世界が大切にするニッポン工場力

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著者 : 根岸康雄
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010年8月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887598331

世界が大切にするニッポン工場力の感想・レビュー・書評

  • 「物作り」はやはり素晴らしい。打ち破れ日本の閉塞感!

  • 中小企業はその分野を極める力をもっている。
    というか持っていなくてはいけない。
    しかし、そのニッチな分野に力を集中させることができることが強みなのかもしれない。
    大企業では到底おいつけないほどに

  • 素晴らしい技術力の集まりです。

  • 体力勝負なら中国に負ける。
    じゃあ、「日本でしかつくれない」ものをつくるというのが印象に残りました。

    ゆるやかな下降を通り越して急激な落下をしている日本経済。
    どこで踏みとどまるか考えなければなりませんね。

  • 書籍版プロジェクトXのようなイメージ。
    一人一人を取材し、その人間性をクローズアップした内容になっているので読み物として胸が熱くなります。題名の堅苦しさが勿体無い…。
    それに紹介されてる方々はベンチャー規模の企業が多く、開発だけでなくマーケティングの取り組みもバリバリにしているので、仕事のスケールをイメージしやすく気軽に読んでも面白い。
    「必ず新大陸を見つけます。必ず新しい産業を成り立たせます」
    死ぬまで必死に見続けようとすること。
    そんな危険な思想が何よりの生きる力なんだなと思いました。
    産業論文のネタ探し用でしたがまたまた思わぬ収穫。

  • 技術が生まれるためには
    ■社会的ニーズ
    が必要な条件だけれど,技術が実現するためには
    ■技術者の熱意
    ■飽くなき探究心
    ■ネバーギブアップの精神
    これも同様に必要である.
    これらにを伝えることに焦点をあてて解説されている本書は非常に刺激になった.

    ---
    日本は世界有数の工業国であり,
    身の回りにあるものはほぼ全て技術的に作りだすことが可能だと言われている.

    特に,精密加工技術においては世界最高水準の技術力を持っており,
    それらを製造するためのロボットの種類と数は確実に世界一だと言われている.

    本書では,12種類の技術が紹介されている.
    製造業の分野では以下が紹介されている.
    ■注射針
    ■iPodの鏡面加工
    ■ナット
    ■精密光学機器
    ■歯石除去器
    ■水族館のアクリルパネル
    ■携帯用ヒンジ
    ■実用ロボット

    これらの技術が生まれた人間的な背景について知りたい場合,
    本書が役に立つと思う.

  • 日本の製造業は中国や韓国に追い上げられていて、かつてのようなアドバンテージは無くなったかのように言われていることもありますが、私が思うに日本の良いところは「モノづくり」をする人達=職人を尊敬する文化があるということだと思っています。

    この文化がある限り日本の強みは廃れないと希望も込めて思っています。この本では世界に通用していいる日本の工場力(技術力という言葉でなくこの言葉を使ったのが素晴らしい)について、12の実例を挙げて紹介しています。痛くない注射針で有名な岡野工業が最初に紹介されていて、その製造ノウハウの一部も紹介されていました。

    以下は気になったポイントです。

    ・直径0.2ミリの注射針をつくるのに、厚さ50ミクロンのステンレス板を丸めて作ることを思いついた、以前に1枚の鉄の板から「鈴」を使った原理を応用した(p23)

    ・あえて人が嫌がる難しい仕事を選ぶ、人が敬遠する仕事なら、切られることも少なく受注も安定している(p34)

    ・職人の技術には特許の縛りがあるわけではない、研磨の要領がわかるとシビアなコスト競争に明け暮れる(p40)

    ・2個のナットのジョイント部分を凹凸にして、楔のように凹凸のナットが噛むように、下の凸ナットの先端形状を工夫してくさび効果がでるようにする(p55)

    ・特殊な金型と、特殊な工作機械によって、大量生産を可能にしている(p64)

    ・現場をよく観察する、それが創意工夫を凝らしたものづくりの原点である(p78)

    ・1万6000ヘルツを超える振動数がだせれば、それは超音波に近づき、人間の耳には音として感じ取れない(p97)

