世界はフラットにもの悲しくて 特派員ノート1992-2014

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  • テン・ブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784886960320

作品紹介・あらすじ

何かをとらえるとき、アフリカ、中南米、福島といった大きな枠でとらえると間違いを犯す。枠の中には、幾多の個人がひしめいているからだ。アフリカ、ラテンアメリカでの体験を中心に、毎日新聞特派員が見たこと、考えたこと46篇。

感想・レビュー・書評

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  • こういった本が好きだ。だが著者の書きたい事や、伝えたい事、本その物が発するものは拾いきれた事が無いような気がする。偶然手にした本には、大概私の欲しいものがある。私の想像のできない生活がそこにあり、知る事や感じる事の出来ない人の考えや思いがある。冒頭部分にある、大きな枠で見るのではなく個々のものとして見るという事が最近とても目に付くが、私にはやはりそれすら枠であるように感じてならない。平和な国に生まれ、生きているからこそ、フラットに見ることが出来る事もあるのかもしれない。

  • 2016・1・22読了

  • 著者が1992年から2014年の20余年の間に、世界の各地で経験した46の小さな物語が綴られている。場所は、コロンビア、エクアドル、ペルー、メキシコ、ハイチ、エルサルバドル、イラク、インド、南アフリカ、コンゴ、ナイジェリア、ギニアビサウ、ルワンダ、ザンビア、モザンビーク、リビア、米国、ドイツ、日本。
    私は、世界の人々のありふれた人生、日常の一片を切り取った、このような小さな小さな物語が好きだ。
    今の世の中、地球の裏側の最新のニュースを瞬時に知ることもできるし、Google Mapでヒマラヤの奥地の風景を写真で見ることもできる。しかし、世界の人々が日々何を考えているかは、著者が本書で取り上げているような、ニュース報道になるような話題性もなく、記録化されるほどのストーリー性もない、人生、日常を通さなければわからない。そして、地球上の各地で絶えず起こる、夫々の理屈を前面に出した国や民族の対立を乗り越えるには、世界の人々の人生、日常を、自分にできる限り引き寄せて感じるしかないのではないかと思う。
    本書に綴られた著者の経験にはドラマティックなものも少なくないが、それは著者の人柄によるとも思う一方、ジャーナリストである以上、何らかの形で第三者に対して表現することを意識していると感じられないこともない。しかし、表現することを前提としない私にとっても、自分としての物語を意識することによって、人生、日常への感じ方が変わってくるのかも知れないとも思う。
    装丁も印象的な本。(私は神保町東京堂で表紙に吸い寄せられて手に取りました)
    (2014年7月了)

  • 2015/12/21読了。
    ところどころ差し込まれた写真がすごく素敵だった。
    筆者の撮ったものなのかな?
    生とか動とか
    そんなものがドクドク伝わってくる写真だったな。
    内容としては、各地を回って感じたことを短編でまとめていくタイプで、読みやすかった。

  • コピーライターみたいなジャーナリストが書いたポエムのようなフラットなお話しの数々。

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著者プロフィール

藤原章生(ふじわら・あきお)1961年、福島県いわき市生まれ、東京育ち。北海道大工学部卒後、エンジニアを経て89年より毎日新聞記者として長野、南アフリカ、メキシコ、イタリア、福島、東京に駐在。地誌、戦場、人物ルポルタージュ、世相、時代論を得意とする。本書で2005年、開高健ノンフィクション賞受賞。主著に「ガルシア=マルケスに葬られた女」「ギリシャ危機の真実」「資本主義の『終わりの始まり』」「湯川博士、原爆投下を知っていたのですか」。

「2020年 『新版 絵はがきにされた少年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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