白人とは何か?: ホワイトネス・スタディーズ入門 (刀水歴史全書 73)
- 刀水書房 (2005年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887083462
作品紹介・あらすじ
「白人」を研究するなんて考えた事がありますか?白人に差別されてきた黒人や先住民などの研究は多数あるが、その差別の根源の「白人」とは何なのか…?人類学者が未開の民族を見るように「白人」を研究の俎上に載せた、日本初の白人研究の紹介。
感想・レビュー・書評
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「白人」を研究するなんて考えた事がありますか?白人に差別されてきた黒人や先住民などの研究は多数あるが、その差別の根源の「白人」とは何なのか…?人類学者が未開の民族を見るように「白人」を研究の俎上に載せた、日本初の白人研究の紹介。
1 白人研究に向かって―イントロダクション
第Ⅰ部 白人研究の「見取り図」
2 白人性の探求―白鯨を追って
3 白人性と世界構造―二つの白人性
4 白人性と表象/ジェンダー―先人の遺産
5 白人労働者階級の形成―下からの歴史
第Ⅱ部 白人の形成
6 白色人種論とアラブ人―フランス植民地主義のまなざし
7 ヒムラーのアーリア人種観とその帰結―親衛隊による「血の選別」
8 アメリカにおける白人の形成―先住民・アメリカ人・移民の交錯
9 オーストラリアにおける「白人」の創造と大英帝国
―1870年代から1901年までを中心に
10 もう一つの北米社会
―二〇世紀初頭のカナダにおけるホワイトネスとブリティッシュネス
11 「白」と「茶色」の間―南アフリカにおける白人形成
第Ⅲ部 白人の投影
12 歴史としての白人像
―オーストラリア先住民のオーラル・トラディション
13 「ドミナントな白人性」を越えて―近代日本の二つの顔
14 白人とネイティヴのカテゴリーをめぐって
―ドイツ統治下のサモア
15 宣教師たちの諸相―キリスト教布教の現場に見る白人性
16 野蛮なヨーロッパ
―近代歴史認識における十字軍像の変容
第Ⅳ部 白人性の展開
17 映像文化と白人性―テレビのなかの民族とイメージ
18 多文化主義のなかの白人性
―オーストラリアの多文化主義論争から
19 家族計画援助と白人性―強制された近代家族
20 死者たちの白人性
―オーストラリアにおける戦争の記憶と「国民」の境界
21 「白人であってそうでない」者たち
―イギリスのインド支配と白人性の境界詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
FTb
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【メモ】
サイト
〈http://www.let.osaka-u.ac.jp/seiyousi/whiteness/top.html〉
【版元】
『白人とは何か?――ホワイトネス・スタディーズ入門』
編者:藤川 隆男
定価:本体2200円+税
シリーズ:刀水歴史全書;73
発売:2005年10月
ISBN:4-88708-346-7
判型:四六判 25頁
◆「白人」を研究するなんて考えた事がありますか?
白人研究は、近年欧米で急速に拡大している研究分野です。白人に差別されてきた黒人や先住民などの研究は多数ありますが、その差別の根源となっている「白人」とはそれでは何なのか…?人類学者が未開の民族を見るように「白人」を研究の俎上に載せた,日本初の白人研究が本書です!
