白人とは何か?: ホワイトネス・スタディーズ入門 (刀水歴史全書 73)

制作 : 藤川 隆男 
  • 刀水書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887083462

作品紹介・あらすじ

「白人」を研究するなんて考えた事がありますか?白人に差別されてきた黒人や先住民などの研究は多数あるが、その差別の根源の「白人」とは何なのか…?人類学者が未開の民族を見るように「白人」を研究の俎上に載せた、日本初の白人研究の紹介。

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  • 「白人」を研究するなんて考えた事がありますか?白人に差別されてきた黒人や先住民などの研究は多数あるが、その差別の根源の「白人」とは何なのか…?人類学者が未開の民族を見るように「白人」を研究の俎上に載せた、日本初の白人研究の紹介。

    1 白人研究に向かって―イントロダクション
    第Ⅰ部 白人研究の「見取り図」
    2 白人性の探求―白鯨を追って                   
    3 白人性と世界構造―二つの白人性                  
    4 白人性と表象/ジェンダー―先人の遺産               
    5 白人労働者階級の形成―下からの歴史                

    第Ⅱ部 白人の形成
    6 白色人種論とアラブ人―フランス植民地主義のまなざし 
    7 ヒムラーのアーリア人種観とその帰結―親衛隊による「血の選別」
    8 アメリカにおける白人の形成―先住民・アメリカ人・移民の交錯
    9 オーストラリアにおける「白人」の創造と大英帝国
      ―1870年代から1901年までを中心に
    10 もう一つの北米社会
       ―二〇世紀初頭のカナダにおけるホワイトネスとブリティッシュネス
    11 「白」と「茶色」の間―南アフリカにおける白人形成

    第Ⅲ部 白人の投影
    12 歴史としての白人像
       ―オーストラリア先住民のオーラル・トラディション
    13 「ドミナントな白人性」を越えて―近代日本の二つの顔
    14 白人とネイティヴのカテゴリーをめぐって
       ―ドイツ統治下のサモア
    15 宣教師たちの諸相―キリスト教布教の現場に見る白人性
    16 野蛮なヨーロッパ
       ―近代歴史認識における十字軍像の変容 

    第Ⅳ部 白人性の展開
    17 映像文化と白人性―テレビのなかの民族とイメージ
    18 多文化主義のなかの白人性
       ―オーストラリアの多文化主義論争から
    19 家族計画援助と白人性―強制された近代家族
    20 死者たちの白人性
       ―オーストラリアにおける戦争の記憶と「国民」の境界
    21 「白人であってそうでない」者たち
       ―イギリスのインド支配と白人性の境界

  • FTb

  • 【メモ】
    サイト
    http://www.let.osaka-u.ac.jp/seiyousi/whiteness/top.html

    【版元】
    『白人とは何か?――ホワイトネス・スタディーズ入門』
    編者:藤川 隆男
    定価:本体2200円+税
    シリーズ:刀水歴史全書;73 
    発売:2005年10月
    ISBN:4-88708-346-7
    判型:四六判 25頁

    ◆「白人」を研究するなんて考えた事がありますか?
     白人研究は、近年欧米で急速に拡大している研究分野です。白人に差別されてきた黒人や先住民などの研究は多数ありますが、その差別の根源となっている「白人」とはそれでは何なのか…?人類学者が未開の民族を見るように「白人」を研究の俎上に載せた,日本初の白人研究が本書です!
    http://www.tousuishobou.com/rekisizensho/4-88708-346-7.htm


    【目次】
    目次 [iii-viii]

    1 白人研究に向かって――イントロダクション[藤川隆男] 003
      世界から  進む白人化?  白人問題  「白人」とは  「白人性」とは 

      第I部 白人研究の「見取り図」[藤川隆男] 015

    2 白人性の探求――白鯨を追って 016
      白鯨  無標のカテゴリー  人種主義と民主主義  啓蒙思想と白人性  人種色盲 

    3 白人性と世界構造――二つの白人性 027
      世界システム  白人の形成  特殊な白人性と普遍的白人性  白人と白人性の類型 

    4 白人性と表象/ジェンダー ――先人の遺産 038
      黒いアテナ  文学  映画とテレビ  ジェンダーとフェミニズム 

    5 白人労働者階級の形成――下からの歴史 049
      グローバル・スタンダード  下からの歴史  白人性の賃金  ミンストレル・ショー  構造的な理解  白色人種の廃止  


