定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険2期4)

  • 書籍工房早山
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784886115089

作品紹介・あらすじ

国民はイメージとして心の中に想像されたものである。/国民は限られたものとして、また主権的なものとして想像される。/そして、たとえ現実には不平等と搾取があるにせよ、国民は常に水平的な深い同志愛として心に思い描かれる。そして、この限られた想像力の産物のために、過去二世紀にわたり数千、数百万の人々が、殺し合い、あるいはみずからすすんで死んでいったのである。-ナショナリズム研究の今や新古典。増補版(1991年)にさらに書き下し新稿「旅と交通」を加えた待望のNew Edition(2006年)。翻訳完成。

感想・レビュー・書評

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  • 読むきっかけはライフネット生命の出口さん書評を読んで、歴史を学ぶ上で必読の書だとあげられていたから。日頃から愛国心がなく、明治維新や太平洋戦争の日本人精神?を今ひとつ理解できなかった身からすれば勉強になった。
    少々ハードなので読むのには時間がかかるし理解しきれてないところもあると思うが…

    ナショナリズムとは想像された共同体に存在するという自意識から生じるもので、同じ言葉、時間、制度、教育を受けて過ごしてきたことで醸成される意識なのだそう。なるほど、人を避け、学校にもなるべく行かず、教師の話を聞かないでひたすら塾の問題集と格闘する小中学生だった自分に愛国心が湧かないわけだ…笑
    ちょうど、『昨日までの世界』の文庫版を並行して読んでいたのでスッと入ってきた。

  • 【要約】


    【ノート】
    ・「ラーメンと愛国」と佐藤優の「読書の技法」の両方に出ていた。さらに「ウェブ社会のゆくえ」でも。よほどのスタンダードなんだろう。

    更には本の使い方P214でも

  • [ 内容 ]
    国民はイメージとして心の中に想像されたものである。
    国民は限られたものとして、また主権的なものとして想像される。
    そして、たとえ現実には不平等と搾取があるにせよ、国民は常に水平的な深い同志愛として心に思い描かれる。
    そして、この限られた想像力の産物のために、過去二世紀にわたり数千、数百万の人々が、殺し合い、あるいはみずからすすんで死んでいったのである。
    ―ナショナリズム研究の今や新古典。
    増補版(1991年)にさらに書き下し新稿「旅と交通」を加えた待望のNew Edition(2006年)。
    翻訳完成。

    [ 目次 ]

    文化的根源
    国民意識の起源
    クレオールの先駆者たち
    古い言語、新しいモデル
    公定ナショナリズムと帝国主義
    最後の波
    愛国心と人種主義
    歴史の天使
    人口調査、地図、博物館
    記憶と忘却
    旅と記憶―『想像の共同体』の地伝について

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 国民を、「限定的で主権的な想像の政治共同体」と定義し、それがいかに形成されてきたかを歴史的変遷に沿って考察している。
    クレオールによる中南米の独立、フランス革命に始まるヨーロッパ民衆的ナショナリズム、それに対する応戦としての公定ナショナリズム、ナショナリズムに支えられる帝国主義とそれへの対抗としての植民地ナショナリズム。

  • CHIT

  • 国家論。
    国家とは何かを書いている本だが、結論は
    国家とは
    imagined community = 想像の共同体
    である。
    ということだ。

    国家は原始から存在したものではなく、歴史的な背景から人為的に産み出されたものである。
    しかしそれにも関わらず、人はその想像の共同体のために自ら進んで命を落とす、それが戦争だ。
    というような感じの本である。

    ほんとはもっと難しいんだけど、全文を理解できるまで読みこなしたらそれだけで1ヶ月くらいかかりそう…なので結論だけ押さえて、あまり深追いしないこととする。
    もっと深く知る必要が出たら再読する。

  •  国民=ネーションという概念は昔からあるかのようについ錯覚してしまう。
    しかし、それこそネーションの特性なのである。国民とは多くのことを忘れたもののことである。とある作家は述べたがまさに至言である。国家というフィクションすなわち想像された共同体がいかにして、生起し発展し発揚したのかについて、アンダーソンは「均質で空虚な時間」と「出版資本主義(プリントキャピタリズム)」というキーワードを読者に提示する。前者は、暦や新聞に記される時間によってすべては、客観的といえるような時間に置き換わることによって想像を促す、つまり、ある出来事を客観的時間性の中に放り込むことによって主観的で特別なかつ神秘性を内包した体験は、万人に共有可能なものへと加工されるのである。こうした加工を施すにあたって重要になったのが暦に代表される均質で空虚な時間の観念である。後者について、出版によって、つまり読書によって同質の体験を特定の地域の人間にもたらすことができることで、交換可能な土地、交換可能な人物、交換可能な空間として、国民にプラトンのいうところのイデアでもないような想像された共通了解として同質性が担保されることになるのである。

  • ゼミ課題図書。
    社会科学系の学生としては避けて通れない道でしたが、かなり骨折れる一冊でした。
    愛国心、公定ナショナリズム、国民国家。
    意識の中に創りあげられるものを紐解いていくには、まだまだ勉強不足と痛感。

  • 回送先:川崎市立川崎図書館

    ベネディクト・アンダーソンによる名著『想像の共同体』の最新版。日本語で初めて翻訳されてから四半世紀。新しく加筆修正されたパートには旅する工程が刻まれている。韓国版ではサッカーファンの写真が使われ、東南アジアでは競うようにして出版ラッシュが相次いだということなどが刻まれている。

    内容としても、94年の新版から変わってはおらず、まさしく「定本」としての位置を占めている。ナショナリズム研究の新古典は、新たな地平を切り開いてくれるだろうか。

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