碧のかたみ (Holly NOVELS)

著者 :
  • スコラマガジン(蒼竜社)
4.15
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本棚登録 : 303
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883864201

作品紹介・あらすじ

昭和十八年。全盛を誇る南の要塞・ラバウル航空隊に着任した六郎は、喧嘩に明け暮れている戦闘機乗り・琴平恒に出会う。問題児だが操縦士として優秀な恒と「夜間戦闘機・月光」でペアを組むことになった六郎は、行動を共にするうちに、故郷の家族を守りたいという彼の深い思いと純粋さに触れ恒に強く惹かれていく。命の危険と隣り合わせの日々が続く中、二人は互いを大切なペアとしていとしく思うように。しかし、ラバウルにも敗戦の足音は確実に近づいていた…。「天球儀の海」希の兄・恒と六郎の命を懸けた青春の日々。

感想・レビュー・書評

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  • 前作主人公ユキのお兄ちゃん恒が主人公です。
    ユキの話の中で戦闘機で活躍してる…と出てきてました。舞台は全盛を誇る南の要塞・ラバウル航空隊
    恒は操縦士としては優秀ですが気が強く喧嘩っ早い問題児。ラバウルに着任した六郎は恒と最新鋭の夜間戦闘機「月光」でペアを組む事になり…

    1945シリーズ第二弾でございますm(_ _)m
    以下BL嫌いな方スルーしてください。







    ツンデレ受け×溺愛攻めです。
    前作ではユキをいじめてばかりで乱暴な兄と出てましたが、恒の本心は「ラバウルで食い止めて内地を守る。可愛いユキを守ってみせる」なんですね。
    戦況厳しくなる中で満身創痍、身体もボロボロ…
    「俺と一緒に空で死ぬか?」
    「いいよ」
    最後まで恒と生きて死のうと思う六郎。
    だかしか〜し!!BLはハッピーエンドが大前提でございます!!この縛りに不服無し!!
    安心してください…
    生き延びますよε~( ̄、 ̄;)ゞフー




    尾上与一先生!色々大変だと思いますが、このシリーズ再販してください!



    お◯氏の為に…m(_ _)m


    • みんみんさん
      別れた奥さんと何とか連絡がついて、相続放棄するって言うから相続支援センターって所を紹介してもらったわ(꒪⌓︎꒪)ちょっと何ヶ月もかかるらしい...
      別れた奥さんと何とか連絡がついて、相続放棄するって言うから相続支援センターって所を紹介してもらったわ(꒪⌓︎꒪)ちょっと何ヶ月もかかるらしい…
      ドラマのような展開になってます笑
      2024/01/24
    • おびのりさん
      離婚しているんだよね。
      子供の相続権かな。
      意思確認できてれば、大変でないと思います。
      順番待ちなのか。
      以前は、法務局の受付近くに相談員が...
      離婚しているんだよね。
      子供の相続権かな。
      意思確認できてれば、大変でないと思います。
      順番待ちなのか。
      以前は、法務局の受付近くに相談員が待機していて、必要書類とか教えてくれてたんだけどね。
      気が重い仕事だね。
      2024/01/24
    • みんみんさん
      ホント早く終わって欲しい(꒦ິ⌑︎꒦ີ)
      ホント早く終わって欲しい(꒦ິ⌑︎꒦ີ)
      2024/01/24
  • ラバウル航空隊に移籍してきた厚谷六郎と、前作「天球儀の海」にも登場した、希の兄である琴平恒のお話

    戦地は死と隣り合わせ
    いつしか戦闘機のペアという関係よりもさらに強い絆で結ばれ、互いを想うようになった2人も例外ではなく、ここでいう"人生"は近い将来命を散らすまでの人生なんですよね
    最期まで共にいると決めた2人の絆は何よりも尊く(BL的意味ではない)、神聖なものでした。

    そして本作の要でもある星空。
    想像もできないほどに壮大なその存在により、彼らの置かれている脆くて儚い運命が余計に際立ちます。
    戦地に赴いた人達は一体どのような気持ちで星空を眺めていたのでしょうか。
    自分の命がいつ終わるかわからない中で。
    顔も名前も何も知らない敵の命を奪い合う日常で。
    そんなものと無縁の存在を眺める時間は、やはり特別な瞬間だったのではと想像しました。

    米軍に囲まれて絶体絶命の最終局面、拳銃による自死か降伏か。
    六郎は降伏を選択しました。
    恒にとって、敵に降伏するなど言語道断だったことでしょう。
    恒は怒りを露わにしましたが、六郎のこの選択は英断だったと思います。
    恒を庇う位置で米軍兵士の銃口を一身に受けて立つ六郎の想いに涙が止まりませんでした。
    米軍は結果的に2人を救出し、瀕死の重症を負っていた恒の命も助かりました。
    敵である日本人への待遇に困惑した六郎の問いかけに対する米軍兵士の「ここは戦地ではないからだ」という答えがとても印象的です。

    そして戦争が終わり、アメリカから日本に帰った2人。
    それから何年かして、約束通り、恒に自分が作った花火を見せる六郎。
    大輪の青い花火は約束の名「月光」
    恒は一人うずくまって涙を流す...

