246

著者 :
  • スイッチパブリッシング
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本棚登録 : 136
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884182786

感想・レビュー・書評

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  • 沢木耕太郎の1986年1月から9月までのクロニクル・エッセイ。タイトルの『246』は国道246号線のことだ。当時、沢木耕太郎は世田谷に居を構え、三軒茶屋で仕事をしていた。つまり、246が「うち」から「そと」の世界につづく唯一最大の道である、という意味から付けられている。
    深夜特急、血の味、馬車は走る、キャパなどの作品を執筆、出版している時分の246を中心とした沢木耕太郎の日常を覗くことができる。

    締切に対する切実な思いや、当時2歳の娘さんとのオハナシのやりとりは微笑ましい。
    帯に、「本を読み、映画を見て、酒を呑み、旅をする。」とあるが、本当によく本を読み、映画を見るのだなと感じた。もちろん、仕事としてという動機もあるだろうが、それ以上に習慣的に本や映画を嗜んでいることがよく分かる。

    私は文庫本ではなくA4サイズの大版を購入したが、これが凄く読みやすいのでオススメだ。

  • 日記の形式をとったエッセイ。1986年の日々を綴っているが、そのひとつひとつが華やかなのだ。華麗なる交遊録といった感じ。様々な著名人と密度の濃い時を過ごしている。奥様は出てこないが2歳の娘さんは準主役のように登場し、寝かしつけのオハナシはちょっとしたアクセントになっている。書かれているエピソードが過去に読んだ他の作品になっているものも多数あり裏話的なことがわかるのもおもしろい。文庫版も出ているが、何としても大型で素敵な単行本が欲しくて、新宿の小田急百貨店の有隣堂で手に入れることができた。本自体がイラストも装幀も素敵で芸術的な作品だと思う。沢木ファンの私にとっても、とてもおもしろくお気に入りの作品だ。

  •  また、読みたい本が増えました。

  • 沢木耕太郎著。自身の日記のような本。
    深夜特急の話やエディ・タウンゼントの話、「地の味」の話などがちりばめられている。これまでの作品を読んでいると、当時の出来事や背景を知ることができるため、なかなか楽しめる。
    それ以上に興味深かったのは、著者と2~3歳になる娘との関係。寝る前のおはなしや公園で一緒に遊んでいる姿は、まさにいいお父さん。興味のままに人と明け方まで飲む機会の多そうな作家だが、いや、むしろ、それだからこそ、子供との時間を大切にしているのか。
    深夜特急のように文章を読んで想像する景色にどきどきと緊張することはないけれど、ほっとリラックスできる一冊。

  • よかったです。やっぱりちょっと昔の沢木耕太郎が書いた文章の方が、わたくしは好きです。娘さんと遊んでいる時間、寝かしつけているお話がよかったです。あんなふうになりたい。

  • 沢木ファンですが、これは正直イマイチ(-。-;わたしはにわかファンなのかなあ…w

    時折ある、深夜特急のエピソードや、微笑ましい幼い娘さんとのやりとりは良かった。


    あと沢木そんがテレビにでない理由もわかった。くすっとわらってしまった。


    他の作品ではみせない新たな一面がたくさん見られる点ではいいかなあ…。

  • 組合図書

  • 見られることを前提とした日記です。3年前に買ってから大判サイズになかなか手が出ず、ようやく読みました。沢木作品は久しぶりでしたが、内容はとても読みやすかったのですが、電車内では辛かったです。

  • 1980年代の日記。日記とは言えど、フィクションとノンフィクションが入り混じった部分もあり、沢木の構築した独特の世界に引き込まれる。彼の人物像もファンを裏切らない感じ。沢木耕太郎というルポライターがルポライターでありながらもあまり危険な人物には近づかない理由がわかったような気がする。それが沢木にとっていいことだったのか悪いことだったのかはわからないけれど。大物、書いてほしいけどなぁ。付録はやや興醒め。

  • 最後まで読めずに図書館に返してしまった。<BR>機会があればまた借りて続きをよみたい。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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