人生生涯小僧のこころ

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  • 致知出版社
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感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884748036

感想・レビュー・書評

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  • どんなに偉くなっても、人の下から行きなさい。皆さんにお仕えさせていただくという気持ちは忘れてはいけない

    現実を受け入れ愚痴らず精いっぱい生きると、そこに道が開けてくる

  • 塩沼大阿闍梨の慈眼寺を訪問するにあたり、改めて大阿闍梨の修行とそこから得たお考えなどについて知るべく著書を読んでみた。まず、大阿闍梨が行った3つの荒行、大峯千日回峰行、四無行、八千枚大護摩供行の詳細なる実施方法や実施のプロセスをみて改めてその超人的な行動に驚かされた。ふつう9日間、飲まず、喰わず、眠らず、伏せずとかやったら間違いなく死ぬというかギブアップすると思うが、それをやりおおせるモチベーションと身体的技量がすごい。そしてそれらの荒行をやり終えた上での大阿闍梨の結論は、身近なことへの感謝、謙虚であるという。特に行の最中に意識が朦朧としている中でも「世の中では食べ物もないような人がたくさんいる中で、自分は周りの人のサポートを得、こうして行に集中できるのは幸せでならない」と思っていたというのは、俯瞰して考えてみれば、確かにそういう側面は大いにあり、妙に納得させられる。

    とにかく、こんなにすごい修行の果てに得た心の結論というのは興味深いことこの上ないはずなので、多くの人に読んでもらうとよい本だと思います。

  • これを読んでからは始めたら諦めず最後までやり遂げることが心に刻まれました。苦しさを乗り越えた先の景色。途中の景色が自分にとって大切な心の景色となって見られるようにしたいと思います。

  • バブル前の世代、お坊さんになってから、たくさんの修業を積んで
    ついに、1000にち修業を終えたお坊様。
    修業終了後、下界している人の話。
    人生について、とても参考になる。


  • 大変厳しい修行を成し遂げた、お坊さんによる一冊。
    以前、この方がもう一人の僧侶と対談した内容がまとめられた、『大峯千日回峰行』を読んだことがあります。
    ご自身が記した本があると知り、改めて読むことにしました。

    まず冒頭で、千日回峰行とはどのような行なのかが、説明されています。
    “奈良県吉野山の金峯山寺蔵王堂から大峯山と呼ばれる山上ヶ岳までの片道二十四キロ、高低差千三百メートル以上の山道を十六時間かけて一日で往復し、合計四万八千キロを歩き続けるという修行です。“

    フルマラソン以上の距離、しかも高低差のある山道を、5月から9月までの定められた120日あまりの期間、毎日歩き続ける。
    それを9年以上の時間をかけて、合計で1000日行う。
    大変厳しい行だということが、読者がイメージできるように、冒頭に書かれています。

    次に、著者はどのような幼少時代を過ごし、なぜそのような行に取り組むことにしたのか。
    そして、行に励んだ日々の話へと、展開していきます。

    その内容を読むと、自らの体調、台風や雷といった自然現象、熊やマムシといった危険な動物、さらには不思議な現象まで、ありとあらゆる困難に遭遇したことがわかります。

    そのような困難に遭いながら、なぜ行を成し遂げることができたのか。
    そのような行を経験して、何を得たのか。
    さまざまな側面から書かれているのですが、特に印象に残ったのは、以下のようなことでした。

    ・全ては自分の責任であると、覚悟してのぞむこと
    ・辛い経験を繰り返した先にあったのは、感謝の念だったこと

    苦労を苦労と思うか、その経験に感謝するのか。
    どのような状況でも、前を向いて生きていく。

    精神的、肉体的に疲れている時、不平不満が溜まった時に、繰り返し読みたいなと感じた、一冊でした。
     .

  • ○千日回峰行→約4カ月、毎日48キロの山道を歩く。途中で辞めたら、首吊りか切腹。

    ○四無行→9日間、飲まず、喰わず、眠らず、伏せず

    をやり遂げた塩沼良潤大阿闍梨。
    テレビで見た、
    その強靭なメンタルとフィジカルの成り立ちを知りたくて。

    2年間くらい積ん読だったのは、
    読んだら自分の弱さを思い知らされるから。

    でもどういうわけか、師走は毎年、
    お坊さんモノを読みたくなる。

    死臭を漂わせながら、生き抜いたその日記に圧倒される。

    お師匠様から教わったという、
    「不将 不迎 応而 不蔵
    :おくらず むかえず おうじて ぞうぜず(過ぎ去ったことをくよくよしない、これから起こりうることに思い悩まない、そのときに応じて懸命に努める。」が成し遂げたヒントかな。

  • 行をするうちに、世のため人のためというのはおかしいと感じる。神がやること。
    苦しい行を行なっても1人だけ馬が合わない人がいた。それは自分自身に我があったから。

  • 修行は場当たり的に降ってくる試練と対峙するイメージ
    だったが、全体的に成功するためには準備や訓練が必要だと本を読んでイメージが変わった。

  • 人生生涯小僧の心。謙虚で素直に、全ては自分の心が生み出すもの。今を大切に、幸せだと思うこと。今日より明日、明日より明後日、一つでも成長することができますように。誰かのために、生きることできますように

  • NHKのインタビュー番組で大変印象に残ったので更に活字で読んでみた。とてもとても真似ができることではないが、億千万の一でも実践できるような心になれればなぁ。 「不将(おくらず)不迎(むかえず)応而(おうじて)不蔵(ぞうせず)」 過ぎ去ったことをくよくよしない、これから起こりうることに思い悩まない、そとのきに応じて懸命に努める、今日一日を大切に生きて、恨みや憎しみといった瞋恚の感情を心にしまい込んでおかない。。。

著者プロフィール

大行満大阿闍梨、福聚山慈眼寺住職

「2023年 『明治神宮100年の森で未来を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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