トラッシュバスケット・シアター

著者 :
  • リクルートダ・ヴィンチ編集部
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784889914757

感想・レビュー・書評

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  • 『ラブレター』や『スワロウテイル』を撮っていたころの岩井さんが、これまでに観てきた映画を語るエッセイ。

    テレビの洋画劇場や深夜放送なんかで観た映画の話が多かった。映画館で観たり、テレビ放送で観たり、レンタルビデオで観たり、と色んな鑑賞方法がある。子どものころ、テレビでぼんやりと観たワンシーンだけが強烈に印象に残っているが、タイトルがわからないなんてこともある。

    ”重要なのは、何を観たか?ではなく、いつ観たか?なのだ”(P23より引用)

    同じ作品であっても、観たときの状況で感じ方は変わる。かつて感動した作品を月日が経ってから観直したら、あまりいいものではないこともあるだろうし、その逆もまた然り。
    いまのところ、岩井さんの映画はどれもいいなあ、と思えている。何十年も経ってからまた観たらどう感じるんだろう。

  • まず始めに。
    ぼくは、岩井俊二氏の映画が大好きです。
    本当に外れなく、どの作品も心をギュッと掴んで離しません。
    これからも、氏が映画を撮り続ける限り、ずっと追いかけていくと思います。

    そんな岩井俊二氏が、<a href=http://web-davinci.jp/>ダ・ヴィンチ</a>で連載していたshort essay。
    それが、このトラッシュバスケット・シアターです。
    連載していた時期は、90年代も終わる頃。いまから10年くらい前です。
    ほんの数ページに収められた文章を、毎月心待ちにしてました。
    そしてその期待は、決して裏切られることはありませんでした。

    そしてその後も、何度となく読み返しています。
    ついさっきも読み返してきたところです。
    本当に、何回読んでも面白いessayだと改めて思います。
    すごいのは、どの回を読んでも、必ず「おっ」と思わせる文があることです。
    それは教訓めいた言葉であったり、思わず吹き出すような言い回しであったり。
    読み手の心に波を立てる、そんな文章と必ず出会うのです。
    これは、なかなか出来る事じゃありません。
    だからこそ、そういう文章に出会う機会も、そう滅多にありません。

    この「おっ」という感じは、そのまま氏の映画作品にも当て嵌まります。
    どの作品を観ても、グッと吸い込まれるようなsceneが必ずあるのです。
    そう考えると、感性というのは、とても単純なものなのかもしれない、なんて思います。
    何かの分野で一流である人は、それ以外の分野でも玄人はだしだったりします。
    それはつまり、一流である理由の感性から来ていることなんじゃないかな、と。
    核となっている場所は同一で、その引き出し方や表し方が違うだけで。
    岩井俊二氏が、小説もまた素晴らしい作品を書いていることも注目です。


    ま、そういうどーでも良い考察は脇に退けて。
    本書は、肩の力をスコンと抜いて、気楽に読める娯楽作品です。
    とりあえず、「サボテンガー」と「アンゴルモア」は必見。

  • 映画監督とは思えない映画評。それがいい。

  • ルーツが垣間見える。絵も楽しい。

  • 岩井俊二絵が上手い(笑

  • 岩井俊二推薦カルト映画全十六本!自らの映画の思い出を絵と文で綴った岩井俊二初のエッセイ集。『ダ・ヴィンチ』での好評連載分に加え、執筆当時の楽しい裏話も満載

  • 岩井俊二推薦カルト映画全十六本!自らの映画の思い出を絵と文で綴った岩井俊二初のエッセイ集。『ダ・ヴィンチ』での好評連載分
    に加え、執筆当時の楽しい裏話も満載。

  • この本は銀水のそばのコミックショックで購入しました。最近は誰かの映画の評価を見るのが好きで、この前もTABACって雑貨店で京都在住の二百人くらいに好きな映画ベスト3と嫌いな映画をあげてもらい、感想なり理由なりを書いてもらい、それを集めて本になってたのを買いました。これは、友達の誕生日プレゼントやったから読まずにあげたけど。店でパラパラっと見たら、好きな映画の一位が『アメリ』でした。生まれて初めて買ったDVDがアシッドマンのビデオクリップで、アメリがその次に買ったDVDだったのでちょっとうれしかった。

    あっ、今は岩井俊二の本の話か。ところで、岩井俊二のこの本やけどこれで取り上げられてる映画は今リメイクされてるヤツばっかりやねん。例えば、宇宙戦争とかキングコングとか。でも、この本がおもしろいのは映画評をしっかり書いてるからじゃなく、その映画にまつわる少年時代の思い出なんかを書いてるのが楽しいねん。

    そういえば、俺が女の子と初めて二人で見に行った映画はジャッキー・チェン主演の「シャンハイ・ヌーン」でした。朝の10時に待ち合わせて、ご飯を食べて映画を見て、映画館付近をブラブラして、6時にお別れでした。凄い健全やね。それが、初デートでした。その頃は、デートといえば映画としか思いつかなかった。帰りのバスの中でほっとしながら、ウォークマンで音楽を聞いていたのが凄い鮮明に思い出されます。確かジュディマリを聞いてました。「オレもこんな恋をするのかなぁ」と思っていたのかもしれません。

  • 岩井俊二監督が紹介する、とっておきの映画たち。<BR>
    王道な1本あり。マニアックな1本あり。知られざる1本あり。の、映画好きと岩井好きにはたまらない1冊。

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著者プロフィール

映像作家。1963年1月24日仙台市生まれ。横浜国立大学卒業。主な作品に映画『Love Letter』『スワロウテイル』『四月物語』『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』『ヴァンパイア』『花とアリス殺人事件』『リップヴァンウィンクルの花嫁』など。ドキュメンタリーに『市川崑物語』『少年たちは花火を横から見たかった』など。「花は咲く」の作詞も手がける。

「2017年 『少年たちは花火を横から見たかった 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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