- Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887062337
作品紹介・あらすじ
コールハースは、微妙に選ばれた言葉をひとつひとつ重ね、自分の論理を構築していく。最初は無茶な論理に見えたことも、彼の一言一言を追ううちに、発想の転換を迫られ、飛躍させられて、ついには彼の言うところに納得してしまう。いつも世界のどこかに神出鬼没し、休むことなくハイテンションで考え続けている。この人はいったい何を求めているのか。ジャーナリスト滝口範子が激しく行動するコールハースに振り回されながらも、しがみついて追いかけた。コールハース、そして彼とともに走るブレーン11人へのインタビューも収録。
感想・レビュー・書評
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レム•コールハースと言う人物も面白いが、この人に関わる周りの人々へのインタビューも面白い。
デザイナーのマイケル•ロックの言葉はまさに至言。
「本がもつ物理性は絶対的に重要な性質であって、ほかのものによって取り替えることは不可能なのです。」
「スクリーンというメディアは、すべてを均一の性質に還元して、あらゆるものを量的に統一されたものとして見せてしまう危険性がある。それに対して本は、その大きさ、素材、クオリティーがすべて異なっていて、固有のインパクトをもっている。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ブックレットを作る
思考のための方法論を作ること自体が実は知恵比べ
「ケリ」をつけられる、いったん軌跡を刻印してしまえば、次へ進むしかない
チャンス理論 個人の感性という恣意性を排除することによって、その制限から飛び出し、身体の動き自体の可能性を広げようとする -
一流な建築家の思考が知りたくて読み始めたら、建築の枠にとどまらない、超一流な知の巨人の頭の中、手の動かし方を目撃することができる凄い本だった。
コールハース自身が凄まじいのは言わずもがなだが、周辺インタビューでチョイスする対象はもちろん、本全体の構成、そして何よりライティングの中に流れる批評家精神に富んだ言葉たちが、非常に魅力的だった。瀧口さん、おそらくはじめましての著者さんだったけれど、すっごい素敵な執筆者さんだな。 -
「コールハースは忙しい」という事実の羅列が続き、建築そのものの意匠や思想、スタッフや関係者の感情を掘り下げる訳でもなく、密着出来た割には余りに内容が薄い。
大規模建築事務所の働き方・動き方という点では勉強になる部分もあった。 -
「行動主義 レム・コールハースドキュメント」瀧口範子
世界で起こっている人々の動き、グローバリズムの中の干渉や浸透、経済の変化そのものが建築を考えるチャンス理論を提供している。
わがままな顧客が無理難題を押し付けてきても、それは絶好の思考ゲームの材料であり、面白い発想を点火する契機となる。
クリエイティブでありながら、同時に社会的であり得る方法を見出す。
デモスでは、政治を分析する際に、経済力などありきたりなデータを使う代わりに、文化の役割といったような新しい要素を組み入れ、従来の政治的な議論よりももっと長期的な観点から革新的な解決策を導き出そうとする。
大抵チームの中には非常にオリジナリティーに溢れ、クリエイティブなマインドをもった人間が2,3人いる。キーとなるのは彼らで、大体において非常にエネルギーレベルの高い人間。
宇宙の全てのものが複素数z=z2+cで成り立っている。
他人の下した決断の下で仕事をするのはある意味安全だが、とうてい満足感の得られるものではない。
多くの建築家がデザインは「〜すべき」と捉えているのをレムは「〜できる」と考える。
歴史を動かすのはソリューションではなくアイデア
思想家は建築という職能の中へ中へと入っていくのではなく、関心の対象をどんどん外側へ広げ、それを再び建築の元へ統合する。
文化的なズレを鋭敏に感知する事。ニュアンスを知覚する為には現実に身をさらしていかなければならない。
パートナーを探すときは、自分たちの事に感銘を受けないような人を探す事。 -
一気に読み進める。が、なんだか頭が痛くなってきた(笑)
レム・コールハースという人の忙しさ、アクティブさ、異分野との絡み(「建築家」らしくなさ)、「ブックレット」のこと、「質問したがるクセ」のこと・・・
ちょっと面白いような記述はちょこちょこ出てくるのだが、読んでいてエキサイティング、という感じはしない。建築家にもいろいろいるんだな、というのと、こんな"忙"しそうな(心を亡くした)人生はいやだ、ということを思った。
むしろこの本でもっとも手に汗握るのは、伊東豊雄へのインタビューと、レム自身へのインタビューだろう。
伊東の語り口は、レムへの批判を大いに含む。いや、むしろ批判そのものだ。そして、批判的な受け答えの中から、仙台メディアテーク以降の伊東が「素材自体の表現力」を重視し、「構造」をシンボル的なものとして可視化する方向へ変化したこととか、あるいは伊東なりの近代建築観とか、伊東の、建築というものへのスタンスがあらわになっている。
