食える数学

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著者 : 神永正博
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010年11月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887598492

食える数学の感想・レビュー・書評

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  • 現役の大学教授が、現場の問題に数学を生かしていこう、というメッセージを発信していることに、まず勇気づけられた。

    全編を通じて「数学はこんなに実用的なんだよ」という内容で、自分が本書に期待していた、「どうすれば数学を使って食えるようになるのか」という点についてはあまり触れられていなかったのが残念。

  • 個人的には共感するばかりの内容でした。
    数学のいろんな意味の難しさ(学問的ではなく)も感じますね。

    自分が工学よりも理学系だ、ということを再確認しました。

  • 著者ではないのだけど、ゲラ段階から目を通させていただいた私にはまさしく「お待たせしました」な、一冊。これぞ、サイエンティストとエンジニア、そしてマスマティシャンとその卵達にとって最新処方にして最高の絶望に効くクスリ。

    だまされたと思って、本書に食いついて欲しい。

    あなたが失いかけた食いつく力を、あなたは取り戻すことができるだろう。

    あなたがそれで食えるかどうかなんて野暮なことは、きかない。

    食いついたあなたにそれが食えないわけがないのだから。


    本書「食える数学」は、数学者として「落ちこぼ」れ、そして工学者も「落ちこぼ」れた「ダルブドロップアウト」の著者が、それでも「それ」に食いついていくにはどうしたらよいかを、渾身の力をあごと歯にこめて書いた一冊。

    Masahiro Kaminaga's Weblog: 数学の本を書きました
    大学生の就職難。わたしにとっては、他人ごとではありません。
    いまでも覚えていますが、2006年は、5月の連休前までに6、7社の内定を取ってくる学生がいました。これが2010年になると、同じくらいの能力をもつ学生に1社も内定がない状態です。5月どころか、秋になっても。

    企業はすでに、新入社員をイチから教育するだけの余裕を失っています。面接官は、徹底的に学生の即戦力を見ているのです。「この学生は、何ができるのか?」と。

    このような状況において、大部分の大学には、もっと「本質的な」教育が求められているのではないでしょうか。学生が生きていくために。

    そう、食うために学ぶ。

    目次 - Masahiro Kaminaga's Weblog: 数学の本を書きましたより
    はじめに
    序章 数学の役立たず
    1 高慢と偏見
    大日本専門バカタイトルマッチ
    2 リクツをこねるな、ツクリたまえ!
    悲しい酒
    わがまま博士の大冒険
    第1章 役に立つ数学入門
    1 代数学・整数論
    因数分解についての素朴なギモン
    Suicaと改札の「ないしょばなし」
    インターネットでお買い物
    みんなが解けなきゃ怖くない
    RSA暗号
    電子署名
    間違いがわかるバーコード
    間違いを正すQRコード
    2 微分方程式
    Tsunamiの恐ろしさ
    非線形を見てみよう!
    孤独なランナー ソリトンの謎
    素晴らしきエンジニア魂
    3 フーリエ解析
    犬笛と楽器
    三角関数登場
    フーリエ解析でお宝さがし
    波がうまく測れない
    ウェーブレット
    4 確率論・統計学
    迷惑メールを見分けるには
    ベイズの定理
    ベイジアンフィルタ
    統計で野球に勝つ方法
    保険・年金をデザインする
    アクチュアリー試験とは
    第2章 どの数学が好きですか?
    1 絵にならない学問
    2 「数学」を定義する
    数学Ⅳ
    数学科数学
    3 数学の耐えられない重さ
    食えなくてもいいですか
    数学科数学のキモ
    その数学、厳密につき
    絶対的な正しさということ
    なんでもかんでも一般化
    4 This is IT.
    情報科学の理論≒数学
    日米共通のある事実
    5 限りなく数学らしい数学
    ご利益第二主義
    数学者の意見
    メモ―学習指導要領の主要部分―
    第3章 数学者ではない人のための数学
    1 「グラフ」という考え方
    It's a small world.
    人間関係が見えてしまう時代
    見えないシグナル
    ビジネス顕微鏡
    2 サバイバルナイフとしての数学
    文系こそ数学を!
    野生の問題
    3 教育の現場から―工学部の数学教育
    マセマティカをどう使うか
    講義はもっとおもしろくできる
    1 ゴールの設定
    2 体を動かす
    3 専門科目とのリンク
    おすすめ教科書
    終章 アカデミックスマートからストリートスマートへ
    1 見る前に跳べ!
    数学は体育
    止まるより進むほうがラク
    挽回のチャンスは、あちこちにある
    いきなり勉強法
    本物を相手にしよう
    2 好奇心というエンジンを止めるな
    ものわかりが悪くたっていいじゃないか
    ちょっとヘンな子でも大丈夫
    「学校の勉強がつまらない」という才能
    3 やってみなはれ
    誰でも楽しめる数学
    統計は大人の総合学習
    離散数学への招待
    数学の美しさについて
    おわりに
    参考文献
    写真提供 参考資料提供
    索引
    それではどうしたら「食える」ようになるのか?

    一旦食らいついたら、離さなければいい。

    実に簡単なことだ。言葉にするだけならば。

    数学と同じだ。目標は時に素人の子供でもわかるほど簡単だが、そこにたどりつくには、プロでも遭難を覚悟しなければならない。そんなとき、プロたちはどうしていたか?

