文学・芸術は何のためにあるのか? (未来を拓く人文・社会科学)

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制作 : 吉岡 洋  岡田 暁生 
  • 東信堂 (2009年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887138940

文学・芸術は何のためにあるのか? (未来を拓く人文・社会科学)の感想・レビュー・書評

  • どの論文もわかりやすい言葉で読み手への問いかけを意識して書かれていたので、興味深かった。
    最後の鼎談とあとがきに本著の願いや、意味があると思った。

    それまで自明であった、宗教、芸術といったものが、合理性しか信じられなくなっているこの時代変化のために、存在意義を問われている。
    費用対効果でいったら、文学、芸術の部は悪いに決まっている。
    冷戦以後広がる合理性という原理主義(1つの宗教)が、芸術の自明性を疑い始めたが、そもそも芸術って疑ってはならないという畏敬すべき存在として、そういう場所(わりきれないこと)を確保するものなんじゃないのって書かれていた。

    文学を学びながら、なぜ必要なのか、問われたら困るなって劣等感を抱きながら過ごしてきたので、これ読んですこし自信がついた。
    たのしいからやっているんだし、そもそも費用対効果もとめてどうするのって話。
    問いにはならない問いを設定し、答えられないものについて答えようとすることを通して、無用と有用とが幾重にも弁証法的反転を繰り返して絡み合う、芸術なるものの独特の「有用性」を浮かび上がらせたい。という目的自体が示唆的で挑発的。おもしろいなあと感じた。

  • 授業課題の研究テーマのために
    参考文献の中に入れた本です。

    本の構成としては、複数の先生が講義形式であったり、 会話形式であったりして、芸術の存在意義を述べていくもので、 とても読みやすいです。

    私自身、芸術とは 何となく富裕層の独占的なもののような 気がしていて、 きっとそう思っている人が大半で、
    そんな芸術が好きな自分は
    そんな芸術を研究したいなと考える自分は

    実際、どうなんだろう?

    という、何とも言えない迷いがありました。

    しかし、この本を読んで 自分が思っていたことの 背中を押してくれたり、 芸術の必要性、存在の意味をしっかりと確信しました。

    特に、伊東信宏先生の回の
    「藝術とは癒しなのか?」
    では、
    ずっと自分が疑問に思っていたことの
    答への道標を示してくれました。

    大地震や、戦争などの極限状態で
    しっかり生活が復興してから、余裕が出てきてから藝術。

    そんなに単純な問題ではないということ。

    今=お金で「ほとんど」あらゆるものが買える世界

    その中で、
    役に立つものと「それ以外の」ものに区別されて
    ただ区別されるだけでなく
    いつの間にかどんどん居場所がなくなって、
    気がつくと「役に立たないもの」として
    追い詰められている。

    そんな芸術の実態が知れる本です。

    最後の鼎談は、辛口だけど
    私自身も思っていた世の中の変な所を指摘していて
    非常に、面白かったです。

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文学・芸術は何のためにあるのか? (未来を拓く人文・社会科学)の作品紹介

答えなき生の根源的問い。それを引き受ける者は?社会と人性に対し芸術はどう作用しているか?効用を尋ねる遍歴の果てに次第に浮かび上がる、形なき独自の「使命」と「有用性」。日本学術振興会人社プロジェクトの成果。

文学・芸術は何のためにあるのか? (未来を拓く人文・社会科学)はこんな本です

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