これでいいのだ。―赤塚不二夫対談集

著者 :
  • メディアファクトリー
3.73
  • (8)
  • (8)
  • (17)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 104
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784889919431

作品紹介・あらすじ

人類皆天才。「日本のお父さん」対話集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 赤塚不二夫自身が、
    「タイトルだけで驚かせて本を売ろうとしてんだよ。(笑)」
    という通り、豪華な顔ぶれです。
    タモリ、たけし、談志、松本人志、ダニエル・カール、柳美里(綺麗な人だな)、アラーキーと、呑んだくれた赤塚不二夫先生との対談。
    談志が同世代、アラーキーが五つ下、タモリ、たけしは10コ下。
    中身は…笑えて面白くて、マジで深いです。
    哲学書…かも知れません。

    雪の朝、運転席のタモリが助手席の先生に
    「死んでもイイ?」って聞いたら「イイよ」って答えて、本当に雪の中メチャクチャ走ったんだって。
    腹の括り方が凄いね、先生。

    「かわいい」って言われたいという柳美里に、
    「オマンコをね、広げればいい。「いつでもどうぞ」っていう気持ち。そうすると、「この子はいい子だな」ってみんな見てくれるよ。」
    「意味なんでどうでもいいよ」「理屈は何でもいいんだよ」

    ”日本のお笑い”について談志が熱く語ってる最中、酔ってうたた寝しちゃった先生。実は聞いてないようで考えてる。で、たまにぼそっと返す。
    「苦労して笑いたくないってのがあるじゃないですか。
     「おう貧乏人、景気はどうだい」
     「ダメだい、女の褌だ」
     「くい込む一方か」
     昔の人間ってそういう余計な会話が日常で交わされてたじゃないですか。今はどうなってるんですかね。」
    「落語でね、目がもったいないんで、左目を十年間つむって暮らしていた男が、今度は右目をつむって左目で見たら、誰も知ってる人がいなかった。この噺、聴いたときは面白かったねぇ。(吝いや)」

    赤塚「僕らも、みんなで映画作ったんだよ。」
    北野「それ『下落合焼き鳥ムービー』ですか!」
    赤塚「あれ観た?」
    北野「あの下らねぇ映画、観た観た(笑)」

    赤塚「あと『タイタニック』。観たら全然面白くない」
    北野「『第五福竜丸』っての作ろうかな(笑)。船沈めりゃいいんだろ!って」

    赤塚「俺、好きだもんたけしの映画。人をひっぱたくのがいい。(笑)」

    赤塚「アメチャンって言っちゃいけないかな。」
    ダニエル「アメチャンでも何でもイイですよ。」
    赤塚「じゃあ、アメ公。…」

    松本「ガッツさんは面白いですね。笑われようとしていないから面白いんでしょうね。」
    赤塚「あれ、バカだ。奴はバカ過ぎる(笑)。」

    松本「ふざけてますよね僕らの仕事って。ぎょーさんお金もーてねぇ。毎日なんて働いてませんもんねぇ。もっともっと一生懸命やらんと罰あたりますよね。」
    赤塚「タモリに言っとこ(笑)。」
    松本「ハハハハハハハッ。」

    シャイで口下手だけど、鋭敏な感受性が蓄積した感情、センス、知識は計り知れない赤塚不二夫先生。
    巻末の赤塚不二夫先生の写真はなんとも愛嬌があってとても魅力的です。

    「評判良かったら、俺、また対談するからな。
     なあ版元……これでいいのだ。
     酔いから覚めりゃあ二〇〇〇年」
    とあとがきし、2002年までに画期的2冊の点字マンガを発表、その後闘病生活に入り永眠。大変残念でした。

  • 人生なんでもあり、人生なんでもなし、これでいいのだ。

    ってな事で、赤塚不二夫の『これでいいのだ。』

    タモリ
    柳美里
    立川談志
    北野武
    ダニエル・カール
    荒木経惟
    松本人志

    との対談集。

    もう、無茶苦茶
    素敵なジジイじゃね赤塚不二夫さんは

    癌も患っても酒、タバコはやめない死に対しても真っ直ぐ生き抜くこれでいいのだ節の人生。

    こんなジジイにな成りたいなぁと

    やっぱりタモリさんの対談が一番グッと来たね。

    2019年35冊目

  • すでにガンに侵されていたものの飲酒を続けていた赤塚不二夫による対談集。タモリ、たけし、談志、アラーキー(写真も)あたりの人選はわかるが、なぜか柳美里とダニエル・カールが入ってるのが2000年刊という感じ。やたら活字がでっかくて、これも赤塚のリクエストではないかと思われる。

