに筆者の持論が展開される。
自慰や非モテのような陰惨になりかねない話題もじめじめした場所に控えめに生息するキノコのようなファニーなものとして受け止められるのは、そのような伸びやかな語りの成果だろう。ここまで口から放たれる口語と頭の中で展開される思考と文章を一致させられるということは本当に稀有な才能だと思う。自分は筆者を天才だと考えている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かなり重要なことが書かれているので、読んでほしいような読んでほしくないような。
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そういうのが普通だとわたしは思います。
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とにかくチンチンシコシコ!
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面白かった。まあ、エッセイより漫画のが面白いけど、特にその、好みの子の愚痴なら永遠に聞けるんだから、愚痴が嫌なんじゃなくてそいつがそんなに好きじゃ無いんだ理論はほんまや!?ってなった。
そういう、気付きがある本。 -
いつもと同じかんじの、もうほんとに、よくもまあこんなに似たフリートークエッセイを何冊も出せるね、って思うがやっぱり大好きなのである。
いつものようにリア充、エリート、ヤリチンないしビッチ、そして社会全体や時代全体への呪詛のことばに満ち溢れていたが、まあそれはそれとして、
まずは文体とリズムがよい。こんなにダラダラした長文を書く人は谷崎、そして村上龍以来ではないか?しかも私には龍より福満のほうが上手く感じるよ。
前作でも思ったが、時代の捉え方は坂口恭平に通ずるところがあって、今30〜35歳くらいの世代をまだバブル的価値観を引きずる最後の世代と捉えて現実とのズレを警告してくる理論や、ホリエモン的に振る舞ってカリスマになるのは簡単理論など、笑いながら読めるけど真を突いてる部分も多いと思う。
そして最後の最後で「今の悩みから脱出する方法を画策し続けろ。気の持ち方を変える、とか、気にしない、的な自己啓発的な解決は全てウソである。解決しないまま年をとっても悩みの借金が増えるだけ。とにかく行動しろ。みっともない形になってもいいから動き続けろ」って言ってるのがすごい。一周してふつうにいいこと言ってるじゃん。でもこの人の魂から出たことばなのが伝わったのでいいなと思った。こんなの、ITで起業で代官山でオシャレな自転車乗ってるポジティブな人に言われてもやっぱり共感できないからな!(ってつい自分も福満発想に)