- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784883929665
感想・レビュー・書評
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本の名前の通り様々な文豪が書いた怪談小説
作者によって特徴などは変わってくるが、日本の怪談らしくジワジワとした恐ろしさや、気味の悪く後味が気になる感じが良かった詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
同期に借りた。今まで読んだことなかった色々な文豪の話が読めて良かった。個人的に東方Projectのメリーと紫の元ネタになっているであろう小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の作品を読めて良かった。海外の人が書いたとは思えないぐらい日本の生活様式とかがしっかりしていた。(訳のおかげもあるんだろうけれど)2作共女の怨みからくる怪談だった。ドグラ・マグラの作者夢野久作の卵、何が生まれてくるかワクワクしながら読んでたけど滅茶苦茶気持ち悪い話だった。なんの卵だったのかどうして露子はそれを三太郎に渡したのか色々謎が多い。夏目漱石の夢十夜、ファンタジーのイメージだったんだけど怪談だった。最後は罪の重さに気づいたってことなのかな、それとも裁きを受けたのか。小川未明の作品は初めて読んだけど怪談なのに儚い感じがして良かった。乱歩の押絵と旅する男も読みやすかった。どれも短編だからこそ楽しめた感じはする。丁度いいボリュームだった。
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収録作品は以下の通り。
夢野久作: 卵(1929年)
夏目漱石: 『夢十夜』より「第三夜」(1908年)
江戸川乱歩: 押絵と旅する男(1929年)
小泉八雲(田部隆次 訳): 屍に乗る人(1900年)
小泉八雲(田部隆次 訳): 破約(1901年)
小川未明: 赤い蝋燭と人魚(1921年)
小川未明: 過ぎた春の記憶(1912年)
久生十蘭: 昆虫図(1939年)
久生十蘭: 骨仏(1948年)
芥川龍之介: 妙な話(1920年)
志賀直哉: 剃刀(1910年)
岡本綺堂: 蟹(1925年)
火野葦平: 紅皿(初出年不明、昭和二十二年(1947年)の東京出版『石と釘』に採録)
内田百閒: 件(1921年)
内田百閒: 冥途(1921年)
夢野久作、小川未明、芥川龍之介、志賀直哉の作品は道徳的に訴えかけてくる作品で、思わず自分の行動を自省した。
小泉八雲、岡本綺堂の作品は道徳的な筋が弱いと感じた。
久生十蘭はまさに"怖い"作品である。
火野葦平の作品はおそらく何かの暗喩なのであろうが、何が示されているのか捉えきることができなかった。
内田百閒の作品は、「件」は独特の諧謔に富んでおり、「冥途」は読後に悲哀漂う余韻を味わうことができた。 -
2018/02/20-02/24
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2016年、23冊目は再読月に隙間読書用が読了したもの。アンソロジー系(?)。
収録は、夢野久作、夏目漱石、江戸川乱歩、小泉八雲、小川未明、久生十蘭、芥川龍之介、志賀直哉、岡本綺堂、火野葦平、内田百聞。11作家、15作品。怪談、奇談の類いを集めた、広義の近世日本ホラー作品集的な一冊。
既読は江戸川乱歩『押絵と旅する男』のみ。単独作既読も夢野久作くらいかなぁ。小泉八雲も読んだよぅな記憶はあるけど……。後は、学生時代に教科書で読んだ程度とか、全くのお初とか、「王道知らず」は、相も変わらず。
『押絵と旅する男』は前に読んだのは四半世紀以上前だが、色褪せみせずに「大好きだ」と言える一編。小川未明『赤いろうそくと人魚』も好き。小泉八雲『破約』のラスト4行は唸らされた。この辺りがお気に入り。
以上が、★★★★☆。他は★2.5~3.5位。総合評価は★★★☆☆。 -
小川未明「赤いろうそくと人魚」は何度読んでも味わい深い哀しさ虚しさが残る作品。「過ぎた春の記憶」もちょっと怖くて面白く読んだ。そして、やっぱり芥川龍之介はいいな!と。「妙な話」が飛び抜けて光ってた。
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毎日暑いので涼しくなるかと思い、読みました(笑)。
文豪たちの不思議な話や怖い話を集めた本ですが、私は怪談が苦手みたい。小泉八雲の怪談で鳥肌が!! 思惑通り涼しくなれました。怖い話は苦手なので普段ならまず手に取らないジャンルですが、たまにはチャレンジしてみるのもいいかな。