火を熾す (柴田元幸翻訳叢書―ジャック・ロンドン)

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制作 : 新井 敏記  柴田 元幸 
  • スイッチ・パブリッシング (2008年10月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884182830

火を熾す (柴田元幸翻訳叢書―ジャック・ロンドン)の感想・レビュー・書評

  • 「白い牙」「野性の呼び声」で知られるジャックロンドンの短編集。
    編纂、訳は柴田さん。

    著者のさまざまな経験、興味が活きているであろう各短編はボクシングにしろ、原野にしろ生々しく鮮やかです。

    表題作の「火を熾す」、「メキシコ人」、そして「生への執着」が特にお気に入り。

  • 火を熾すが◎

    死ぬときはこういう死に方がいい。

  • 19世紀~20世紀初頭のアメリカ人作家、ジャック・ロンドンの短編をあつめた本。
    巻頭の表題作「火を熾す」のインパクトが大きかった。
    人生の厳しさ、といっても、教訓めいたものがあるわけでもなく。

    現実を直視していて、まっすぐで、生々しい。
    なぜか、そらにまっすぐ伸びた巨木を連想してしまった。

  • 「火を熾す」はアイロンのある風景に登場した小説なのでいつか読もうと思ってた。

  • 9篇の短篇集。
    どれも違うタイプの物語のように感じるのだが、全体的に獣臭く生きる男の臭いが漂っていて、個人的に苦手。
    そんな中でも「火を熾す」「水の子」「生の掟」は好き。
    解説で柴田元幸が「透明性」を意識したと言っていたが、この3篇はより透明性を感じることが出来た、と僕は思う。

  • こんなにも臨場感と緊張感がある作品はなかなかめぐり合えません。
    最初に収録されている『火を熾す』からその世界観に一気に呑まれてしまいました。
    人や動物が困難の中にいても必死で生き抜こうとする執念、
    それを描くのが抜群にうまいです。
    くよくよしてばかりはいられない、そんな気にさせられます。

  • 「火を熾す」と「一枚のステーキ」がよかった。

    火を熾すは、雪国に住んだことがある人なら、
    読んでいる間ずっと眉間にしわが寄ったままになってしまうかも。
    極寒の極限状態のなかでは、
    火を熾すというシンプルな行為もとてつもないスペクタクルになってくる。

    一枚のステーキは、40歳の老ボクサー(この作品が書かれたのは1909年)が
    困窮のためにステーキを食べることができず試合で苦闘する様子が描かれている。
    ボクシングを描いた小説を読むのはこれがはじめてかも。
    試合の様子、ボクサーの心理のひとつひとつがずしんと響いてくる。

  • すごい。どの短編もすごい。生死、自然、戦い、そんなテーマに真っ向勝負を挑み見事に書き上げてる文章力は一気に読ませる。生きた時代も関係しているんだろうけど、人や自然の本質に切り込んでいってる感じが最高に響く。すごい

  • 辰野氏のスピーチ中に引用された作家の図書。ということで、推薦扱い。時間が出来たときに読んでみる。/完全に忘れていたが、BOOK1st渋谷店にて邂逅。書き出しもなかなか気持ちがよかったので、読んでみたい。

  • 柴田元幸氏の翻訳ということで手にとりました。
    この方の訳文はとても好きです。
    知的で本能的、時代や文明の底にあるものに触れる短編集。

  • [ 内容 ]
    本書では、一本一本の質を最優先するとともに、作風の多様性も伝わるよう、ロンドンの短篇小説群のなかから9本を選んで訳した。
    『白い牙』『野生の呼び声』の作家珠玉の短篇集。

    [ 目次 ]


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    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • ほとんどの話のテーマが生と死の闘いと言ってもいいかと。特に死が勝つ場合は、人間がどんなに努力しても、否定できない現実が容赦なく打ちのめす。そこには希望など一切ない。こういう話を読んでいると、事がうまく運ぶという事態は、とんでもなく幸運であると思える。失敗して打ちのめされるのが当たり前。万一うまくいったら、それは神の恩寵であると思うほどだ。率直でストレートな文体はコーマック・マッカーシーを思い出させるが、マッカーシーに少し感情をプラスしたイメージ。

