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- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784888488976
感想・レビュー・書評
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『渡りの足跡』(梨木香歩/著、新潮社)で、何度か引用されていた本書。
こちらも気になって読んでみました。
人間の野性を残し自然の一部として生きた猟師、デルス・ウザラ。
彼と同じように生きる人々が、沿海州にはまだ暮らしているのではないか。
その思いから、著者の岡本武司氏がウラジヴォストックを拠点に、沿海地方の先住民族に関する調査を行った記録が本書です。
探検家アルセニエフの著作にあるデルスの姿は、アルセニエフの創作である部分もあるようなのです。(ロシアではその見解があたりまえなのだそう)
本当にデルス・ウザラはいたのだろうか。
実際にはどんな人物だったのだろうか。
美しい心を持ったデルス・ウザラの、より飾られていない姿を見たいという岡本氏の想いの強さが感じられました。
デルスの最期はショッキングでしたが、1900年代前半のロシア革命期、アルセニエフとその家族を襲った運命はさらに衝撃的でした。
時代に翻弄されたとした言いようのない悲劇に、言葉が出ませんでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示