王女ルウ

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著者 : 雨宮雨彦
  • 鳥影社 (2001年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784886295460

王女ルウの感想・レビュー・書評

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  •  ジュネっぽいですよ♪

     読みたかったら、本屋で取り寄せすることです。樓主はずうっと大きな書店にいっちゃあ、探したけれど、ついぞ出会えず取り寄せました。



     内容・タータ視点・一人称

     軍服姿の第三王女。あだ名は「血塗れのルウ」。父王を殺して、姉二人を殺害して玉座をついた彼女の側になぜか平民の僕「タータ」が恋人としている・・・・・・。



     タータは子供です。十五か十六ぐらいで、ルウと出会って、同棲するはめに陥ってます。 ルウは年上です。(五歳以上は上だと思う。十五の自分を子供時代と呼んで回想しているから)

     タータが敵国の姫に好奇心を持つと、彼女を暗殺させちゃう(自分でやらないところがポイント)し、それを詰るタータを彼女は押し倒し、「さあ、つかまえた」と言って、初夜です。

     念を押しますがルウは女性です。(うっとり)



     とはいえ、生っぽいところもたくさんあります。タータはルウを持て余している場面とか、彼女が死んだかもかもしれないと聞かされても「仕方ないか」と思ってしまうくだり。

     よくも悪くも子供なんですよね、。タータは。

     樓主はルウに感情移入しているので、「こんなに愛されてるのに、夕食を別に一緒に食べなくたっていいなんてほざくな!」と、怒りたくもなりますが、男なんてこんなもんでしょう。

     結局結婚もしないで、唯一の愛人のまんまで、公的な地位を得てしまうタータ。フランス王室の一の愛妾みたいなもんですかね。公式の場に出されて、スピーチとかもやらされたり。

     ルウだけじゃなくて、周囲の軍人や執務官にも良い意味の「アイドル」というか「マスコット」化していき、誰からも愛されますが。

     周囲は「優しい子」と評価するけど、実際はなぁ(苦笑)



     この人の話は読みやすいので好きです。が、マイナーですから、興味を持たれたら「取り寄せ」するほかありません。

     ルウ好きだ。稚児趣味みたいで耽美だなぁ。 でも、また看板に偽りあり。

     本当は「女王ルウ」だよ。最初の方でもう女王になってるんだから。





     ルウがいかにタータが好きかについて説明しましょうか。っていうか、いかにタータがみんなに愛されているか、ってことについて、ですが。



     ルウはタータが側にいると、些細なことで怒って家臣を死刑にしようとします。そうすると、必ずタータが止めに入ってました。でも、タータが居ないとき、ルウは死刑にしろ、とは言いません。

     ルウ曰く「助けてやってくれとあなたにお願いされるのが、私は楽しかった。それに、私に首を刎ねろといわれた者だって、すぐにあなたが助命をこうてくれると始めからわかっていたはず」

     タータ曰く「人の悪い意地悪な大人たちが、純真な子供を、(樓主は貴方を純真とは思わん)寄ってたかって、からかっていたわけ?」

     ルウ「構図としては、そうなる。だが、みんなあなたが好きだから、だからおもしろがっていたわけだし、それであなたの株が上がるのだから、よいではないか」

     タータ「くそったれ」

     ちなみに、これは恋人同士の会話。

     ルウが王子で、タータが中流階級の娘だったら、ごく当たり前の物語になっちゃうのだが、ルウは、父と姉二人を殺して玉座に就いた、軍人女王で、タータが少年(それもやけに幼く見える言動の割りに、妙にすれてる)だってとこが、楽しい。



     二作しか読んでないので、書くのもアレかと思うが、雨宮さんの書く主人公クラスは親を好いていない。タータは両親がいるが、自分を押さえつけようとしている彼らを快く思っていない。最後に王位につこうとしているタータはこう思う。

     両親は出来の悪い末息子が王位に就くと聞いてどんな顔をするだろう? 僕が感謝しているばかりではないことを彼らは薄々感づいている。



     この辺が妙にジュネっぽいなぁ、孤独っぽいなぁと思わせるんですよね。

     樓主も高校時代は「親」のいない寄せ集め家族ってモチーフがすっごく好きで、そのまま来てますしね。

     で、この、真正直な疎遠感が、生っぽくて現実的な気がしてくるんです。

     タータは玉座に就くのが「恥ずかしかった」んですよ。それを欲しがっていることを悟られるのは、浅ましくてよくないことだと思っていたんです。わかります、その気持ち。欲があることを周囲に見せたくないっていうのは、樓主もそうだから。

     さて、樓主は雨宮雨彦さんをべた褒めでしたねえ(笑・贔屓だからいいの)

     この人の書く話とシンクロしちゃったんですもの。しょうがないでしょ。

  • 変わった子どもと、冷酷で残忍な王女。
    二人が出会ったことで、すべてが動き出した。

  • 雨宮氏の本の中では今のところダントツで好きな一冊。血まみれルウとあだ名される王女と、無理やり恋人にされた市庶民のぼくとの話。ルウはかっこいいし、血まみれなんてあだ名されているわりには、側近の部下達には慕われている。そんなところがかっこよくていい。画像はないけど、表紙のルウの肖像もなかなか。

  • ファンタジー?

    {王女のあだ名は『血まみれルウ』。彼女は、僕をむりやり恋人にした。}

    アオリに「無理矢理っていうか流されただけじゃ」とツッコミを入れたくなりますが、とにかく主人公の少年は淡々としていて、一人称もそんな語り口なので、物語だけ空回りしているのかというと、違う。
    そんな語り口なのに、いや、だからこそなのか、とにかく引きつけられます。

    わたしが「オススメは?」と聞かれたら真っ先に挙げる本です。
    ソフトカバーなのですが、表紙の画像がないのが寂しいところ。ルウの肖像画のようなのですが、この流麗さに手に取らなければわたしは雨宮さんの本と出会えなかった。

  • 雨宮氏の本の中では今のところダントツで好きな一冊。血まみれルウとあだ名される王女と、無理やり恋人にされた市庶民のぼくとの話。ルウはかっこいいし、血まみれなんてあだ名されているわりには、側近の部下達には慕われている。そんなところがかっこよくていい。
    画像はないけど、表紙のルウの肖像もなかなか。

  • 皮肉な感じのファンタジー。でも長く心に残る。

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