地球家族―世界30か国のふつうの暮らし

  • TOTO出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887061057

感想・レビュー・書評

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  • 世界の標準から自分の生活を見つめることができる画期的な取り組みだと思う。モノを通して、生活や価値観がこんなにも浮き彫りになるものなのか。
    90年代の本ということで古さはあるものの、逆に30年経った今読むことで違う面白さがあった。
    まずこの30年間でのアジアの大発展。タイや中国で今同じことをやったら、全く違う水準になっているだろう。
    逆に日本の生活は、ほとんど今と変わっていないことに気づく。会社員は1時間以上をかけて電車で通勤し、朝は分単位、秒単位の生活。マイホームを持つことが幸せの形。生活はかなりアメリカナイズされており、他国と比較してもかなり多くのモノを所有している。
    それなのに、「両親のほうがいい生活をしていた」といっている…。どういった点でそう思うのか、もっと聞いてみたかった。
    現代の日本と比較すると、東京にマイホームを持つことはもはや中流ではなく上流ともいえる生活。けれど彼らは自分の生活よりも両親世代の方が良かったという。
    現代の日本で同様のインタビューをしたら、物質的には世界的にも恵まれた環境にいながら、自分達を貧しいと感じ、親世代の方が良い暮らしをしていたと答える人が多いのではないか。
    物質的に豊かになっても、幸福さを感じられない国。この日本の数十年間は、一体何だったのだろうと虚しく感じる。

    30年前から拡大し続ける消費社会。「ほかの誰かがもっているものがほしいと同時に、自分自身であり続けたいと思っている」社会。「資本主義の流れに浮かびながら、自分の足で堅い地面をさがしている」。出版時に投げかけられた問いには今も答えはなく、むしろ世界的な不安が拡大しているように思う。

    ヨーロッパの国々は、日本人が持つイメージよりもかなり保守的な生活をしている。このことからも日本の生活がアメリカカルチャーの影響を色濃く受けていることがわかった。

  • 素晴らしい。21世紀版をつくってもらえないだろうか。

  • ずーっと気になってた本。

    世界中の普通の暮らしを写真に撮って回った本。みんなその国の中流階級の家らしいがここまで違うか!?と、思うほど。たしかに日本の家は狭くて物が多いなぁ!!!と、驚かされました。

    しかもあとがきに、日本が一番嫌がりそうだから日本でオッケーが出ればあとはどこに行っても撮らせてくれるはず。と、アメリカ人のフォトグラファーが言っておりました。笑笑
    結局、夕方週ニで居酒屋でカラオケを歌うカズオの家が紹介されてました。笑笑

    淡々とカズオ一家のことが語られてこのなんとも言えない日本の中流階級の紹介が全文紹介したいくらいに面白かった。笑笑

    日本以外も全部持ち物を家の外に出して撮影するんだが、ここに写ってない持ち物の詳細という欄があり、なぜかアーノルドシュワルツェネッガーのポスターと記載されてる国があって、色々読んでくうちにどうやら差別的な問題で持ってることを秘密にしなきゃいけなかったらしい。とか、ロシアの家族は家族写真を撮ったあとに父親が銃殺とか、戦争中の中流階級の家は半分崩れてて、さらに兵士に見守られながらの撮影とか。

    世界中の中流階級の普通の暮らし。ものすごい興味深く、色々考えさせられるものがありました。

  • 30年くらい前の世界の家庭。家の中の家具を洗いざらい出して玄関で撮影するスタイル。日本の平均的な家庭の物の多さに驚く。これの現代版が欲しいです。

  • 大好きなナショジオ系の本。世界30カ国の家族を取材し、家中の持ち物を全部外に出して撮影、大事なものや将来のことなどのインタビューをまとめたもの。多様な世界とはよくいわれるが、目でみて非常によくわかる。毎晩頑丈な鍵をかけないと強盗に襲われる家族、2週間まともな食事ができていない家族、政府の指示のもと取材や撮影が許される家族、撮影の数日後にお父さんが射殺されてしまった家族、馬鹿でかい家と高級外車と美術品に囲まれている家族・・・。東京の家族も掲載されているが比べてみるともっているものの多さに驚く。本、おもちゃ、服、アクセサリーなど、世界的には贅沢品と言われるものをたくさん持っていて違和感を感じるほど。世界、文化、民族、暮らしの違いがよくわかる良い写真集。

  • 世界の多様性と豊かさを感じる本。

    いつかの時代を切りとった貴重な記録となり得るもの。

  • 【世界の中流階級の暮らし】
    「地球」の視点で、人の暮らしを見つめることができる写真&データ集。この当時より貧富の差はひらき、寿命は伸びている。日本人の持つモノの多さを客観視できる本でもありました。マリの家族の持ち物に「マスケット銃」があったことにドキリとしたりも。

  • 世界30カ国に渡り、その国で中流(普通の・いっぱん的な)の家族にお願いしてすべての持ち物を外に並べて記念撮影するプロジェクト。
    ボスニアの破壊されたベランダや、仏具がほとんどのブータンなど、興味深くて、ふと考えてしまう本だった。
    世界にはたくさんの普通がある。

  • ボスニアとクウェートの衝撃。

  • うちも家の中に物が溢れてる。
    典型的な日本の家だ。

    人間って身軽に生きていけるんだね。
    もっと身軽に生きていきたい。

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