社会的ジレンマの処方箋

著者 :
  • ナカニシヤ出版
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本棚登録 : 69
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784888488136

作品紹介・あらすじ

本書はまず、現実社会におけるおおよそ全ての社会問題の根底に、「利己的に振る舞うのか、それとも、他者と未来に配慮しつつ協力的に振る舞うのか」という"社会的ジレンマ"の構造が横たわっているものと考え、様々な社会問題を解く鍵は、その社会的ジレンマの構造を踏まえることでしか得られない、という前提に立つ。その上で、問題解決を意図した"工学的"な認識の下、社会的ジレンマについての"科学的"な現象理解を論じつつ、社会的ジレンマを解消するための"理論と方法"を、多面的に論じるというアプローチをとった。

感想・レビュー・書評

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  • 社会協力的な行動にインセンティブを与えることで、その人のモラルで行われた自発的な行動が、損得の取引問題になっていってしまう、というところが面白かった。単純なことかもしれないけど、世の中には、比較的協力的な行動をとるタイプの人と、比較的自分の利益を優先した行動をとる人がいるんだ、ということを自分の中で言語化できたのも良かった。果たす役割を受け入れられる、つまりボランティアジレンマを乗り越えられる大人になりたいもんです。

  • 目次
    第Ⅰ部 社会的ジレンマの応用理論
    1章 社会的ジレンマとは何か?
    2章 社会的ジレンマの種類
    3章 社会的ジレンマの解決策
    4章 協力行動への行動変容プロセス

    第Ⅱ部 心理的方略
    5章 事実情報提供法~認知の“矯正”による解決策~
    6章 経験誘発法~一時的な構造変化が導く“経験”による態度変容
    7章 コミュニケーションの基礎的な理論と技術~“コトバ”による態度と行動の変容~
    8章 コミュニケーションの応用事例

    第Ⅲ部 構造的方略
    9章 構造的方略の功と罪~“不可欠”な構造的方略の“悪影響”~
    10章 構造的方略の導入に向けて~構造的方略の悪影響を回避するための“フレーム”
    11章 構造的方略を巡る高次ジレンマ~公共受容、世論、ボランティアと正義~
    12章 構造的方略の公共受容
    13章 本書のむすび

  •  リアルで政治家を目指している人には必読の書。

     そうでなくても日本の公共事業のあり方を考える人にも読んでもらいたい。

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著者プロフィール

京都大学大学院工学研究科教授、1968年生。

京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員、東京工業大学教授等を経て現職。

2012年から2018年まで安倍内閣・内閣官房参与としてアベノミクス、国土強靱化等の政策アドヴァイスを担当。

2018年より保守思想誌・『表現者クライテリオン』編集長。


「2024年 『「西部邁」を語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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