    まずは体力をつけるのである。道程から振り落とされないだけの。


    計算力をつける線形代数
    神永正博 / 石川賢太
    計算力をつける微分積分
    神永正博 / 石川賢太
    本書のおかげで、一つの謎がとけた。

    なぜ著者が書いた数学の教科書が、これほど「ごつい」のか。

    憶測だが、この両書は数学者たちにはかなり評判が悪かったのではないか。あまり「美麗」でないのである。犬種に例えると、まさにブルドッグ。「なんであの美しいオイラーの公式がこんな前の方にでん、と差し出されるのだ」。

    このごつさは、振り落とされないために必要だったのだ。

    しかし「筋トレ」や「脳トレ」だけでは、噛力はついても、食いつく力とはならない。

    それ以上に大切なのは、それに食いつく動機だ。

    それが、「本物を相手にしよう」ということ。

    著者流に言うと、「野生の問題」、Matz流に言うと「血の滴るような問題」。模範解答があらかじめ用意されている問題ではなく、今そこにあって、あなた以外誰も答えあわせなどしてくれない問題。

    いきなり食らいつくのだから、誰でも最初はほぼ必ず振り落とされる。「ほぼ」は不要かと思ったが、数学の手前(笑)つけてみた。

    食らいつく。

    それでも食らいつく。

    そうしているうちにあなたの顎は鍛えられ、いつか歯が食い込むようになっていく。

    こうして一度でも獲物の味をしめれば、しめたものだ。

    食いつくは、いつか食えるになっていく。

    自分を振り返っても、私が曲がりなりにもアルファブロガーなどと呼ばれるようになったのは、この食いつく力によるところが最大なのではないか。本blogを見ただけでも、学術的技術的な錯誤がいかに多いか我ながら呆れるを通して笑ってしまう。しかしさらに呆れたことに、そういう場合でも私は食いつき続けているのである。間違いを指摘されれば直し、直し足りなければentriesを書き直し…そうこうしているうちに、entry数は5,000を超えていた。

    その間、好きだったプログラミングはもっと好きになったし、好きだった数学もずっと好きになった。そして「好きでしか」なかった読書は、いつの魔にそれだけで一家四人が食えるだけの収益を生み出すようになっていた。

    自分語りはこれくらいにしよう。本書の「自分語り」の方がずっとおいしいので。

    そんなわけで、著者には改めて「計算力をつける確率統計」をリクエストしたい。これがないとやっぱり「振り落とされて」しまうので。

    P. 247
    必要性が実感できない状態では、退屈に耐えられる人間が生き残ることになるわけですが、そんなのはつまんないでしょうか。がまん大会じゃないのですから。
    ヒトが最大の力を発揮する時。それは want と need が一致した時だ。

    その時にこそ、心の拘束具は弾け飛ぶ。

    本書はその心の拘束具にほんの小さな切れ目を入れるナイフに過ぎない。

    しかし、私が出会った中で、最も鋭く、そして最も粘る逸品だ。

    こいつを使って解いて欲しい。

  • 社会で役に立つ数学、が主題だと思うんだけど、そこは今ひとつピンときませんでした。

    むしろ終章で自身の体験を踏まえて、興味本位でのめり込むと数学は面白い!という、社会では役に立ちそうもない話が面白かったです。

    おかげで「マイナス同士の掛け算はなんでプラスになるのか?」という疑問を解決してみようと色々調べて、結局数式で証明するのが一番しっくりくるんだなぁと納得しました。

  • 他の類書と同じような内容
    研究者が書いただけあり ちょっと専門的 で楽しさが少ない

  • suicaの仕組みとかー

    因数分解によるネットでのクレジットカードの決済の仕組みとかー

    バーコードの読み取りの式とかー

    日常の数学は面白いのだ。
    平易に書いてくれてるんで文系のあたしも読みやすい。数学に対する心構えとかも書いてくれてます。もうちょっと早く読んでれば人生変わったかも。こんなにダメじゃなかったかも。留年してなかったかも経済学部入ってたかも彼女が100人くらいできてたかもノーベル賞とってたかもこんちくしょうだコノヤロウ!




    離散数学をやってみようと思いました。楽しいかな??未知の数学をやりたくなります。



    ・・・と思ったら離散数学ってゲーム理論とかアルゴリズム的なものとか、整数論とかも含まれるのね。割と関わりが深い。体系立ててやったら面白いかしらー。

  • 神永先生の本は、いつも数学をわかりやすい形で伝えてくださいますね。
    この一冊も実にわかりやすく、我々の普段の生活等にいかに数学が役立っているかに始まり、いつの間にやら高度なオハナシになっていたり(それでいてわかりやすいのはキープしつつ)。
    付箋は17枚つきました。

  • 高等数学がどういったことに役に立つかを解説した良書。中高生に、ぜひ読んでもらったら数学に対する興味がわいてくると思う。自分も数学勉強しようかなと思うようになった。

  • 数学でいかに食っていくかに焦点をあてていると著者は述べているが、既に食っている人を紹介し、数学ってこんなもんですよねっていうことをまとめているにすぎない内容となってしまっている。
    しかし、文章は読みやすく、数学の本なのに数式はでてこない上に、例も具体的で面白い。
    理系だけではなく、主に文系の人に読んで欲しい。
    数学がどこで役立っており、数学を教わったのはなぜか?が少し分ってくる。

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数学は、実学だ。その数学で、何ができるか?-いま必要なのは、ロマンや教養ではない。大学→企業→大学という経路で生きてきた著者が考える「食える数学」とは?数学をいかに役立て、数学でいかに食っていくかに焦点をあてて書かれた一冊。

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