    ・経費がかかっても、社員が1から10まで作業を請け負えば、事故を未然に防ぐことができる(p148)

    ・アメリカは企業の大小にかかわらず、品質の良し悪しのみで評価してくれることを実感した(p149)

    ・アメリカ大使館に乗り込んで、紹介してもらった担当官は、アクリルパネルは、アクアウォールとしてアメリカ人のためになる水の壁であることを理解して、30分ほどの交渉で、36%の関税を2.7%に引き下げることに成功した(p151)

    ・食材の表面が凍結始めると、内部の未凍結部分の水の分子が表面に移動して、食材の細胞を壊してしまう(p171)

    ・磁気エネルギーで振動を与えて温度管理を徹底しながら冷却すると、0度を越えても食材が凍らない、温度をさらに下げると、ある時点で過冷却状態が解けて、食材は瞬時に冷凍する、水分が移動する間がなく、食材の組織を壊さずに冷凍できる(p173)

    2010/11/21作成

  • 根気や発想力が小さな工場を救ってきたのかな。

  • 面白い内容だが、もう少し詳細に技術のことを書いて欲しいなと思ってしまった

  • 日本経済があまり良くない状況の中で、「まだまだ日本は、捨てたもんじゃない!!」と再確認できた。

    ・・・というか、再確認したくて買った本です。

    日本の工場、特に小さな工場が持つ技術力を知る機会が今までなかったので、良い機会になった。

    下請けということで、小さな工場が開発した技術も、一般消費者の目には、大手家電メーカーの功績ととらえられてしまう。

    名を売ることよりも、技術に注力する点が、本当の技術者集団なんだな。と感じた。

  • 日本が世界に誇る技術力に焦点を当てた一冊。

    その技術だけでなく、それが生み出された経緯やそこに関わる人々の人生を紹介することで臨場感あふれるストーリーになっている。

    どこに起源があるのか分かりませんが、日本には『下請け』という言葉があります。
    いわゆる自動車の『系列』でいうところのassemblyを行う会社とそこに部品を収めるparts会社の関係。
    当然、assemblyを行う会社がいなければ部品は売れないのである程度、売買の上下関係はあるにしても日本はそれが大き過ぎる。
    海外であれば買い手、売り手にそこまで大きな上下関係はありません。
    そんな上下意識が日本の優秀な部品メーカーの海外進出の機会損失につながっていた気がします。

    本書で紹介されている会社はどれも小さいながら磨きぬかれた技術で世界をあっと言わせた会社ばかり。
    いつしかその技術が中国などに模倣されても、それを超える技術を生み出す開発力はまだまだ世界を寄せ付けない気がします。
    そして、これらの世界に通用する技術を持った会社が集まり共同で世界へ進出する。そんな試みが今後されれば(現実に一部している)、もっと世界での日本力は高まっていくのでは思えてなりません。

  • 世界初や世界一の技術は日本の中小企業・町工場から生まれている。なのに国の制度からは冷遇され、大変な苦労を強いられている。しかしそんな現状にめげずに、世界に羽ばたいていった人たちの話。 [more] 紹介された方々の素晴らしいところ ・どこにも負けない技術力は当然として、とことんユーザーの声を聴き、それに答え続ける姿勢。 ・理想を追い求める熱意と、しかし事業を存続するための泥臭い仕事も厭わないバランス感覚。 ・絶対にできないとは言わず、やるための方策を模索し続ける。 ・頭で考えるだけでなく、実際にやってみて結果から学ぶ。特に職人の世界では身体感覚に頼るしかない。 ・これがだめならあれ。あれもだめならそれ。と失敗してもめげない、あきらめない。 ・専門家ではなかったのに、試行錯誤と経験から、今まで誰もできなかったことをしでかしている。 株式会社アビーのCAS冷凍技術がすごい。プロの料理人をもうならせる新鮮さを保ったまま食材の冷凍保存が可能。とれたて新鮮を冷凍でお届け、という付加価値を生み出している。 以前にテレビで見たテムザックも掲載。日本の行政が、せっかくの素晴らしい技術を殺している最たる例。