  • 乾いている。そしてどこまでも冷たい。
    そのヒリヒリ感が病みつきになる。

  • 寒さが伝わってくるような荘厳な文体。
    特に青年ボクサーを描いた小品の簡潔さに胸を打たれた。

    好きなのは、
    表題作「火を熾す」
    「メキシコ人」「一枚のステーキ」

  • 短編集。最初の話なんて見も心も凍るようだ。

  • 柴田元幸翻訳版。コヨーテのバックナンバーを買って読もうと思っていたところにちょうど出版されて助かりました。淡々とした語り口が好きです。

  • ワンテーマを深く掘り下げるスタイルは好み。火を熾すだけで、1本作るなんて! 奇をてらうわけではなく、柴田元幸いうところの「小説の面白さの原点」だ。

  • 短編ばかりなのだが、生と死の狭間に引き込む。
    引き込まれる感じが気持ちよかった。

  • 100年前の作品だが最近の翻訳で違和感ない。報われることもあれば、報われない(敗北、死)こともある。そこに至る過程での極限状態での人間の心理を巧みに描いている。

  • 短編にも関わらず、1つ1つの文章がドーンと響いてくる

  • ぎちぎちと音がするような、「生きる」ということ自体の力を感じることができる。文章で。たかだか文章で。本を読むことの面白さとはこういうもんだ、と強く強く感じた。こういう文章を引っ張りだしてこれる訳者の慧眼にも感謝したい。

  • 2016.10.22 「生の掟」を読む。
    「生きた期間と、死ぬ瞬間」

    〜あらすじ〜
    極寒の地で役割を担えなくなった酋長の老コスクーシュは、数本の薪だけを与えられて置き去りにされることを受け入れる。次第に薪が燃え尽きていく中でコスクーシュが思い起こす若き日の風景と、まさに今目前で待ち構える狼にコスクーシュが見る死とは。


    参加者の初読の感想には「ルール」や「プログラム」といった言葉が多く、人間が生きてから死ぬまでの過程が逃れようのないものだと再確認させられた、という意見があげられた。

    その中でも「真っ当な死に方に思えた」という意見を皮切りに、参加者各々の死にまつわる人生経験を語り合う中で、医療による延命が「普通」である今日において「真っ当な」死に方とは何かを探るような展開となる。

    ・日本語の「逝く」、英語の「gone」などから、死が生の次に控えるステップであることを各地の人が共感していること。
    ・生を諦めることと死を受け入れることの違い。
    ・死に迎え入れられる安堵感の出処。

    このような議論を経て作品を再読してみると、コスクーシュだけにスポットライトを当てたような文章と、所謂「看取り」ではなく「置き去り」にすることで死に向けて強く集中させる構図であることが本作の魅力であることが確認できた。


    参加者の一言
    「こんな死に方ができる人、今いないよ」

  • とある瞬間の描写にその人間の過去を写して見せる。さらにその瞬間はその人間の未来を残酷に予言している。
    60兆個の細胞すべてが等しくフルレコードの遺伝子を抱えていることに似て、人間の生ある時の1秒1秒が、等しく全生涯の記憶を有し、どの1秒を切り出してもその人間の生を語るに余りある情報を有している。この短編集を読みながら、そんなイメージを喚起された。
    ジャック・ロンドンその人は、短い生涯の間に南洋から極地まで旅した破天荒な人物。しかし、書くものは断然、極北の寒冷地ものがすばらしい。この短編集は、都市に暮らす男の話も多いが、北洋で生死をさまよう話が断然胸に迫る。白夜の無時間性が、死と対話する人物の1秒1秒を残酷に縁取りしてみせる様が、そう思わせるのだろうか。

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