〈http://www.tousuishobou.com/rekisizensho/4-88708-346-7.htm〉
【目次】
目次 [iii-viii]
1 白人研究に向かって――イントロダクション[藤川隆男] 003
世界から 進む白人化? 白人問題 「白人」とは 「白人性」とは
第I部 白人研究の「見取り図」[藤川隆男] 015
2 白人性の探求――白鯨を追って 016
白鯨 無標のカテゴリー 人種主義と民主主義 啓蒙思想と白人性 人種色盲
3 白人性と世界構造――二つの白人性 027
世界システム 白人の形成 特殊な白人性と普遍的白人性 白人と白人性の類型
4 白人性と表象/ジェンダー ――先人の遺産 038
黒いアテナ 文学 映画とテレビ ジェンダーとフェミニズム
5 白人労働者階級の形成――下からの歴史 049
グローバル・スタンダード 下からの歴史 白人性の賃金 ミンストレル・ショー 構造的な理解 白色人種の廃止
第II部 白人の形成 059
6 白色人種論とアラブ人――フランス植民地主義のまなざし[杉本淑彦] 060
アラブ人は白人 白色人種内の序列化へ 有色人種化するアラブ人
7 ヒムラーのアーリア人種観とその帰結――親衛隊による「血の選別」[原田一美] 071
ナチス人種主義の犠牲者 ヒムラーのアーリア人種観 「大ゲルマン帝国」という理想 親衛隊員の選別基準 占領地域における「人種的選別」 「人種専門家」の積極的関与
8 アメリカにおける白人の形成――先住民・アメリカ人・移民の交錯[山田史郎] 083
異人種間混合のイヴとアダムとシンデレラ 白人共和国の建設 移民の流入と白人性 白人の純血をまもる
9 オーストラリアにおける「白人」の創造と大英帝国――1870年代から1901年までを中心に[村上雄一] 095
「イギリス人への苦言」 白人「ネイティヴ」の誕生 ANA拡大のおもな要因 ANAと「ブリティッシュネス」 ブリティッシュネス+オーストラリアネス=ホワイトネス? ANAと先住民アボリジナル ANAと「アイリッシュネス」 反中国人移民運動と白人労働者階級の形成 オーストラリア市民権とホワイトネス
10 もう一つの北米社会――二〇世紀初頭のカナダにおけるホワイトネスとブリティッシュネス[細川道久] 108
カナダとアメリカ合衆国 白人の境界 白人性の構成要素 積み残した多くの課題
11 「白」と「茶色」の間――南アフリカにおける白人形成[永原陽子] 121
南アフリカ史のなかの白人 入植者・先住民・奴隷 イギリスの植民地支配とアフリカーナーの誕生 人種隔離の始まり アパルトヘイトへの道 ポスト・アパルトヘイトの白人
第III部 白人の投影 135
12 歴史としての白人像――オーストラリア先住民のオーラル・トラディション[松山利夫] 136
祖先の再来 征服者クック 強盗ネッド ネッドの物語 征服者クックと強盗ネッド物語の特徴 クック物語に見る白人像 ネッドの物語が描きだす白人像 白人の起源
13 「ドミナントな白人性」を越えて――近代日本の二つの顔[酒井一臣] 147
幕末の武士、アメリカに行く 議事堂は魚市場? ドミナントな白人性と近代日本
14 白人とネイティヴのカテゴリーをめぐって――ドイツ統治下のサモア[山本真鳥] 157
サモアのアファカシ プランテーション経営と労働者 白人の入植からドイツ統治まで ドイツ統治下の人種カテゴリー 白人とは何か?
15 宣教師たちの諸相――キリスト教布教の現場に見る白人性[並河葉子] 170
ミッション活動と白人性 ミッション活動統計表 白人性の境界 「ユーラシアン」 「キリスト教」と「文明」
16 野蛮なヨーロッパ――近代歴史認識における十字軍像の変容[上山益己] 180
勝者と敗者 近代ヨーロッパの十字軍観 近代アラブ・イスラーム
の十字軍観――伝統的歴史像―― 近代アラブ・イスラームの十字軍観 ――十字軍の「悲劇化」―― 優越感と屈辱
第IV部 白人性の展開 193
17 映像文化と白人性――テレビのなかの民族とイメージ[日吉昭彦] 194
観光広告のなかの白人性 メディアと白人・白人性研究 身体性を越えた白人性の構築 人種間の覇権闘争の場としてのメディア 文化的多様性と白人性 白人性が想像するポスト・コロニアル状況
18 多文化主義のなかの白人性――オーストラリアの多文化主義論争から[関根政美] 208
多文化主義は白人性衰退の目印か? 管理主義的な多文化主義への批判 民主主義社会のなかの多文化主義 多文化主義のなかの白人性――リベラルな価値と白人性 多文化主義社会と白人性の未来
19 家族計画援助と白人性――強制された近代家族[荻野美穂] 221
人口をめぐる言説 冷戦と人口問題 インセンティヴとディスインセンティヴ 避妊テクノロジーの開発
20 死者たちの白人性――オーストラリアにおける戦争の記憶と「国民」の境界[津田博司] 233
戦争を記憶するということ 「国民」の誕生と戦争の記憶 「黒いアンザック」 国境なき記憶を求めて
21 「白人であってそうでない」者たち――イギリスのインド支配と白人性の境界[水谷 智] 244
英領インドと白人性研究 あるべき白人の姿 「白人であってそうでない」者たちという矛盾 白人性の境界
おわりに(二〇〇五年九月九日 藤川隆男) [256-257]
執筆者紹介 [1-3] -
分類=民族・人種。05年10月。先住民、黒色・黄色人種と来て、次は白色人種。つまり、自己を知る方向へ。