    素晴らしい物語でした

  • 2022/07/13-07/16

  • 前作「天球儀の海」の希の兄、恒の物語
    舞台は昭和十八年全盛を誇る南の要塞・ラバウル航空隊そこで着任したばかりの六郎と恒は出会う

    細身で小柄ながらも随一の撃墜数を誇る恒の純粋な航空機、月光への愛情とケンカっ早くも真っ直ぐで素直な気性にいつしか惹かれていってしまう六郎
    敗戦の匂いのする厳しい状況下で互いに気持ちを重ねていく2人の描写が時に切なく美しく、いつ失うともしれない命への覚悟を噛み締めて受け入れていく姿に涙が溢れて仕方がなかった
    2人は比翼連理のペアとして互いに最期まで共に離れず空の碧の中に花火のように散ろうとしているかのようだ
    こんな極限の状況下で互いの命を委ね合い信頼しあう形の愛は男性同士だからこそだと思えてしまう
    歴史的に戦国時代下でも同性間の同衾は奨励されていたのも納得してしまえる
    六郎の世話女房のように甲斐甲斐しく包み込むような大きな優しい愛情に応える恒の性を超えた魅力
    慈しみ合うように愛し合う2人の姿は
    ただただ美しく尊い

    だが戦争の理不尽さも失った数限りない命の尊さも、何もかも数十年前に起こった事実だと思うと、心が張り裂けそうになる

    作中に出てくる恒へ嫌がらせをし続ける斉藤いう男が、体力を消耗し弱っているのにまだ飛ぼうとする恒を腕力で押しのけて引き止め、零戦に乗って散って逝ってしまった場面は恒や六郎と同じように悲しくて辛くてどうしようもなく泣いてしまった

    we sullender.
    六郎が降伏を選び生き抜こうとしてくれた事がとても嬉しい
    戦時下では自決が当たり前の事であったのだから、六郎のこの決断はとても勇気のあった事だと思う
    自分の命にかえてでも恒を生かし助けたい
    六郎の花火、月光の鮮やかで美しい青い大輪の花火を見て泣き崩れた恒の心には六郎の想いが全て伝わったのだろうか

    本作も牧さんがイラストを担当されていて、表紙や中絵もとても素晴らしかった
    恒が六郎を本当の夜空の星を見せようと飛行した場面は美しく迫力のある漫画になっていて、2人の気持ちに少し寄り添えたような気持ちになれる

      

  • 強気受けが絆されて信頼し甘えていく流れが好きなので六郎と恒のカップルはかなり好みでした。
    恋心だけでは片付けられない、互いを命を預け合う半身と思うような関係。
    数々の危機を乗り越え、青い花火を見ることができて、本当に良かった…。恒の大号泣が、それまでの果てしない想いを語っています。
    斎藤のように、また会えるかのような言葉を残して戻らなかった人が、一体何人いたのだろうと思うと、苦しくなる。戦闘を終え着陸直前で海に墜落してしまうことが少なくなかったとは、、なんとも言えない気持ちになる。

  • 戦時中のラバウルが舞台。
    天才的に技術のあるパイロットと
    その相棒になった主人公の話。

    けんかっ早い受けがあまり好みではなく、
    その受けになぜかすぐ惚れてしまう攻めとも
    あまり気が合いませんでした。

    同性愛への葛藤もほぼ感じられなかったですね。
    男ばかりという特殊な環境だから?

