スフィンクスか、ロボットか (はじめて出逢う世界のおはなし)

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制作 : 末延 弘子 
  • 東宣出版 (2012年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784885880773

スフィンクスか、ロボットか (はじめて出逢う世界のおはなし)の感想・レビュー・書評

  • フィンランドの作家が書いた子ども向けの物語が3つ。どれも掌編連作の形を取り、ごく短くまとめられたエピソードが連なることで、まとまった一つの世界を作り出している。世界は多面体だということを文体で表現しているかのような、独特の味わいがある。

    『スフィンクスかロボットか』
    私達が現実と呼ぶ世界とは少しだけズレた世界の日常が、リディアという少女の目を通して語られる。彼女の目を通すと、鏡は二つの世界をつなぐ窓であり、世界は外に向けて開かれているのではなく、無限の中心に向かって閉じられている。そして時間はあらゆる物の中に蓄積され、それを唯一無二のものにしている。

    『太陽の子どもたち』
    小学生の女の子、スミレが一週間だけ花屋のお使いを頼まれて、世の中や社会というものに直接触れる。スミレの行き先は刑務所だったり病院だったり、市長の誕生日祝いのパーティ会場、さらにはオペラハウスで歌姫の姿を拝むことになったり。世俗にまみれたお使い先とは対照的に、花屋の女主人は、幼いスミレに植物に関するうんちくを披露する。それは時に哲学的であったり、お伽話のようであったりしながら、世界の神秘にそっと触れる。

    『明かりのもとで』
    1950年代、ヘルシンキ郊外のリーオラーという小さな村が舞台。8歳の少女、ルスを中心に、個性豊かな村のメンバーのエピソードが綴られる。普通の人には見えないものが見える小さなパウリ、小児麻痺で足が不自由になってしまった親友のライヤ、売れない詩人、年老いた伯爵夫人とさらに年上の女中、占い師、成仏できない弁護士の幽霊、そして村はずれのランプ屋。ルスはランプ屋の孫の大きなパウリが好きで、よくランプ屋の屋根裏に集まってはゲームをして遊ぶ。前職はラテン語の教師だったというランプ屋の主人が時々上がってきて、ルスたち相手に難しい話をしては孫に追い払われて下りてゆく。
    いくつもの不思議や事件や世の不条理が描かれている中、象徴的なのは、めったにお客は来ないけれどいつも明るいランプ屋。その光は村の人々の暮らしを明るく照らすだけでなく、啓蒙の光をも兼ねている。

  • ★★★★☆
    フィンランド人作家の3つのお話。
    「スフィンクスか、ロボットか」
    世界や時間の境界線が淡い感じのSF。
    かしこい女の子とお父さん、ボーイフレンド、非日常に足を踏み入れてしまったおじさん。

    「太陽の子どもたち」
    1週間だけ花屋のお仕事のお手伝いをやらせてもらえることになった女の子。
    お花の配達をしながら、少しだけ大人たちの暮らしと秘密にかいま触れる。
    ←一番好きなお話です。

    「明かりのもとで」
    少女ルスと、天文に夢中の大きなパウリ、「不思議」と親しくしている小さなパウリは友達だ。
    三人と他の友達、村人たちのお話。
    (まっきー)

  • すこしのSFとすこしの大人の世界とすこしのマジック・リアリズム。キラキラ。

  • 図書館の新刊の棚にあって、
    とても可愛らしいイラストに、
    思わず手に取ってしまった。

    なんとなく、勘だけれど、
    とても好きになれそうな予感がする。

    おはなしに片思いしているような気分。

  • フィンランドのレ-ナ・クル-ンも面白そうですね、、、未知の作家だったので、他の作品も調べてみよう。。。

    東宣出版のPR
    「フィンランドの少女は世界になにを夢見るのだろうか……。
    身のまわりに起こりうる断片的な出来事を、子どもの純粋で明晰な視点を通し、存在することの可能性や意味を問いかける、フィンランドの作家レーナ・クルーン初邦訳の『スフィンクスか、ロボットか』『太陽の子どもたち』『明かりのもとで』3篇を収録。」

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スフィンクスか、ロボットか (はじめて出逢う世界のおはなし)の作品紹介

身のまわりに起こりうる断片的な出来事を、子どもの純粋で明晰な視点を通し、存在することの可能性や意味を問いかける、フィンランドの作家レーナ・クルーン初邦訳の『スフィンクスか、ロボットか』『太陽の子どもたち』『明かりのもとで』3篇を収録。

スフィンクスか、ロボットか (はじめて出逢う世界のおはなし)はこんな本です

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