第三の消費スタイル: 日本人独自の“利便性消費”を解くマーケティング戦略

  • 野村総合研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784889901184

感想・レビュー・書評

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  • たまには仕事とは関係ないコトも勉強しないとおバカになっちゃうので。

    消費の二極化では語れない現在の生活者を正確に捉えるため、縦軸に価格感度、横軸に消費へのこだわり度合をとって、第1象限を「プレミア消費」、以下「徹底探索消費」、「安さ納得消費」、「利便性消費」と定義付け。

    「十人十色」じゃなくて「一人十色」的なありがちな展開、定量データと筆者の考えが混ぜ混ぜで定量データを殺してるような印象。


    2005年当時はまだ新鮮な考え方だったんですかね。

    同じコトの繰り返しが多く、値段やページ数の割りには。。

    冗談じゃなく「NRI生活者一万人アンケート調査」って100回くらい言ってます。

  • 野村総研が出している消費者行動についての本。新しそうな内容ですが5年前と意外と古い。

    内容としては、近年言われているプレミアム消費と節約消費の2つの消費スタイルだけではなく、「利便性消費」なるものが存在し、日本人はそのタイプが一番多いのでそこに注力すべきという話。

    利便性消費とは、製品の品質などではなく、提供方法の利便性などに対価を多く払う消費のことを指すそう。古くは家に注文したものを配送してくれる生協、コンビニエンスストア、最近ではTSUTAYA DISCAS。

    ありそうでなかなかない論調だったので、面白かったです。しかし、利便性消費をする層の分析に話が進むと、その後は統計的な事実を淡々と書き連ねている感じで、利便性消費を行う人にどう切り込んでいくかについての深い考察が全然なかったのでそこが物足りない。

    あと当たり前のことですが、日本人の著作なので拙い翻訳に悩まされるマーケティング書あるあるがないのはいいです笑

  • 消費スタイルには「とにかく安いモノ」を欲しがる層と、「高級なモノ」を求める2つの層があると考えられてきた。この本ではモノにも価格にもこだわらない(=利便性があればモノが何であれ、高くてもかまわない)第三の消費スタイルが日本で展開しているということを述べている。たとえば、コンビニ、駅ナカでなんとなくモノを買ってしまう行為や手数料を払ってまでコンビニのATMでお金を引き出してしまう行為なんかが代表例であろう。特にコンビニが世界でもまれを見るほど急速に発展した背景には日本人には利便性消費が多いからだと考えられる。

    そして「高くても良いor安さ重視」「こだわりありorなし」の2つの観点から「プレミア消費」「(安さ)探求型消費」「(価格も商品も気にしない)利便性消費」「(安さだけを求める)安さ納得消費」の4つにカテゴライズしている。

    もちろん、さまざまな消費スタイルがわれわれの中に混在していることも中盤で指摘されている。われわれは、商品によってそれぞれ違ったアプローチによって消費を行っていることがよくわかる。

    また4つの消費スタイルはわれわれのライフスタイルによって順々に変化していることもこの本では指摘している。たとえば、独身のウチは可処分所得が高いためプレミアム消費や利便性消費が多いが、結婚して子供ができると子供の養育費を捻出する必要があるてめ、プレミアム消費や利便性消費が減少し、探求型消費、安さ納得消費が増えてくる、といったことである。

    最後の2章では、それぞれの消費スタイルに対して、どのようにマーケティングにつなげていけばよいか、またつながっているかが書かれている。スーパーひとつを見ても、利便性を追求し深夜営業をしたり、安さを追求したり、生鮮野菜などを扱いプレミアム消費を喚起したり、と競合店でもまったく違った戦略がひかれていることがわかる。また、海外の企業が多く進出しているが、その企業がなかなか成功しない背景には利便性消費を重要視している日本人の消費スタイルを理解していないことを主要因としてあげている。つまり、欧米ビジネスモデルの限界はここにあると。

    今後、増加傾向にある何も考えていない消費者(利便性消費者)に、いかに利便性を提供できるかが、顧客獲得の課題となろう。従来のマーケティングの4P(製品、価格、販売チャネル、公告宣伝)以上に、1C(利便性)の提供が必要となってくるのではなかろうか。

  • 2008.07 野村総研の利便性消費論。価格コンシャスでもなく、商品へのこだわりもない、利便性重視の消費について解説。

  • フムフムっていうのが少ない本だったなぁ。

  • この本によれば、私の消費カテゴリは利便性消費&徹底検索型消費のあわせ技。
    改めて日本は物が溢れすぎ、サービス細かすぎ、と思った。

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著者プロフィール

サステナビリティ事業コンサルティング部カーボンニュートラル戦略グループマネージャーの稲垣彰徳氏を中心に執筆。

「2022年 『カーボンニュートラル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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