ハーキン: 谷へおりたきつね

  • 童話館出版
3.71
  • (9)
  • (8)
  • (16)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 154
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887500464

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 知恵と勇気で家族を守ったお話。

  • このお話が好きだという方は、大人の男性に多い。
    お話会でも男子には特に喜ばれる。
    臨場感あふれる場面も多く、考えさせられる部分がかなりある。
    男子と女子とで微妙に感想が分かれるという点、大人と子どもとでは更に分かれるという点がこのお話の奥深さなのだろう。

    山の上で静かに暮らしているきつねのハーキンとその家族。
    両親は口うるさく子どもたちに教える。「谷へ降りてはダメよ。狩人がいるから。」
    でも山の上に飽き飽きしていたハーキンは、こっそり谷へ降りては遊んでいた。
    ところがある日、とうとう森の番人に見つかってしまう。。。

    この辺りから子どもたちの眼の色が変わり、俄然真剣に聞き始める。
    親の言うことなど聞かずにこっそり秘密の遊び場を見つけるなんて、カッコいい!
    ハーキン、負けるな!頑張れ!ほぼ全員の眼がそう言っている。

    でももちろん、大人はそうじゃない。
    ああ、だから言わんこっちゃない。あんなに注意されたのに無視したお前が悪いぞ。
    自分だって脛に古傷を持っていたりするものだから(笑)よけいに怒ってみたり。
    いつの時代もそうして親は子どもを心配し、かたや子どもは新しいことを試してみたくてたまらない。リスクがあっても、やってみたい。だって上手く行くかもしれないのだから。
    そしてハーキンは一切闘うこともなく、勇気と知恵とで切り抜ける。ああ、やっぱりカッコいい。

    しかしこのお話のもうひとつの味わいは更にここから。
    大人になったハーキンが最終ページに登場する。そして。。
    ここは読んでみてからのお楽しみ。
    子を持つ親となったバーニンガムの、新しい一面が垣間見える作品。
    中学年以上に。約10分。
    ☆ひとつ減らしたのは親の気持ちで読んでしまうから。好きなお話であることには変わりない。

  • 〝きつねのハーキンは、小さな山の上に家族と一緒に暮らしていた。「この山の上だけで、遊びなさい。谷へ降りていってはいけないよ。そんなことをすると、狩人に見つかって、ここまで後をつけられて、そうなると、みんなが無事でいられなくなるからね」と、いつも親から言い聞かされていたが、山の上での遊びに飽きあきしていたハーキンは、みんなが寝静まると、こっそり谷へ降りていった!・・・〟ジョン・バーニンガム作による “狐の子は狐” の物語り絵本。

  • 目を見ているだけでも面白い。こちらを見ているかと思ったら、どこを見ているか分からないときもあるし〜

  • 何度か利用したことのある図書館の側に用があり、久しぶりにその図書館に入った。
    「きつね」が目にとまったのでよんだ。

    小さな山の上に、家族と一緒にすんでいる、きつねのハーキン。
    狩人のいる谷におりてはいけないと言われているけれど、夜中にこっそり谷へおりていく。
    そんなある日!

    だめって言われると、かえって興味がわくもの。
    それに、知らないものごと、知らない場所には、誰だって興味がある。
    失敗してしまったとしても、知恵を働かせて乗り切ることができる。
    楽しいと思うことは、たぶん新しい気づきもうむ。
    ハーキンは賢い、きつねの一家が森の番人なのだ。
    私の「谷」とはなんだろう。
    終わり方も続きを感じられて、いいと思う。
    広い野原でハーキンが狩人を待つ絵もすてき。

  • 昨日届いた本。
    今まで読んであげた絵本の中で、ベストかもしれない。

    あらすじ。
    きつねのハーキンは、山の上に家族と暮らす子ぎつね。
    おとうさんは、子供達に、「谷へ降りてはいけない。谷へ降りると、狩人に見つかって、ここまで後をつけられて、みんなが無事ではいられなくなる」と諭す。
    でもハーキンは、山の上に飽き飽きして、毎晩谷へ降りる。
    ある晩、森の番人に見つかり、山の上へのきつね狩りが決まる。
    おとうさんは、「ここにいれば大丈夫。きっと見つからない」というが、ハーキンは自分の作戦を巡らす。
    そしてハーキンは見事作戦を一人で成功させ、人間達は谷でのきつね狩りを断念。きつね達は、谷でも過ごせる様になるという話。
    素晴らしいのが最後のページ。
    ハーキンがおとうさんになり、子供達にこの武勇談の話をします。
    でも、むすこの中の一匹だけは、その話にうんざり。
    とうさんも行った事もない、谷の向こうに行ってみたいと思っているというオチ。
    世界を広げるのは、ハーキンや、最後に出て来たむすこの様な人材だという話だと理解しました。

    この話、子供達に、こんな質問をしてみました。
    「この本は『ハーキンの様になってはダメよ』というお話?それとも『ハーキンの様になりなさい』っていうお話?」
    息子も娘も、
    「ハーキンの様になってはいけないというお話」
    と答えました。
    やはり、お父さんの言いつけを守らず、家族を危険な目に合わせたストーリーが強烈な様です。
    これ、奥が深い話です。
    私は強くお勧めします。

    この絵本。
    見た事のある絵だなぁと思っていたら、嫁さんや子供達が、本棚から、同じ作者の絵本を集めて来た。
    作者は、ジョン・バーミンガム。
    家にあった他の絵本は、
    「トラグロフ」
    「ハンバート」
    「ずどんといっぱつ」
    の三冊。
    これらを改めて読むと、どれも人生訓の様なものに行き着くことに、今更ながら気がつきました。
    でも、やっぱりハーキンが一番だな。。。

    長文失礼しました!

  • 「ちいさな山のうえに家族といっしょにくらしているきつねのハーキン。ある夜ハーキンは、とうさんぎつねの言うことを聞かず谷へおり、狩人に見つかってしまいます…。」

  • ジョン・バーニンガムの1967年出版作品。

    晩年の作品より絵に力があり、アクション映画の様なハラハラドキドキ感がある。

    親の意見を聞かずに、勝手な行動をとる子きづねハーキンの作戦とは!

    ハーキンが親になったら、その子はハーキンの言うことを聴くか?

    と絵本なのに、ハーキンどうなるのだろうと思わせてしまう。

    映画なら、
    to be continued
    とか
    ハーキン 2 coming soon
    とか出そうなわくわく感。

    ※ ネタバレしないように少々ぼかして書いてます。

  • 9分

  • 30年度 4-1 4-2
    9分

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ジョン・バーニンガム:絵  1936年イギリス、サリー州生まれ。ロンドンの中央美術工芸学校を卒業。はじめての絵本『ボルカ―はねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞、その後『ガンピーさんのふなあそび』(ともにほるぷ出版)で再度受賞をはたす。『いつもちこくのおとこのこ―ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』(あかね書房)、『ねえ、どれがいい?』(評論社)、『ドライバーマイルズ』『ガンピーさんのサイ』(BL出版)など作品多数。2019年1月逝去。

「2021年 『パイロットマイルズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジョン・バーニンガムの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×