ソニーが危ない!―SONY10年の天国と地獄

著者 :
  • 彩図社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883925179

作品紹介・あらすじ

スマート、かっこいい、上品質、先進的企業など常に肯定的に評価されてきたソニー。
アメリカナイズされた超世界企業。
そんなソニーに、いま最大の危機が訪れている。
ソニーショック!2万人の大リストラ!
連続黒字決算のソニーに忍び寄る危機の真相!
・魅力的な商品が生まれなくなったソニーの土壌。
・出井会長ばかりが目立つけれど、社長って誰だったけ?
・ITにとり憑かれているうちに、肝心の電気製品は最悪の危機!
・ソニースピリッツは消えてしまったのか?
・手作り製品クオリアって何?
・トップも認める年を取ってしまったソニー!

感想・レビュー・書評

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  •  SONYという大企業がどのように起こり、どのように大企業に成長していったのか、そしてどのような問題を今抱えているのかをまとめた一冊。井深大氏と盛田昭夫氏という創業期を支えた二大巨頭が持つ会社に対する考えは大きく異なっているものであったが、両氏は袂を分かつことなくSONYを大企業へと成長させていく。井深氏は根っからのエンジニアであり、会社経営には危なっかしいところが多かったが、理科系出身でありながら経営に明るい盛田氏によって、SONYは大企業へと成長していく。
     大企業では自由な研究開発ができないとする井深氏に対し、大企業思考の強い盛田氏という正反対の二人を創業者に持つSONYが孕む問題点が近年顕在化してきたとして、SONYの歴史を辿っていくことになる。
     さまざまな事業拡大を行い大企業へと成長したSONYはコア事業であるエロクトロニクス部門での低迷に悩まされている。この基幹事業での復活がSONY復活における最大の課題である。そもそも井深氏以来のエンジニア気質によって成っていたSONYという会社は、文科系出身の出井氏時代にはソフトウエア事業へと傾倒し、コア事業であるエレクトロニクス分野はないがしろにされてきた嫌いがある。そもそもSONYは誰よりも先に未知へと挑戦していくというSONYスピリッツをエンジニアに求めながらも、大企業として安定した経営を行っていかなければならない。したがって、その社長にはエンジニアの気持ちがわかり、かつ経営に長けた人がならなければならない。出井氏に欠けていたのは技術者への理解と、技術者のモチベーション維持といったところであろう。SONYショックはこのようなことが原因で起こった。
     SONYという特殊な企業における技術者と経営者との関係がどのようであるか、またカリスマ経営者たちの考えや実績が読み取れて良かった。

  • 2003年発刊で、少しずつ技術のソニーが崩壊し始めてくる様を描いている。企業は寿命が30年というが、エレキの技術者の創業から、だんだんと変わってくる様はある意味、世の中の常である、仕方のないものかと感じてしまった。

    2012年のソニーの社長が交代せざるえなくなったことも含めて、歴史を振り返る意味ではよいかもしれない。

  • 神話というがそもそも実体があったのかどうか。だから低落というが最初からただの幻想、バブルだったのでは?
    ウォークマン、ビデオ、DVD、PC、テレビの全てにおいて負けている。何でも勝ってない。
    情けない会社だ。周りにソニーの商品なんて何もないことに気がついた。

  • ソニーの内実がなんとなくわかります。

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著者プロフィール

1948年京都市生まれ。神戸大学経済学部卒業後、大手広告代理店に勤務。
一時、松下電器関連会社で働いた経験がある。
出版社編集員の後、業界紙等でライターとして活躍。
他に「松下電器混迷の真相」「なぜ、ホンダが勝ち、ソニーは負けたのか?」がある。

「2005年 『ソニーが危ない!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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