デザインの輪郭

著者 :
  • TOTO出版
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本棚登録 : 1707
感想 : 130
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887062603

感想・レビュー・書評

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  • ウサギの絵の展覧会が催される、
    と聞いて早速チケットを購入しに出掛けた。
    「こちらになります。」
    手渡されたソレを見て思わず
    「わっ♪可愛いっ!」
    と、悶えたら
    店員さんもにっこり微笑み「可愛らしいですよね。」

    お顔はシンプルな点々おめめに
    ばってんお口だけなんだけどなぁ~。
    私でも描けそうなのになぁ~。
    でも、¥1000(前売り券)×2人分出しても行きたくなるのはなぜかなぁ?

    その秘密を暴いてる本、何かないかな?
    と、図書館内を捜し歩き、(これだ!)と発見したのがこの本。
    なぜ、(これだ!)と思ったのか?
    それは
    >この本のタイトル(デザインの輪郭)は
    「デザインとは一体何であるか?」という問いに答える像の様なもの。
    と、いう一文を読んで。
    丁度今、知りたい!と思ってたトコ突かれて。(^^♪

    本書が素晴しいな!と思った点は
    ウサギの顔の描き方などではなく、
    本当は誰もが知っている、ただ見えないだけの<輪郭>を可視化するにはどうすれば良いか?を知る事。
    その方法がまるで詩人が詩を詠んでいるかの様な世界感で、面白かった。

    掲載されているシンプルな生活雑貨の写真も美しい♪

  • 内容とまったく関係ないですが、
    本のサイズ感がすごくしっくりきます。
    小説の単行本のサイズよりも気持ち小さめで、
    手のひらの中にちょうどいい大きさと
    重くもなく軽過ぎない質量のバランスがすごいいいなと思います。
    TOTO出版の本が全てこの大きさで統一されているのか、
    この本だけがそういう大きさにしているかはわからないですが、
    とにかく持っていたくなる本です。
    だから、読む前からすごくいいなと思ってしまいました。

    とても素敵な本です。
    深澤さんが手がけた製品がカラー写真で載っていて、
    それがとても美しいです。
    内容もとても好きです。
    この方は日本的な考え方の人のようで、
    デザインに対しても生活することに対しても日本的なことを重視している印象です。
    寄り添うイメージでしょうか。
    人々の暮らしに寄り添って、品のいいお節介をするために製品を作ってるのかな。
    そうやって、人々の暮らしを丁寧に見ているから、
    幸せってこういうことなんじゃないかなっていうのを発見したりもしている。
    デザインのことだけでなく、そういう暮らしのことについても書かれている本です。

  • 読書メモ

    世界的な工業デザイナー・深澤直人によるモノローグのような写真、エッセイ、インタビュー集。

    「デザイン」という言葉からは、一見「クリエイティブで目立つ表現であること」が一番に求められているように感じる。デザイナーは、自分だけの個性やスタイルを持ち、それを表に出していくことを重要視されがちだが、このエッセイからは、余計な要素を削ぎ落とした先にある本質的に大事なことを形にする、深澤直人の引き算の美学のようなものを感じた。

    特に印象に残ったのがIDEOでのデザイナー向けのワークショップのエピソード頭の中で描いたイメージを形に落とし込む力と同じくらい、目の前の人を観察して、観察して、観察し抜くことが大事で、その無意識に行っている行動の中から、新しく、ちょっと幸せになるアイデアが生まれることに気付かされた。

    デザインの輪郭は、日常の中に溶け込んで見えないものから、色々な要素を繋いでいくことから見えてくるのかもしれない。

  • 環境に溶けるデザインという考え方に共感しました。物単体として捉えるのではなく、そのモノが置かれる空間、人の行動パターンにまでも思い巡らせ、存在を意識されることはなくとも、確かに暮らしの中に「ふつう」に溶け込むモノこそ、いいデザインだと言える。

