- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883863198
作品紹介・あらすじ
真夏の夜、寝床を捜して深夜の街を彷徨っていた啓太は、杉浦充という男と出会いセックスを条件に部屋に泊めてもらう。男と寝たい訳ではなかったが、啓太は自分のアパートに帰りたくなかった。大きな冷凍庫が唸る部屋で、独り夢を見たくなかったからだ。悪夢を抱えていた啓太にとって、泊めてくれる杉浦は都合のいい相手だった。しかし、杉浦の一途な想いに心が揺れるようになり…。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
内容ネタバレしない程度に言うと、最初こそドロドロ暗いですがハッピーな感じで終わっています。
収まりは悪くないし後味もとても良かったんですが・・・最初こそ内海に焦点を当てていたものの、後半は攻めである杉浦の抱える事情の方が重要になっていて展開がまるで変わり、言ってしまうと前半と後半のギャップがありすぎるというか上手くいきすぎている感はありました。あんなに前半重い展開だったならいっそメリーバッドでも良かったのに・・・そう思えるくらい前半にはリアリティのある重苦しさがありました。 -
閉塞感のある話が好きなのでとてもよかった。秘密のある人×秘密のある人。
-
最初は知的障害の話かと思っていたら、識字障害のひとの話だった。最初はどうなるかと、ハラハラ読んでいたけど、ハッピーエンドで終わっていて、すごく読了感がよい。
茶屋町勝呂の挿絵のせいか、魚住くんシリーズを連想。どこか、純粋なところの残った男が、魚住くんとカブる。
これも、続きがよみたくなる話。 -
ほろりと最後に気持ちいい涙でした。充と啓太のお話なんですが、最初は苦しくて…でも思いの外甘かったです。良かったなぁ…とジーンとしてしまった(つд`)特に秘密3ではもう…根っからの悪い人じゃなくて良かった…と。
-
★4.0。木原さん初読。戦々恐々として読んだら、サスペンスのような仄暗さに引き込まれ、最終的にいい話だなあと感動。基本的にサスペンスやミステリー系のBLが好きなのでそれだけでも読みごたえあったんですが、受の身代わりになるほどの攻のピュアなヤンデレ愛が充分過ぎるほど報われて良かったな…としみじみする読後感でした。あんなに頼りなさそうなのにSEX上手の絶倫攻というのも…狡い(笑)どこか利己的だった受があそこまで甲斐甲斐いしくなるとは。愛だなあ、愛。身構えてたけど、これは木原作品の中では甘い部類なのかな。
-
ハラハラして面白かったけど、他の作品と比べてしまうとちょっと劣るかな。
木原さんの書く話は常に先が気になって仕方なくてページをめくる手が止まらないんですが、この本に関してはそれがなかったです。
秘密の意味が早い段階でわかるからかな。
それでもやっぱり面白かった!いろいろ考えさせられました。 -
初めて木原先生の作品で読んだ本。
個人的にBLでは1番好みの本。おもしろい!充さん大好きです。
記憶がなくなってもまた読み返したい話だし、死んだら一緒に燃やして欲しい本。
オススメ -
冒頭から、サスペンス寄りのミステリ要素が非常に強く、むしろBLと言うジャンルで書かれている、と言う感覚がなくなる様な感触を覚えた。BL特有の濡れ場描写も客観視が徹底しており、性行為そのものを山場とするBLの描き方とはちと違う気がする。性描写を緩くしている、と言うのではなく、その面もきっちり押さえられているのに、数少なく読んだ他のBL小説とは明確に描き方が違う気がする。男同士の関係性に於いて、男同士の性描写は普通にある訳だが、そこが山場ではない、と言うか。行為そのものに「煽る」描写は殆ど感じられない。肉体の描写を詳しく書いてエロ度をあげる書き方はしてない。だけど、二人の男の肉体が抱き締め合っている力の強さとか、接触している皮膚が汗ばんで体温が上昇している様などがエロさとして伝わってくる。声を台詞として書くこともない。だけど、エロい。声の描写や局部の描写の実況タイプではなく、行為を行動描写として端的に書いてあるのが個人的に非常に好みで、こう言う文体で書かれるから、BLを読んでいる、と言うより一般小説を読んでいる、と錯覚してしまうのだろう。実況中継的に書かれるものも勿論好きなのだが、結果を簡潔に書かれた方が逆に状況が伝わっている、と言う場合もある、と言う感じだと思う。記憶喪失モノもそうだけど、ミステリ要素を踏まえて「恋する」と言う現象を事件として捕えた様な書き方で描かれる「恋愛もの」ってやっぱ面白い。
-
初の木原作品。
表紙はあんまり好きじゃないんですが(苦笑)内容は面白かった。
最後は、泣いてしまった。
登場人物は個性豊かです。
でも、他のどのBL小説とも雰囲気が違う。
木原さんのこの独特の世界観が好きです。
他の方もよく言ってますが、木原さんの作品を「BL小説だから」というだけで読まないのなら本当にもったいないと思う。
heavyな作品も多いと評判の木原作品の中ではlightな方だと思います。 -
最後ハッピーエンドだ。平凡やけどみんな幸せなのがいいよね。
-
話としては読ませるし、面白いと思う部分もあるけれど、好きかと問われると否。BL作品としてどこに楽しみを感じればいいんだろうと混乱する。恋愛や性愛に絡めず一般小説でこういったテイストのものを書いてくれればいいのに、と木原作品を読むたびに毎回思う。