科学との正しい付き合い方 (DIS+COVERサイエンス 2)

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887597938

作品紹介・あらすじ

あたりまえを疑うことから、科学との付き合いははじまる。身のまわりにあふれている科学技術の種を拾うだけで、「新しい扉」が開かれ、あなたの毎日は変わることだろう。文系と理系の間に立ち、サイエンスコミュニケーターとして活躍してきた著者が、科学技術とのゆるいかかわり方、楽しみ方について語る。文系目線の、文系のための科学リテラシー本の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 科学とは①疑う心②何故と問うこと③答えが出せない事を留保出来る④わからないと潔く認める態度の事であり、科学的な知識を知ってる事では無い。と書いてあった。オウム真理教にハマってしまった理系の人達は科学に分かることはごく一部でしかないという事を知らずに居たかららしい。あと、科学も科学的な態度で世界を見るという一種の宗教なんだということも忘れてはいけないらしい。科学を信じすぎるのも科学教の教徒でしかない。陰謀論を簡単に信じてしまう人って③と④が出来ない人なのかなと思う。ネット時代に答えが出せないって事が許せないから明らかに胡散臭い事も信じてしまうみたいな。


    たしかに、下手をすると「モノを多く知っていること」「知識が正確であること」が何かと優位になりがちです。でも、そこから「科学ゴコロ」は生まれない。「ほんとうの意味」を探す姿勢こそ大事なのだということを、ファインマンの父親は伝えたのです。

    科学リテラシーの核心を一言でいうと何でしょうか?私は、「疑う心」ではないかと考えています。

    「科学的」というと、白黒はっきりつはけてくれる「わかりやすい」「すっきりする」イメージが大きいかもしれません。でも、実は「今のところこれが一番『正しそう』だから、これを受け入れておこう」という「疑い」を残した態度こそが、科学的な態度だと言えるのこういう理由で私は、疑う心は科学の心なのだ、と思っています。

    即効性のある「お役立ち」な情報を取り入れるのも悪くないでしょう。でも、一見「役に立たない」ような科学の世界を知ることでも、目の前がぱっと開けて、アイディアの種がたくさん浮かぶはずです。特に、今まで科学を縁遠いと思っていた人ほど、そう感じるのではないか、と思います。対症療法にはなりえないかもしれない科学の世界。あまり期待せずに、小説や絵画や音楽を楽しむような気持ちで手を触れてみたら⋯⋯ビジネスに限らず、生活の場面で強力な武器になりうるかもしれません。


  • 科学リテラシーについて説明されてるのに加え(グレーゾーンのものは白黒つけようとせずそのままにしておく態度が科学的な捉え方だということなど、深く納得)、サイエンスコミュニケーションについて、中にいる方の目線で、反省もふまえて(科学が好きな人=マニア同士で自己完結してしまうようなコミュニケーションになってないか。マニアでない一般の人にもコミュニケーションに参加してもらうべきではないか、という点など)書かれていたのが新鮮だった。

  • @kasoken さんの本。

    大筋合意かな。この本ではないけど blogにあった「ある分野を挫折した人が、それを伝える一番の資質を持っている」というのは今でも私の心の支えの一つだし(^^

    でも、とくに中級編の最後の方から話題がいきなり飛んで構成がとっちらかる気がするのは、ひょっとしていろんなところに書いた文を集めて再構成しているから!?

    ちょっと「科学」の範囲が化学・物理学あたりに偏っている気がするけど、バックボーンを考えるとしょうがないかな。(ミクロ系はともかく、マクロ系生物学はずっぽり抜けてる感じ)

  • サイエンス

  • 著者の内田さんのお話を聞く機会があり、
    その帰途に書店でゲットした一冊。

    ワタシは常々、難しいことを簡単な言葉で
    説明できる人のことを素晴らしいと思って
    いるのだけれど、この内田さんはまさに
    そういう人。

    サイエンスコミュニケーターとして、科学の
    面白さを文系、ひいては広く一般の人に
    伝えようと試みを続けている。

    だから、この本も、講演を聴いている時と
    同じようにすんなり頭に入ってきた。

    この本の中でワタシがいちばん面白いと
    思ったのは二点。

    一つは、「ノーベル賞・フィールズ賞受賞者
    による事業仕分けに対する緊急声明と科学
    技術予算をめぐる緊急討論会」について
    書かれたくだり。

    これを「ぞっとする全体主義」と評したのは
    あっぱれ!と言葉をかけたくなると同時に、
    著者の芯の強さを見た思いがした。

    もう一つは、話の本題からは少しそれるけれど、
    手塚治虫が『鉄腕アトム』で描きたかったのは
    科学と人間のディスコミュニケーションだった
    ということ。

    つまり、アトムは手塚治虫の意思から大きく
    離れた存在になってしまったということ。
    これはまったく意外だった。

  • SCモヤモヤをこれほどまでに正面から取り上げた本は珍しいと思う。この本をキチンと読んだ人ほどモヤっとするんだろうけど、モヤっとするところからきっと何かが始まるんだと思う。

  • とても面白かった。「科学」が世の中にどのように思われているか。そして「科学」の面白さを多くの人たちに伝えるにはどうすればいいのか。科学という枠にとどまらず、何かを「伝える」ということの本質がこの本にはちりばめられていると思う。

