- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883863761
感想・レビュー・書評
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題名からつい、池田聡さんのあの美しいメロディラインを想起してしまったために、読み進めて即刻のけぞるハメに。
…魔性の白髪おじさん、こわい。 -
重くて暗い内容で、ストーリーがどう進むのかヒヤヒヤしながら読みました。主人公の男に対して抱く感情が変化していく過程に不自然さも強引さも全くなく、木原先生凄い…と改めて思いました。
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す、すげ〜〜話でござますよ、コレ。ホントにこの人ってば、人に巣食う心の闇を描かせたら、天下一品ですわなあ。うひゃあ、って感じです。
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木原先生の作品はこの、あまりにも人間臭すぎる男が出てくる話が好きなところなのですが、今回も攻めの河瀬もまた然り。殺したいほど憎んでるはずなのに情がわいて柴岡を手放せなくなってしまったり、自分のことは棚にあげる、他人の目を気にする、見栄っ張りなど柴岡もなんども言うように彼は「普通」なんですよね。柴岡と出会わなければ「普通」のまま人生を過ごせたのに、柴岡というプッツン系リーマンに捕まってしまってかわいそうだが、読者はたのしい!これからも柴岡のことを憎みながらも可愛がるんだろうな。
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おっさんの魔性が炸裂。普通じゃないって、怖い。
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この作品で何より印象的だったのはそつがなく穏やかな雰囲気のおじさまという外面からは想像も出来ない底知れない黒さを持つ柴岡の存在です、実際にいたら面倒臭いことこの上ないですがこの話の中ではそれがとても面白いです。
心理が読めず不可解で不気味さも感じられる・・・それは読者も主人公も同じで、まるで2人を少し遠目から傍観しているかのようなリアリティがありました。
救いはありそうで無いようなモヤモヤが残るけど、今後彼らが辿るのは本編よりは距離が縮まった展開なんだろうなと漠然と感じられる終わり方でした。脳内妄想が美味しいです。
かなり柴岡が特殊なので人を選ぶかもしれませんが私は割と気に入っています、ただ少しスピード展開な気がしたので星三つにしました。
この作品に限った事ではないですが木原さんの作品はヒトの抱える闇というか、物語なのに妙にリアリティがある人間描写が怖くもあり、かといってページをめくる手は止められない・・・そんな読み進めるうちにどんどん深みにハマっていく魅力があります。
あと憎しみから愛情に変化する決定的な分岐点がない描写の仕方が好きです・・・別の色を少しずつ垂らして色を変えていくようなじわじわ侵食していく感じが好きです。