    ものすごく人気がある作品なので恐縮ですが
    話のあらすじもとくに目新しいものもなく…
    挿絵が途中で漫画という斬新な演出はありました。

    あと、これは作家さんのせいではありませんが
    校正ミスが多く見受けられ、気分が下がりました。
    慣用句の使い方もところどころ不思議でした。

    戦中物が好みの方にはツボなのかもしれません。

  • 尾上先生の作品の1945シリーズ二作品目になりますが、この作品が読んでいて一番わくわくしました。主人公は前作の希の兄の恒です。この恒が本当に可愛くて恰好よくて、たまらない気持になります。相手役の六郎とのやり取りも楽しくて、読んでいて本当にお互いを大切にし合っているのだという事がよく伝わります。そして幸せな分だけ、戦争中だということや、いつ死んでもおかしくない日常だという現実も併せて儚い印象でもあります。本当の戦争や航空機乗りがこんなにもきれいなわけがないこともわかっていますし、美化して哀れな部分だけをピックアップするなと言う意見もあると思いますが、そうじゃないものを表現するのが物語なんだなと改めて認識しました。題材の星座や空に関わる月光乗りであることの「ペア」というものが非常に効果的に活かされています。共に有って最期まで一緒に空に居て共に死のう、というのが悲壮感をあまり含まず幸福な気持ちもそこに乗せて読ませるのはやはり尾上先生の手腕だと思いました。BLは何があってもハッピーエンドでなくてはいけないですね。想いがあれば奇跡も起きます。

  • 【天球儀の海】のスピンオフです。
    前作主人公の希のお兄ちゃんである恒編。
    前作においてラバウルで戦死、という結末だったので、久々の
    バッドエンド覚悟で読み始めたのですが……。


    やっぱりBLはハピエンだからBLなのだと感心しました。


    それをご都合主義だとか予定調和と言ってしまったら
    元も子もないのですが、こんなにハピエンで良かったと
    思った作品も珍しいです。
    私バッドエンドも大好物ですが、このCPにおいてだけは、
    どうにか幸せな結末であって欲しかったのです。
    そのくらい、魅力的なふたりでした。
    正直前作が霞みます。
    希が自分の為だけに生きてるとすれば、恒は正に真逆で、
    希や家族を守る為に、勝ち目のない戦に挑んでたわけで。

    六郎が恒のために作った線香花火を灯した後に、
    「好きだ、恒」
    と呟くシーンでほろりほろり……。
    そっからはもう、転がり落ちるように先がない展開に、
    何度もこみ上げてくるものがあり、読むのが息苦しかった。
    挿絵の効果もかなり大きいと思います。
    前作ではいまいちなレーターさんだな……というのが
    正直な感想だったのですが、本当に同じ人が描いたの?
    というくらい画力がアップしています。
    読み終わって表紙を眺めながら、よかったねー……と
    しみじみと思い、口絵を見てまた、ほーっと一息。

    個人的にもの凄くツボなのがふたりの性格でした。
    泣き虫攻と、泣かない受。
    強気ややんちゃ受は数あれど、ここまで男らしく格好いい
    受ってあまりいない。
    攻の方が涙ばかり零していて(別に弱いわけじゃないです)
    そんな攻をしょーがねーな、って弟の希でも見るような
    優しい瞳で見つめる恒に萌え死ぬ。
    年上を包み込む受の包容力が半端無かったです。

  • 太平洋戦争末期の話なのでシリアスにならざる負えないし、これが普通の文学小説なら重くて読むのが辛くなりそうな内容ですが、これはあくまでもBL小説。この題材でBLを描いて下さった作者様に感謝です。題名と表紙だけで泣ける気配ムンムンしてましたが、意外と戦争の描写は控えめで日々の生活の中で二人の距離が少しずつ近づいていく様に焦点を当てていたので割と淡々と読めました。救いのあるラストでよかった〜花火のシーンは少しウルッときちゃいました(つω`*)

  • BLを読まないワシのために、後輩がお勧めを教えてくれるキャンペーンの第一弾で読んだのが本作。なるほど、普通に小説としてきちんとしていますが……いろいろ飲み込めていないところもある感で、故に、★は付けないでのレビューです。

    第二次世界大戦の南方戦線での話し。それ自体が悲劇的なのは確かで、それは物語としてもよく語られるところで、お話しとしては、よくできていると思います。ただ、どうにも性行為に至る描写に違和感を感じているワシがいて、それは読み慣れている小説は基本的に直接的な性行為の描写をしないからではないか、と推察するところです。

    なんでそれが必要なんだろう、が禁句なのはよく分かっているのですが、読者としてのワシは、その疑問を胸に抱えながら読んでしまっているので、これは仕方ない。

    幾つか、校正の甘いところも見受けられて、お話しへの没入感が減ってしまったのも、ちょっと残念なところです。

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著者プロフィール

小説家。代表作『天球儀の海』『さよならトロイメライ』『初恋をやりなおすにあたって』(キャラ文庫)、最新刊『雪降る王妃と春のめざめ花降る王子の婚礼2』(キャラ文庫)。

「2021年 『笠井あゆみイラストカードブック 旦那はんと痴話喧嘩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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