  • すイエんサーを、名番組と取り上げていたことに共感を。
    いい番組ですよねー。
    また科学者側に擦り寄らず、一般社会にわからなければ
    コミュニケートをを図るのは科学者の側だということを、
    昨今の情勢の中で、発信することはとても大事。

  • 内容情報
    [BOOKデータベースより]
    あたりまえを疑うことから、科学との付き合いははじまる。身のまわりにあふれている科学技術の種を拾うだけで、「新しい扉」が開かれ、あなたの毎日は変わることだろう。文系と理系の間に立ち、サイエンスコミュニケーターとして活躍してきた著者が、科学技術とのゆるいかかわり方、楽しみ方について語る。文系目線の、文系のための科学リテラシー本の決定版。
    初級編 科学によくある3つの「誤解」(「『科学離れ』が進んでいる」ってホント?;「もともと『科学アレルギー』の人は多い」ってホント?;「科学は、身近ではない」ってホント?)
    中級編 科学リテラシーは「疑う心」から(科学リテラシーとは?;知識よりも、思考が重要;科学的なものの考え方とは?;疑う心を阻害するもの)
    上級編 科学と付き合うための3つの視点(社会の中に科学技術を見る;見えない科学技術に目を向ける―「見える」科学技術と「見えない」科学技術;理系だけにまかせない―「自調自考」型と「おまかせ」型)

  • 科学は好きです。大好きです。
    しかし、世の中に存在する科学というものは好きになれない。
    その中には正しいといわれる科学と似非といわれる科学どちらも含まれる。
    作者の立場に共感するところあれども納得できないところも多々あるが、科学というものを大まかに理解するには良い本なのかもしれない。

  • 科学と人々との関わりについて、主に非理系を対象として書かれた本。
    理系の立場で読んでも、新しい気づきや考えさせられることが多かったです。

    「見える科学と見えない科学」の話、
    そして、サイエンスコミュニケーションのあり方など。

    まずはどれだけ身近な科学(見えない科学)と仲良くなれるか、がカギだと感じました。それは、理系のマニアが「見える科学のおもしろさ」を伝えるのとはまた違うこと。(理系だと非理系の気持ちがわかりにくいのが傷です。)

    寺田寅彦のように、自然科学にどっぷりつかった状態から一歩引いて、自然科学との付き合い方について考えるのも大事だな、と感じました。

  • [BOOKデータベースより]
    あたりまえを疑うことから、科学との付き合いははじまる。身のまわりにあふれている科学技術の種を拾うだけで、「新しい扉」が開かれ、あなたの毎日は変わることだろう。文系と理系の間に立ち、サイエンスコミュニケーターとして活躍してきた著者が、科学技術とのゆるいかかわり方、楽しみ方について語る。文系目線の、文系のための科学リテラシー本の決定版。

    初級編 科学によくある3つの「誤解」(「『科学離れ』が進んでいる」ってホント?;「もともと『科学アレルギー』の人は多い」ってホント?;「科学は、身近ではない」ってホント?);
    中級編 科学リテラシーは「疑う心」から(科学リテラシーとは?;知識よりも、思考が重要;科学的なものの考え方とは?;疑う心を阻害するもの);
    上級編 科学と付き合うための3つの視点(社会の中に科学技術を見る;見えない科学技術に目を向ける—「見える」科学技術と「見えない」科学技術;理系だけにまかせない—「自調自考」型と「おまかせ」型)

  • サイエンスコミュニケーション トランスサイエンス はなぜ失敗するかがよくわかる本。

  • 事業仕分けの「一番じゃなきゃ駄目なんですか」発言に対しても、科学者は「技術立国日本として当たり前だ」というような姿勢ではなく、一般の人が分かるように説明する義務がある、というところは共感。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:404||U
    資料ID:51000547

    TV「世界一受けたい授業」「すイエんサー」にも出演し、科学を身近な存在としてとらえ、専門家やオタク以外にも手が届くよう科学を伝える仕事でがんばっている著者の一冊(共同利用機器室 山口先生)。

  • 科学者や科学好きではない、一般の人が、科学とどう付き合うか。科学を広めることは素晴らしいことだと思うのだけれど、広めること自体を目的とするんじゃなくて、どうして広めるのか考え続けなくてはいけないな。と気づかせてくれた。

    自分が好きだから広める、というところで思考停止せず、「誰を」「どうしたい」のかを意識していくべきだなあと思った。
    --
    天才柳沢教授
    疑似科学入門
    ご冗談でしょうファインマンさん
    --
    発見(discover) = dis + cover
    literacy
    こどもに「!」の材料を
    優秀な科学者とは、ボーダーラインを大きく取り、疑い続けることが出来る人
    〇〇って何?
    ファラデーの電磁誘導「生まれたての赤ん坊は何の役にも立たない」
    一夫多妻のオスは子育てに参加しない
    サイエンスコミュニケーションにおける「欠如モデル」
    科学リテラシーの必要な理由
    ・人生を豊かにするから
    ・役に立つから
    自分の好きなものを広める、自分を尊敬してほしい

  • 科学批判的論調は新しい。

  • 科学マニアの弊害の指摘には、頷かされた。科学に限らない問題で、もっと一般化できる問題だと思う。
    科学を身近に感じて欲しいという動機で書かれた本だと思うが、もっと重要な問題も提起している。

  • 科学批判的論調は新しい。

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著者プロフィール

サイエンスライター、東京大学大学院総合文化研究科特任准教授

「2023年 『科学コミュニケーション論の展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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