国立大学・法人化の行方: 自立と格差のはざまで

著者 :
  • 東信堂
3.43
  • (1)
  • (1)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 28
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887138209

作品紹介・あらすじ

自立への歩みの蔭で浮上してきた、大学間格差の拡大、研究と教育のアンバランス、教員の職員化等、今回の法人化が孕むこれら数々の問題点を、定点観測的アンケート調査はじめ詳細な資料を通じ分析・追求するとともに、行財政問題主導の改革を超えて、わが国高等教育の未来を見据えた新たな国家戦略の必要性を強調。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA85713607

  • 2010 7/31読了。研究室蔵書。
    前半では法人化の議論や国立大学間の格差構造について、戦前からの経緯がまとめられている。法人化の議論が長くあったことがわかる一方で、現在の法人化がそれと必ずも連動しない形で急に出てきた話であることもわかる。
    中盤以降は国立大学の学長等への豊富な質問紙調査の結果に基づいて法人化について様々な面から検討している。自由回答欄からの抜粋も多く、生の声がよく伝わってくる。
    後半では大学院、特に専門職大学院についてこれも歴史的な経緯を踏まえてまとめられており、現在の国立大学あるいは高等教育全体について考える上で必要な知識が多数含まれている本と言えそう。

    ただ、論文・講演録を集めて1冊の本としてまとめたものでもあり、編集の手は入っているとはいえ記述の重複が目立つところも多い。まとめ直せばこの3分の2以下の長さに出来そうな気がする。端的に言ってくどい。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1936年神奈川県生まれ。一橋大学経済学部・東京大学教育学部卒業。東京大学
大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。名古屋大学教育学部助教授、東京
大学教育学部教授、国立大学財務・経営センター研究部教授などを歴任。
東京大学名誉教授、教育学博士。
著 書 『試験の社会史』(東京大学出版会、1983年、サントリー学芸賞受賞;
     増補版、平凡社ライブラリー、2007年)
    『高等教育の日本的構造』(玉川大学出版部、1986年)
    『学歴の社会史』(新潮選書、1992年、平凡社ライブラリー、2005年)
    『日本の教育システム』(東京大学出版会、1996年)
    『日本の高等教育システム』(東京大学出版会、2003年)
    『教育と選抜の社会史』(ちくま学芸文庫、2006年)
    『大学の誕生』(上下、中公新書、2009年)
    『高等教育の時代』(上下、中公叢書、2013年)
    『新制大学の誕生』(上下、名古屋大学出版会、2016年)
    『帝国大学』(中公新書、2017年)他多数

「2019年 『新制大学の時代 日本的高等教育像の模索』 で使われていた紹介文から引用しています。」

天野郁夫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×