またレムは、異分野に対してオープンであること、なんでも「一人でやってしまおうとすること」が一つの重要な特徴なのだろう。レムは自らの役割を「仕掛ける」と表し、ある人はそれを「編集者」的と評する。言葉を変えると「教祖的」。このようなスタイルのリーダーを演じるには、相当のリスペクトをすでに備えていないと成立しないだろうな。 -
圧倒的な知性と思考方法、そして行動力
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スーパー・ジェットセッターの日常。
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コールハースじゃなくてもう書いてる人のドキュメントになってる。いまいち。コールハースの凄さは伝わった。タイトル通り行動主義であって、コールハースの行動を追っかけたもの。コールハースの著作じゃない。ので建築的な話はごく少量。むしろなかったかも。建築を建築としてだけでなく、別の視点からほんとうに広く捉えているのがよくわかった。あとインタビューはよかった。
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建築家 レム・コールハースを密着取材した本。
ものすごい行動力で、いくつものプロジェクトを抱え、世界中を飛び回る人。
これを読んでると、筆者がいかにコールハースに振り回されたか分かる(笑)
編集者から建築家へ転身した彼ならではの手法もおもしろい。
ひとつの編集作業のように建築を組み立てているのかもしれない。
そういう意味では建築家らしくない建築家。
それにしても周りの人は彼のスピードと発想についていくだけで精一杯だろうな(笑) -
レムの忙しい日常を書いてます。
建築的な話は…特になかったです。 -
一流のジャーナリズム
建築界のビッグメゾン・OMA レム・コールハースは建築好きなら誰もが知ってるスーパーヒーローだ。 (もし建築やっててこの名前を知らない人は、「知ってるよ」と言っておいて、すぐさまこの本を読んだ方がいいよ。)建築というと田舎じゃ大工さんとの違いがいまいちわからないみたいだけど、建築に今まで興味のなかった人もこのレム様には要注目、ヨン様レベルの話ではないのだ。表題の「行動主義」というのが全てを表わしてる素晴らしいタイトルで、この行動範囲、行動力、スピード、まさに世界でもトップクラスの多忙さで、「あの仕事」をこなしている。
しかしこの本はレム自身の著作ではなく、何とそのレムを追っかた著者・瀧口範子さんの着目点とジャーナリズムは伝える力としてのまさに教科書のようなものだ。 -
飛行機のチケットの行き先を常にいくつか用意している、そんな大人にならなきゃいけない、レムになりたい!と、何度も読んでいた気がする。独特な知的アプローチに興味がある人にはおもしろい。
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コールハース好きにはたまらない、ドキュメント本。
彼の衰えることのない行動力がおそろしい程に伝わってきます。 -
ジャーナリストから建築家への転進という異色の経歴を持つコールハース、タイトル通りまさに行動力の塊。彼ほど世界中に並行したプロジェクトを抱えていると、日々センスとマネジメントをかなり短いスパンで要求される事が予想できる。2つの一見相容れないものを偉大な建築家がいかに操っているかを、彼の生活から感じれる本。
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この人の目に世界はどう写ってるのか
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コールハースの日常を追ったドキュメンタリー。著者の変な主観が強すぎていまいちだった。
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北京のCCTVで有名なコールハースを追ったドキュメンタリー。
むしろ、追っかけている瀧口さんのドキュメンタリー状態に。
しかし、これだけ精力的に活動している人がいるのだなぁと感動した。
有限な自分の時間、それを削りながら生きる。
自分らしい時間をとにかく表現し続けるのだろう。
「もうこれ以上搾り出せないというくらいに、すみずみまで時間を使い切る」
「オフィスの中央にはキッチンがあって、ランチタイムや、モーニングには、コーヒーやサンドイッチが作れる。スタッフの憩いの場にも。」
「アメリカのコンサルタントはすでに確立された方法論を持っていて、AMOの場合は一つ一つの事象に対して、ゼロからはじめる。」
「AMOのブックレットは、他人にわかりやすく伝えるためほとんどテキストが入っていない。」
インタビューではあまりコールハースに良い印象だけを持っているのでは無い点が面白い。天才だけどねって感じが一癖あるなぁということを物語っているようだ。
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前半はそこまで、面白くはない気がする。インタビュー部分がやはりおもしろい。
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かっこいいおっさんって感じの人。
行動主義って言葉が本当によく似合う人だ。
でもOMAとか組織の内容が難しくてよく理解できてない気がする。
いつか再読したい。