ヒトラーの大衆扇動術

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  • 彩図社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883927517

感想・レビュー・書評

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  • ヒトラーがいかにして大衆を扇動したかが著者なりの解釈で分析されている本。歴史の後講釈なので、ヒトラーがそのように大衆を扇動したか審議は不明だが、もっともらしい理由はひとつ勉強になった。

  • ヒトラーは生きる時代を間違えたのかもしれない。フォルックスワーゲンなどの産業を興し、名演説で人々の心を魅了した。歴史にたらればはないが、第一次世界大戦後でなければとおもう。

  • 本書はビジネス書です。
    近代でもっとも知名度の高い立身出世をした人物が、如何に成功を掴み挫折したか記されています。
    彼はアップル創業者のスティーブ・ジョブズが行った手法を過去に実践しており、その発言も「私は、複雑な問題を簡単な問題に変える才能がある。全ての問題を根本まで追求する事ができる」と、シンプルを追求する姿勢を見せています。
    軍服をデザイン優先で通気性も悪く実用性重視で作らなかったらしいですが、MacBookを薄さ優先でポートも削りキーボードは実用的でない所も似ています。
    芸術を愛し菜食主義でスローライフな生き方もジョブズに通じます。
    実の娘を長期間認知しなかったり、身障者用駐車場にいつも停めたり、共同創業者にウソをついて支払いをケチったり、ダークサイドに事欠かない所も、限界を超えなかったら近かったように感じます。
    極め付けは、ジョブズのレーザービームを彼は既に行っていた事です。
    本書はジョブズ解説書と併せて読まれることをお勧めします。

  • どのように扇動したのか、という分析と、だからこうしたほうが良い、というアドバイスが混在し、分析だけ欲しい読者からすると読みづらい。
    しかし、軽い文章なため現在の政治家と照らし合わせたりしながら読むのは面白いと思う。感情に訴えるため、あらゆる手を尽くした手法は、さまざまな面で参考にはなる。

  • 技術半分、ヒトラーの人となりについて半分と書かれた本
    よく引用されるヒトラーの技術だが、まともに書かれている書籍が見当たらなかったので読みました。

  • 悪人も善人も、成功する人は必ず同じ「悪魔の成功術」を使う。
    マキァベリの理論や現実の世界と上手くリンクしており、非常に分かりやすく、面白かった。
    ヒトラーについての理解が深まったという観点からも意義がある。彼の存在は欧米人でない方が客観的に見れ、研究するのには適しているようだ。
    良くも悪くも”偉人”であることに間違いはなく、学ぶことが非常に多い人物であることを再確認した。

  • 歴史的に見て極悪人と言われるヒトラー。では、そんな人間が、なぜ、あれだけのドイツ国民を従え、まとめることができたのか?そこには、ヒトラーの演説、国のトップに立つための徹底的な戦略があった。人を惹きつける話し方など、ビジネスにも役立てれる一冊です。

  •  引きこもりニートの青年だったヒトラーが、なぜ圧倒的なドイツ国民の支持を得てナチス総統という地位に上り詰めることが出来たのかを、ヒトラーがとった行動を列挙しそれにどんな意味があったかを解説している本だ。
     分かりやすさを重視してか、我田引水的にヒトラーの行動を引用している感があり、また、系統的ではなく列挙しているため、各所に重複も見られる。トリビアとして読む分には良いが、きちんと学ぶには適さない印象を受けた。

     ヒトラーの行動原理の根本にあるのは、大衆は愚昧だという考え方だ。孤立している個々人は冷静であったとしても、それが集団になった途端に熱狂しやすく、雰囲気に流されやすくなる。
     人は信じたいものを信じたがる傾向がある。例えば、現在危険な事態が進行中な雰囲気があるという認識があれば、その感覚を補強する情報を選択的に信じてしまう。これが、どれだけ注意しても流言飛語が絶えない理由だろう。

     ゆえにヒトラーは、当時のドイツ国民が信じたかったこと、なってほしいと思っていた未来を演台で説いた。ドイツ国民は優秀だ、ユダヤ人がドイツ人の仕事を奪っている、自分について来れば生活は向上する。そんな演説をぶち上げ、それを実行して見せることで、熱狂的な支持を集めることに成功したらしい。
     国民の熱狂を傍目に見ながら、少なくとも初期のヒトラーは冷静だった。自分が国民からどの様に見えるかを研究し、よりよく見える演説方法を研究した。資本家には彼らの資産を守るために必要な政策を提示し、資金を集めた。部下に権限を渡し、効率的な実務実行を推進した。相手・状況における選択が、彼をトップに押し上げたのだという。

     日本が現在直面している原発の状況と、事故発生からの推移を見ていくと、ここに書かれているようなことを行政・東電が実施できていないことも多くあるのではないかと思う。それは例えば、メッセージの出し方であったり、同時多元的に対応が必要な事象へ対処するチームのあり方だったり、枚挙に暇がない。
     ヒトラーは長い時間をかけて準備をし、どうすべきかを事前に検討していたゆえに、数々の事象に適切に対応し、国のトップに立つことに成功した。しかしトップにたった後では、それまで成功した方法論から逸脱し、場当たり的・感情に対応したために没落した。

     歴史上には、現代の状況の参考になる事例が数多くある。それを生かす方法をいつまでも学ぶことができないならば、人間の生きてきた意味が薄れてしまう気がして仕方が無い。

  • ヒトラーの本は数多く出ているが、一番わかり易く興味が持てた本。

    ロバートキヨサキのことやビルゲイツの逸話は大変面白い。そこらへんの自己啓発本よりよっぽどためになる。

  • 今日はライブラリにあるこの本を紹介。人類史上最強最悪の悪魔であるこの男。だがその裏にある彼の頭脳、戦略というものは非常に示唆に富んだものになっている。ライブラリに来たら是非手に取って欲しい。

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著者プロフィール

 2000年KAIST(国立韓国科学技術院)大学院卒(工学修士)。ゲーム製作、インスタレーションアートなど、様々なプロジェクトの経験から、組織作り・リーダーシップを研究するようになり、ビジネス・リーダーシップ関連の著作を多数執筆。
 主な著書に『超訳 孫子の兵法』『超訳 君主論』『超訳 論語』『超訳 アランの幸福論』(小社)、『1日ごとに差が開く 天才たちのライフハック』(すばる舎)などがある。

「2022年 『図解 超訳 資本論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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