誤解だらけの「危ない話」: 食品添加物、遺伝子組み換え、BSEから電磁波まで

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  • エネルギーフォーラム
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784885553523

作品紹介・あらすじ

メディアによる不安増幅のメカニズム。いったい、どのように不安を増幅させているのか。その不安の増幅メカニズムとは、どのようなものなのか。メディアの記者たちは、どのような意識で記事を書いているのか。記者たちの思考法はどうなっているのか。これらの問題をひとつひとつ著者なりに考え、メディアとの協調とチェックのあり方も考える。

感想・レビュー・書評

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  • 日頃マスメディアの報道を懐疑的な目で見ている自分からしても、本書を読むと「え?本当なの?」と思わず叫びたくなるような「事実」が次々と明るみに出てくる。時にはその根拠があまり明確に示されなかったりもするので本書自体を鵜呑みにすることも避けなければならないが、日頃から大量に浴びせられているマスコミ報道に対する解毒効果はあるだろう。もっとも著者はリスク論に軸足をおいており、「食の安全はリスク論とは切り離さなければならない」とする立場の人からするとかなり抵抗を感じる文章も散見される。
    しかしそれでもなお本書に一読の価値があるのは、例えばC型肝炎訴訟や不二家問題の報道にみても、洪水のような一方向の報道によって一読者・視聴者が自律的な判断を下せるような環境に、残念ながら今の日本がおかれていないことが痛感されるからである。なぜそのような事態になってしまうのか、本書では様々な角度から「不安報道」のメカニズムを検証し、ささやかではあるが、改善の処方箋も示している。多くの人に手にとってもらいたい本だ。

  • 危険物の話ではなく、マスコミの糾弾の話。不安を売る。
    飲む禁煙薬で自殺率が高まったという報道は、500万人が服用して39人が自殺、という程度。500万人当たりの自殺は薬1300人いる。
    メディアのニュース性のおもしろさと科学的なエビデンスは逆。エビデンスがないものほど、ニュースとしては面白い。
    一貫性の法則=一度反対をすると、賛成に変わりずらい。
    不二家の期限切れ報道は単に内部規定に違反しただけ。報道が悪い。
    100%無害とはいえない、から有害、としたらどんなものでも有害。
    何か問題が生じたとき、直感やわかりやすい数字など容易に頭に浮かぶ考え方で解決しようとする思考の近道は、人間の本能。

    台湾中国産ウナギのほうが検疫があるため、検査体制は厳しい。品質に差が無いのはプロも認めている。だから偽装できる。
    0.01ppmは、どんな化学物質でもほぼ影響がないというレベル。基準の審査が終わっていない物質は、すべてこれになる。農産物の残留農薬では0.02ppmというのはいくらでもある。
    添加物はあぶないもの、という思い込みが合う。
    食物油や家畜のえさなどを通じて、遺伝子組み換え作物をすでにたくさん食べ続けている。
    遺伝子組み換え作物は除草剤や殺虫剤の使用が減る。農協が反対するのは売り上げが減るからではないか。
    かつて、グルタミン酸ナトリウムを大量にとると「中華料理症候群」で頭痛などになるという説があった。厳密なテストで否定。たんぱく加水分解物には、グルタミン酸ナトリウムは含まれている。
    デトックスと聞いたらあやしい、と思った方がよい。髪の毛にカドミウムは大なり小なり含まれているもの。基準はない。
    がんの粗死亡率は上昇している。年齢が上がっているから。年齢調整死亡率は下がっている。
    魚には多かれ少なかれカドミウムやダイオキシンが含まれている。マグロに水銀が含まれているからと言って、DHAなどのいい面を無視して摂らないのは不合理。
    ステロイドパッシングは、最初医師が沈黙していたが、竹原教授がアトピービジネスという本で、ステロイドの使い方と民間療法の犠牲になるな、というメッセージで使い方次第、という記事が増えた。
    食品添加物、遺伝子組み換え、電磁波、食品の残留農薬、は些細なリスク。自衛手段を講じるほどではない。

    60年安保のデモ隊の様相を記者に問われたとき、岸首相は「後楽園球場は今日も満員だ」と応じた。

  • ふむ

  • ○ジャーナリストの小島氏の著作。
    ○数々の「危ない」とあおるマスコミやそれに煽動される国民への警鐘をならす作品。
    ○元記者としての真実を冷静にまとめている。

  • 科学的な要素よりもメディアのあり方に関する内容。俺にとってはありきたり。

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著者プロフィール

食生活ジャーナリストの会 代表

「2019年 『最新の異物混入防止・有害生物対策技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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