  • 「行為に溶けるデザイン」。深澤直人を象徴する目次タイトル。

    デザインが見た時すぐに刺激を与えるものではなく、やや遅れて「あ〜〜!」となるような気づきのズレ。

    みんなが通過する意識の中心に置かれるデザインは、さりげない配慮やジョークがかたちになったもの。

    深澤さんの研ぎ澄まされたシンプルなデザインは、こういった理論からくるものなのだと納得。

    アフォーダンスとか、このデザインの考え方って、ニーズを生みだすってことなのかなと。
    ニーズって、人の無意識の欲求の結果だと思うので、その欲求を形にして解決するのがデザインの役目であるのなら、デザインってすごく身近なものなはず。

  • 工業デザイナー、深澤直人さんがデザインとの向き合い方などを語ったデザイン観の本。先日、知人のデザイナーが講演に参加してとても興奮してそのときの話の内容を聞かせてくれました。未読ならぜひと勧められて、この本のことは周りでも読んでいる人がいたけど、もっと早く読んでおけばよかった。これからも何回も読みたくなる本。デザインという抽象的なものに対して、“輪郭”、“選択圧”、“張り”などの言葉で視覚的に想像できるような表現で説明してくれて、なるほどなぁと唸りまくってしまいました。デザインすることや、クライアントに向き合うときの接し方とデザイナーとしての姿勢などに対して、確実にひとつの基準を与えてくれたと思っています。年始早々、よい本を読了しました

  • めもめも
    めも

  • 読んでいると俯瞰的に全体を見ようと思えてきます。定期的に読んで理解を深めたいと思います。

  • 大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
    https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/415652

  •  書かれていることは決して平易ではなく、デザイナーの方特有の表現もあって、正直素人である私にはわからないことも多くあった。

     でも、この方の文章は非常に品格が高い。大学の小論文とかの課題文にしたい感じ。

     この本自体が古いこともあるが、中の商品写真が懐かしい感じがする。懐かしい感じがするのはこの方が「R」にこだわっているからもしれない。

     電気製品には古さをかんじるが
    家具とかにはそのなつかしさが味となるのは面白い。

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著者プロフィール

1956年 山梨県生まれ
1980年 多摩美術大学プロダクトデザイン科卒
1989年 渡米、IDEO入社
1996年 帰国、IDEO東京支社長
2003年 NAOTO FUKASAWA DESIGN設立

卓越した造形美とシンプルに徹したデザインで、イタリア、フランス、ドイツ、スイス、北欧、アジアなど世界を代表するブランドのデザインや、日本国内の企業のデザインやコンサルティングを多数手がける。電子情報機器から家具・インテリアに至るまで手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。

「行為に相即するデザイン」「意識の中心」「ふつう」「輪郭」「典型」など、自らのデザイン哲学をこれらの言葉で表すとともにデザインの具体を通してその実践を続ける。デザインのみならず、デザインを通して対象の本質にせまる力、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。

人間の意識していないときの行動の中にデザインのきっかけがあることを見い出し、それを「Without Thought(思わず)」と名付けた。1999年からはその名を使ったデザインワークショップを毎年開催し、書籍とともに発表を続けている。

米国IDEA金賞、ドイツiF design award金賞、日本グッドデザイン賞金賞、英国D&AD金賞、ドイツred dot deign award、毎日デザイン賞、織部賞など受賞多数。「MUJI」壁掛け式CDプレーヤー、「±0」加湿器、「au/KDDI」INFOBAR、neonはN.Y.MOMA所蔵品となる。2007年ロイヤルデザイナー・フォー・インダストリー(英国王室芸術協会)の称号を授与される。フランス国立セーブル製陶所招待作家。

21_21Design Sightディレクター。良品計画デザインアドバイザリーボード。マルニ木工アートディレクター。2010年〜2014年グッドデザイン審査委員長。
2012年Braun Prize審査委員。日経優秀製品・サービス賞審査委員。毎日デザイン賞選考委員。
多摩美術大学統合デザイン学科教授。2006年Jasper Morrisonと共に「Super Normal」設立。2012年7月より日本民藝館五代目館長。

著書には「デザインの輪郭」(TOTO出版)、共著書「デザインの生態学-新しいデザインの教科書」(東京書籍)、共著書「デザインの原型」(六耀社)、作品集「NAOTO FUKASAWA」(Phaidon)がある。2008年には「THE OUTLINE 見えていない輪郭」写真家、藤井保氏との展覧会を開催、同タイトル書籍を出版(アシェット婦人画報社)。

「2017年 『AMBIENT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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