バルビゾン派 (世界美術双書 1)

著者 :
  • 東信堂
3.75
  • (1)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 12
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (130ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887131729

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • バルビゾン派の概説を扱っている珍しい本。風景画の歴史、バルビゾン村の紹介、バルビゾン派の歴史、時代背景、意義、「七星」と関連する画家(クールベ)の生涯をまとめ、所蔵美術館の情報や用語解説、参考書籍の詳細情報などまで網羅されており、初学者にとって丁寧すぎるほど贅沢に情報が載せられている。その分著者本人の主張や考察は薄く、少し事実列挙的な記載も目立ってはいたが、これはなるべく「史実」を限られたページ数のなかで簡易かつコンパクトにまとめることで、教育・啓発面に力を入れて作ろうとしたからだろう。
    唯一の惜しい点は、載せられた画がモノクロであること。予算上の都合なのかもしれないが、これだけよくできた「教科書」であるだけに勿体ない。著者はたぶん、カラーの画については本書を手に取ることで興味関心が深まった読者が、自ら画集に手を伸ばし積極的に美術館へ足を運ぶことに期待したのだろうと思う。私自身もまずは村内美術館に行ってみたい!

  • なかなかバルビゾン派だけに焦点を当てた本が少ない中、バルビゾン村の話、主要な画家の話から後継者の話まで、コンパクトに流れがまとまっている。
    残念ながら絵がカラーではなかったので、画像検索しながら読んだ。

    本来の主題とはずれるが、印象に残ったのは、ゴッホが、ミレーの熱心な後継者だったということ。
    ミレーの絵のどこをどう模写したらあのような絵になるのかわからないが、ゴッホは、伝記作家によって道徳家や宗教家のイメージで美化されたミレーの姿を、「画家は『神の言葉のまき手』である」という自らの掲げる理想の姿に重ね合わせていったらしい。
    「理想主義画家」ゴッホに、少し興味がわいてきた。

    あと、冒頭の部分「バルビゾン村を訪れるなら、晴れた11月の日曜日をお勧めしたい」に、とても共感した。モネの絵に春〜初夏が似合うのに対して、ミレーの絵は晩秋が似合う。

  • 風景画、バルビゾン派、そして印象派への流れがよくわかります。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

東京純心女子大学教授

「2004年 『新版・美術館学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井出洋一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×