  • 「プロジェクトX」のオムニバス版のような本

    【ちょっと残念】
     一つずつの話は,非常に興味深い!そして,大きさに依らず,素晴らしい企業があることを再認識できて良かった!取り上げられた企業は技術だけなく,目指しているところもユニークな『オンリー・ワンな企業たち』.
     しかし,まず,残念だったことの一つはそれぞれの話が短いこと.そして,もう一つは,技術の話題について言えば,■的な効果の少ない文章だけでは,どうしても情報量に限界があるということ.どうしても,製造工程や製品を生で見てみたいと思ってしまう.
     さらに詳しく知りたければ,本書とは異なる情報媒体を積極的に探す必要がありそうです.

  • 「メタルカラーの時代」のフォロワーがまた1冊。

  • 本日の一冊は、リーマンショック後も着実に業績を伸ばしている日
    本のモノづくり企業を取材し、まとめた一冊。


    ◆岡野工業

    岡野は猛烈な勢いで、次々と頭の中の図面を広げていた。ふと、脳
    裏にあの1cmほどの鈴が浮き彫りになり、チリンと音を上げた。
    「丸めるんだ」
    「えっ……」
    大谷内はキツネにつままれたような顔をしている。
    「板を丸めて針を作るんだよ」

    ◆ハードロック工業

    ボルトとナットの隙間に楔をカチこめば、強い緩み止め効果が得ら
    れるではないか(中略)上と下、2個のナットのみを使い、楔の効
    果を持たせてみてはどうか。そうだ、2個のナットのジョイント部
    分を凹凸にして、噛ませるんだ

    新幹線の車両は100万km走るとメンテナンスをする。ナットに劣化が
    なくても、そのたびにすべて交換だ。ハードロック工業には、高速
    道路の防音壁に使われるナットなど、メンテナンスごとにすべて交
    換という顧客が多い

    ◆三鷹光器

    「奈良の五重塔だって、精密な図面があったわけじゃない。千年も
    前に建った五重塔をよく見て、当時の職人の工夫を理解して、なる
    ほどなと思うのが職人ってもんだ」
    よく見て、自分なりに工夫することが大切──、義一が勝重に言っ
    て聞かせたことは、今もこの会社を支えるポリシーなのだ

    「レンズと焦点、XとYとZの3次元の世界を考えると広がりのあ
    る世界ができるね」(中略)
    何枚もレンズを組み合わせて、常に1点に焦点が合い、なおかつ奥
    行きある、最大公約数を取った世界が広がる、手術用の顕微鏡が仕
    上がっていった

    ◆ミクロン

    竹下は回転させた10円玉が止まる寸前、パタパタすることに注目し
    たのだ。空気を送りこみ、あのパタパタを持続させ、ケースの前後
    左右の壁に当てたら、振動が起きる

    振動子自体ではなく、周囲の側面に突起物を付ける。この逆転の発
    想に八野も竹下も、「あっ……」と思わず声をあげた

    ◆菊地保寿堂

    90年代後半、彼は日本古来の茶釜からヒントを得た新しいポットの
    構想をあたためていた。それは、茶道を確立した千利休が好んで用
    いた『よほう』と呼ばれる四角い茶釜だった

    さて、四角い鉄瓶ポットをどう作るか。四角の角は直線であって直
    線でない。言葉にすれば、細かい面の集合体のようなイメージで角
    のRをかたちづくる。この角のRこそが要で、潤い、雅び、安定、
    余裕など、お茶を趣深くする雰囲気を醸し出す

  • 日本発のビジネスというのはこういう所からでてくるのかなと思った。
    12のビジネス物語→
    岡野工業「痛くない注射針」、小林研業「iPodの鏡面加工」、ハードロック工業「緩み止めナット」、三鷹光器「精密光学機器」、ミクロン「キーンと音のしない歯石除去器」、菊池保寿堂「伝統技術和銑の新作鋳物」、モルテン「競技用ボール」、日プラ「水族館の巨大アクリルパネル」、アビー「味の落ちない冷凍技術」、マサキ・エンヴェック「屋上菜園の特殊土壌」、ストロベリーコーポレーション「携帯用ヒンジ」、テムザック「実用ロボット」

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