スラム 世界のスラム街探訪

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著者 : 小神野真弘
  • 彩図社 (2013年2月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883929108

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スラム 世界のスラム街探訪の感想・レビュー・書評

  • そういう環境の中でも生きていかなくちゃいけない
    人々がいる。
    自分の今置かれている環境がどれだけ恵まれているか
    改めて感じさせられる。
    スラム街、そういう環境の中でも人間って
    生きていけるんだ(逞しいな)とも思ったけれど、
    やっぱりうまく言葉に出来ない。

  • 「2010年から2012年にかけて、世界中のスラムをめぐった。使命感のようなものがあったわけではない。知らない世界を見てみたかった」──。
    写真家兼ライターである著者が、嵐よういちさんの取材に同行したことをきっかけに、海外の貧困地帯を中心に写真を撮り始める。本作はその記録である。写真に数行のコメント、そして前書きと後書きのみ。殆ど説明文はない。でもスラム街の現状を示すのに、必要以上に言葉は要らないのかもしれない。後書きの、「同じ匂いを嗅ぎ続けているといつしか感じられなくなるように、日々現実の奔走にさらされていると、現実に対する皮膚感覚が希薄になってしまう。(中略)彼等と対峙していると、言葉を失うことがある。眼の奥の光に、自分のなかの甘えをえぐられているような気がして、萎縮した気持ちになることがあるのだ。」にはグサッときた。スラム街ではないけれど、私は家族に甘えて生活していると自覚しているからだ。仕事を選んだ結果、こうなっているのだから、早く自立して家族を安心させたい。

  • アジア、中南米、アフリカ、世界のスラム街を撮り下ろした写真集。

    冒頭のインドから衝撃を受ける光景がそこにある。世界各国で共通しているのは、秩序なく並ぶ家屋と、乱雑なゴミと瓦礫、殺伐とした空気、そして覇気のない見据えるような人々の眼。

    写真集としては正直荒削りだ。一歩踏み込んだ人間の表情、生み出す現地の臭いが、良い写真にはある。しかし本書のそれは弱い。しかし身構えるような志や救いを得る偽善とは違う、「撮りたい」という単純な動機がここにはある。

    内容は★3つだが、小神野氏の才能に期待を込めて★4つとしたい。

  •  表紙の大きなパイプと凄まじいゴミの山はなんなのだろうと気になり、手に取った本。

     一章はインドのスラムについてである。ムンバイという地域は"インディアンドリーム"の舞台である一方で、バラック小屋が立ち並ぶスラム街があることで有名で、ムンバイの約8割の人間がスラムに住んでいるのだという。
     上層階級の人間からは毛嫌いされている彼らが、鉄やペットボトルを素材ごとに分けてリサイクルを行い生活の糧としている。そして街のゴミを片付ける事から「シティビューティフル」と呼ばれているという嫌になってしまう現実がそこにはあった。インドにおける子供の数は6歳以下で約1億6000万人もおり、その半数が栄養失調に陥っているのだという。

     二章はフィリピンについてである。かつて「スモーキーマウンテン」と呼ばれる巨大なゴミ廃棄場が存在したそうだが、今は閉鎖され、新たな廃棄場「パヤタス・ダンプサイト」(なんと東京ドーム6.3個分の広さだそうだ)が生まれ、そこではスカベンジャーと呼ばれる人々が暮らしているという。
     スカベンジャーの一日の平均収入は日本円で200円から300円。彼らから物を買い上げて、ジャンクショップを営む者は12000円を稼ぐという。自分の土地を得られない者が多く、高床式の住宅を海上に建てて暮らしているものが多いという。彼らの中には、生活のために臓器を売ったり、ギャングになる者もいるという。

     三章はペルーのスラムについてである。元強盗でこのスラム(サン・クリストバルの丘)出身の青年と共に、筆者は歩いたと書かれている。
     住人のほとんどが強盗か売人で、昼間は閑散としているスラム街の中で育った彼の子供の頃の夢は、「車を盗むこと、クレジットカードを盗んで暗証番号を聞き出すこと」だったという。

     四章はグアテマラのスラムについてである。「インベーダー」と呼ばれる、戸籍を持たない彼らの収入源は、「鉱山」と呼ばれる「ゴミで形成された河原」から使えるゴミを売る事だという(一日の平均収入は日本円で約300円)。
     ひどく淀んだ川なのだが、住人の一人は「怪我をしてもこの川に浸かっていれば傷が治る」と話している。日々の暮らしの中で適応したのだろうか。

     五章はエジプトのスラムについてである。死者が眠る墓地が立ち並ぶ中、そこで一日の疲れを取るために眠りに付く者が2万人以上いるそうだ。
     「なんて罰当たりな」と思ってしまったが、それは安全圏に住む者の意見であり、彼らの耳には届かない。また、イスラム圏ということもあり、幽霊の概念も無い。

     六章はケニアのスラムについてである。キベラと呼ばれる、東アフリカ最大のスラムがあるそうで、護衛なしでは余所者はとても入っていけないという。救援に訪れたNGOやボランティアまでも強盗に遭うという。
     2007年には電気が通るようになり、多少生活の質も改善したそうだが、盗電を図り、感電死するものも現れ始めたという。
     
     七章はウガンダのスラムについてである。国民の平均年収が300ドル、約16%の児童が5歳までにエイズで死ぬという凄まじい環境の中で彼らは生きている。
     少数民族出身のために他の言葉を知らず肉体労働すら出来ない、強盗対策のため鉄格子のある店、二箇所しか無い水汲み場など、「どうして生きて行けるのだろう」としか思えない場所で彼らは教も生きている。

     この本を読んでいて気づくのは、どのスラムにも野良犬が多くおり、人間と生活を共にしていることだ。といっても、飼っているわけでも無いだろうが、人間と犬の共生はどの国でもあるのだなと、平和ボケした私の頭に残った。

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