- Amazon.co.jp ・雑誌 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784884184131
感想・レビュー・書評
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特集 翻訳は嫌い?
柴田さんの講義、日本翻訳史 明治篇 前半。
知らないことだらけでおもしろい。
石川美南さんとケヴィン・ブロックマイヤーさんによる「大陸漂流」。
短歌を小説に翻訳するってすごい。
イタロ・カルヴィーノの「見えない都市」(抄)をマット・キッシュさんが絵に翻訳。
村上春樹さんと柴田元幸さんの翻訳講座「本当の翻訳の話をしよう」。
「翻訳夜話」みたいなオリジナル、柴田訳、村上訳の比較はおもしろい。
村上春樹さんと柴田元幸さんの対談「翻訳の不思議」。
小沢健二さんの「日本語と英語のあいだで」。
横槍(+横横槍)付きって斬新。本文内容もすごくおもしろい。
リディア・デイヴィスさんの「ノルウェー語を学ぶ」。
これはすごい試み。ノルウェー語を知らないのに辞書は引かず、
ノルウェー語ネイティブにも助けを仰がずダーグ・ソールスターの「テレマルク小説」を読んでしまう。
柴田さんのニューヨーク滞在関連で、
何気にポール・オースターのインタビューを読めたりもする。
後記で柴田さん直々に定期購読のおすすめ(笑)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
柴田元幸の明治翻訳史、村上春樹との対談ら伊藤比呂美の鷗外評など翻訳特集にふさわしい内容が多かったが、最も良かったのはリディア・デイヴィスのダーグ・ソールスター訳のドキュメント。全く知らないノルウェー語を辞書もひかず最後まで読み終え、かつ理解していく過程は、子供が言葉を習得するとは如何なるものなのか、文化人類学者が未知の言語文化でフィールドワークをしていくとはどういうことなのかをまさに再現している。