      第II部 白人の形成 059

    6 白色人種論とアラブ人――フランス植民地主義のまなざし[杉本淑彦] 060
      アラブ人は白人  白色人種内の序列化へ  有色人種化するアラブ人

    7 ヒムラーのアーリア人種観とその帰結――親衛隊による「血の選別」[原田一美] 071
      ナチス人種主義の犠牲者  ヒムラーのアーリア人種観  「大ゲルマン帝国」という理想  親衛隊員の選別基準  占領地域における「人種的選別」  「人種専門家」の積極的関与 

    8 アメリカにおける白人の形成――先住民・アメリカ人・移民の交錯[山田史郎] 083
      異人種間混合のイヴとアダムとシンデレラ  白人共和国の建設  移民の流入と白人性  白人の純血をまもる 

    9 オーストラリアにおける「白人」の創造と大英帝国――1870年代から1901年までを中心に[村上雄一] 095
      「イギリス人への苦言」  白人「ネイティヴ」の誕生  ANA拡大のおもな要因  ANAと「ブリティッシュネス」  ブリティッシュネス+オーストラリアネス=ホワイトネス?  ANAと先住民アボリジナル  ANAと「アイリッシュネス」  反中国人移民運動と白人労働者階級の形成  オーストラリア市民権とホワイトネス 

    10 もう一つの北米社会――二〇世紀初頭のカナダにおけるホワイトネスとブリティッシュネス[細川道久] 108
      カナダとアメリカ合衆国  白人の境界  白人性の構成要素  積み残した多くの課題 

    11 「白」と「茶色」の間――南アフリカにおける白人形成[永原陽子] 121
      南アフリカ史のなかの白人  入植者・先住民・奴隷  イギリスの植民地支配とアフリカーナーの誕生  人種隔離の始まり  アパルトヘイトへの道  ポスト・アパルトヘイトの白人 


      第III部 白人の投影 135

    12 歴史としての白人像――オーストラリア先住民のオーラル・トラディション[松山利夫] 136
      祖先の再来  征服者クック  強盗ネッド  ネッドの物語  征服者クックと強盗ネッド物語の特徴  クック物語に見る白人像  ネッドの物語が描きだす白人像  白人の起源

    13 「ドミナントな白人性」を越えて――近代日本の二つの顔[酒井一臣] 147
      幕末の武士、アメリカに行く  議事堂は魚市場?  ドミナントな白人性と近代日本

    14 白人とネイティヴのカテゴリーをめぐって――ドイツ統治下のサモア[山本真鳥] 157
      サモアのアファカシ  プランテーション経営と労働者  白人の入植からドイツ統治まで  ドイツ統治下の人種カテゴリー  白人とは何か?

    15 宣教師たちの諸相――キリスト教布教の現場に見る白人性[並河葉子] 170
      ミッション活動と白人性  ミッション活動統計表  白人性の境界  「ユーラシアン」  「キリスト教」と「文明」

    16 野蛮なヨーロッパ――近代歴史認識における十字軍像の変容[上山益己] 180
      勝者と敗者  近代ヨーロッパの十字軍観  近代アラブ・イスラーム
    の十字軍観――伝統的歴史像――  近代アラブ・イスラームの十字軍観 ――十字軍の「悲劇化」――  優越感と屈辱


      第IV部 白人性の展開 193

    17 映像文化と白人性――テレビのなかの民族とイメージ[日吉昭彦] 194
      観光広告のなかの白人性  メディアと白人・白人性研究  身体性を越えた白人性の構築  人種間の覇権闘争の場としてのメディア  文化的多様性と白人性  白人性が想像するポスト・コロニアル状況

    18 多文化主義のなかの白人性――オーストラリアの多文化主義論争から[関根政美] 208
      多文化主義は白人性衰退の目印か?  管理主義的な多文化主義への批判  民主主義社会のなかの多文化主義  多文化主義のなかの白人性――リベラルな価値と白人性  多文化主義社会と白人性の未来

    19 家族計画援助と白人性――強制された近代家族[荻野美穂] 221
      人口をめぐる言説  冷戦と人口問題  インセンティヴとディスインセンティヴ  避妊テクノロジーの開発

    20 死者たちの白人性――オーストラリアにおける戦争の記憶と「国民」の境界[津田博司] 233
      戦争を記憶するということ  「国民」の誕生と戦争の記憶  「黒いアンザック」  国境なき記憶を求めて

    21 「白人であってそうでない」者たち――イギリスのインド支配と白人性の境界[水谷 智] 244
      英領インドと白人性研究  あるべき白人の姿  「白人であってそうでない」者たちという矛盾  白人性の境界

    おわりに(二〇〇五年九月九日 藤川隆男) [256-257]
    執筆者紹介 [1-3]

  • 分類=民族・人種。05年10月。先住民、黒色・黄色人種と来て、次は白色人種。つまり、自己を知る方向へ。

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