限界デザイン (TOTO建築叢書)

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著者 : 三宅理一
  • TOTO出版 (2011年11月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887063228

限界デザイン (TOTO建築叢書)の感想・レビュー・書評

  • 建築と生物学の融合

  • 極限状況の建築として挙げられている
    カピュラ集合住宅
    プルーヴェの6-6メートル住宅
    クルナ・エル・ジャディーダ
    の事例は知らなかったので
    面白かった

    でももう少し
    事例を増やしてほしかった
    社会状況を説明する必要はわかるけど
    10ページに1事例ぐらいで
    紹介に費やしてほしかった

    日本だけでも
    注目を浴びつつある
    ホームレスの居住スペースなど
    考えられるのに

    結論として挙げる
    生存のためのシェルター
    最小限のしつらえ
    土着性
    はわかるのだが
    使い回しによる価値の再生
    はどうか?

  •  読み始めて、いきなり星の王子様の話がでてきたが、だんだん、限界デザイン、究極まで、安く、動きやすく、早くつくる、それぞれ土着の建築物の事例紹介になって、おもしろくなってきた。

     特に、関心をもったのは、坂茂さんの紙管ハウス。確か、女川でも集会所が一つあったような気がするが、安価で早いという観点から、阪神・淡路のときのように、どうしてもっと紙管ハウスが仮設住宅に使われなかったのだろうか。

     やっぱり、何か仮設でも、もうちょっとしっかりしたものをとかいう要求があったのか、断熱性とか課題がかったのか?

     なお、紙管による避難所のパーティションの活動もすばらしい。

     次に、空き屋を総体として、リロケーションとして使うという可能性。日本の木造住宅は、戦前でも引きやとかいって動かしてきたし、解体して組み立て直すこともできる。

     古民家のように価値が高かければ、公園に移設してちゃんと管理するという方法もある。

     いろいろ、NPOの活動もあるようだが、2割近く住宅が余っている時に、なにか、スクラップアンドビルドではなく、既存の住宅を活かす方法をもって進める手段を考えたい。

     最初は三宅先生何の話をし始めたのかと思ったが最後は納得。良著。

     付箋をつけたページ。p88,122,151,173,195,207,215,222,227,239,253,259,284,294,300。

  • 3.11後のアドホックなテーマ。「限界デザイン」と聞くとすごくストイックな印象を受けます。ただこの本で紹介される事例はどれも最低限、雨風しのげれば良いと言うものではなく、住民参加のプロセスや地域性、プライバシーが考慮されていたりと、「限界」の定義を考えさせられるものでした。ともかく21世紀に入って建築を始めた人間としては、戦争、災害後の何も無い中、限界を見極め建築を作り上げたプロセスを知ることは貴重だと思いました。

  • 昨年のプロ野球日本シリーズのことだったと思う。開幕前の監督会議で中日・落合監督(当時)の審判団に投げかけた質問が、今でも印象に残っている。それは、「第7戦までのすべての試合が引き分けになったら、どうするのか?」というものであった。

    日本シリーズは7試合制で、先に4勝したチームが日本一となる。第7戦を終えて7引き分けなら、最低でもあと4試合、最大で7試合を追加しなければならない。しかし、プロ野球は日本シリーズ終了後も他の行事が立て込んでおり、そのケースをどう考えるのかという質問であった。問われた審判団も、お茶を濁すしかなかった模様である。

    根っからのG党である僕には、その質問が奇を衒ったパフォーマンスにしか思えず、冷ややかな目で眺めていた。しかし、最近発売されたばかりの新刊『采配』(落合 博満・著)を読んで思惑を知り、思わず膝を打った。

    そこには”「極論」から物事の本質を見直してみる”と、書かれてあった。「そんなこと起こるわけがない」ということを真剣に考えることで、日本シリーズをより良い試合にするヒントを得られると考えていたというのだ。延長の仕組み、ベンチ入りの人数など、万全と思われる現在のルールに、あえて「極論」をぶつけることで再考を促したのである。落合 博満、恐ろしい子・・・

    そういった意味において、本書も極論から考えるための一冊と言えるだろう。人は究極において、どのような家に住むのか。極限的な状況下において成立する人間の住まいを広く眺め、今日の住まいのあり方を問い直してみようという一冊なのである。

    一口に建築といっても千差万別であり、時代や地域によってその内容は大きく異なる。それを文化人類学的な住まい方のレベルで見るか、あるいは制度や技術の発展から捉えるかによって見方は大きく分かれてくるという。

    例えば歴史性がないということで文化人類学的には軽視されているモンゴルの移動式住居(ゲル)は、数多あるテント式住居の中でもっとも進んでいるそうだ。部材が最小限化され、力学的にも大変優れた建築となっているのである。その特徴は、標準化が徹底しており、規格化された最小限の部材で短時間に組み立てができるということにある。最小限の物資で最大限の効率をはかるシステムが、彼らの生活には根付いているのだ。またロシアの丸太組住居も、単純なつくりで温熱環境として保温性がよく、寒冷地の厳しい気候にもすこぶる向いているという。

    これらの特異な環境ゆえに磨き上げられた建築を眺めると、生き残るための智慧が随所に散りばめられているのがよくわかる。それは、省エネルギー・リサイクル時代の我々にとっても参考になる点が数多くあるのだ。何より「建築は恒久的である」という固定概念を取り払い、「建築は一時的なものであり、移動する」と捉えた視点が面白い。

    本書には、そんな極限的な状況下において成立する人間の住まいに関する事例が盛りだくさんである。その一つが、1957年に設営された南極越冬探検隊の観測基地のケースだ。

    その当時、南極は人類にとって最後の未開地であった。材料は日本から運んでいく以外に手はないので、当然プレファブリケーションとする必要があったのだが、それに加えて、高い断熱性、2週間ほどの限られた工期、少人数の隊員で組み立て可能な施工の容易度、越冬隊員が1年を過ごしうる居住環境ということが、要件にあげられた。

    高度成長期の真っ只中にあった日本の工場において、建材に高い精度を保証しえたのは木質系の技術であり、基本は木質パネルのプレファブ構法を開発するのが最良かつ最短の道であった。木は断熱性能もよいので、木版の間に厚い断熱材を入れ込んだ特殊パネルをつくれば、温熱環境的にも高い性能を得られる。

    通常なら、ここに鉄パイプを建てて... 続きを読む

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限界デザイン (TOTO建築叢書)の作品紹介

限界から見える建築の必然。建築的知性をアーカイブするTOTO建築叢書第一弾。

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