    赤塚は書中でも「俺はもうすぐ死ぬ」といったことをずっと言っているのだが、調べたら2008年まで生き延びたようで、水割りはけっこう効くのかも知れないと思った。

  • 赤塚不二夫と、各著名人との対談集。各業界から赤塚不二夫に対するリスペクトをもつ人間との対談集なので、非常に興味深い。特に後書きが秀逸。知らない赤塚不二夫を知ることができた本。以下抜粋
    -----------------------------------------
    ・自分がアンテナに触れるのを望んでやるのと、自然と無意識に触れてしまったのとは違う。それはスレスレで世に出していかなければならない。だって自分が犯罪者になりたいんだって思えば何でもできるんだもん。だからそのスレスレでいけるってことが面白いんだもん。

    ・差別ってその人を愛するってこと。それを描けば誰も何ともいわない。だけどそいつを馬鹿にする気持ちが少しでもあると、それはダメになっちゃう。

    ・ゴールデン街の裏側。裏を撮っちゃうと、表が写っちゃうんだよ(アラーキー)

  • 要約すると、「これでいいのだ」。

  • ご存知赤塚不二夫先生の対談本。豪華なメンバーでタモリ、たけし、談志師匠、松本人志、アラーキー、ダニエル・カールなど。
    赤塚先生の破天荒な行為が赤裸々に語らられつつも、その思想に触れられる。非常にギャグセンスを重視なさる方で、常におもしろいことをしようとしているのがわかる。映画や落語に通じていて勉強熱心な一面も。
    そして見るべきところは説教だろう。いまの若い世代へのセンスのなさを嘆き、怒る姿勢は小難しことではなく、つまらないことに対する純粋な怒りだということが驚きである。

  • タモリ、柳美里、立川談志、北野武、ダニエル・カール、荒木経惟、松本人志との対談です。赤塚さんが黙っちゃったり。臨場感があります。
    TVではあまり聞くことのできないタモリ(さん)の若い頃の居候時代の話はすごいです。これを読むと、あの追悼のことばがまた味わい深くなります。

  • ★バカボンのパパの大迫力★図書館で偶然手に取った。一度ガンで入院した後の1999年ごろの対談集。年をとってもナンセンスを突き進む意気がなんともすごく、いま読んでも引き込まれる。作風からは思い浮かばないが手塚治虫が彼の神様で、「漫画から漫画を勉強してはいけない。一流の映画や本から自分の世界をつくれ」と言われたことを守ってきたという。なるほど。タモリがジョン・ベルーシと会ったときの作家を巡るエピソードや、談志やアラーキーの勢いにうなりながら一気に読んでしまった。ほかに柳美里、たけし、松本人志を対談の相手としたのは理解しやすいが、本人が望んでダニエル・カールを引っ張ってきたのは意表をつかれた。その選択のどこかに本質が隠れている気がする、が何だろう。昭和10年生まれの外国人観が大きいのか。

  • 文庫版出ないかなぁ〜<br>
    それはともかく、トキワ荘な人からタモリラヴァな人まで必読。<br>
    当方、立ち読みで456P読み切りました(ヲイ)

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1935年9月14日、旧満州に生まれる。手塚治虫の『ロストワールド』に影響を受け、漫画家を志す。56年、『嵐をこえて』でデビュー、伝説のトキワ荘に入居する。62年、『おそ松くん』と『ひみつのアッコちゃん』の連載を開始。イヤミが口にする「シェー!」の言葉やポーズは日本中で大流行した。67年には『天才バカボン』と『もーれつア太郎』の連載が始まり大ヒット。バカボンのパパやウナギイヌ、ニャロメなど数多くのキャラクターを生み出した。主要な作品はアニメ化され、「ギャグ漫画の王様」とうたわれる。ほか代表作に『レッツラゴン』『ギャグゲリラ』など。98年に紫綬褒章受章。2008年8月2日没。享年72。

「2018年 『コアでいいのだ! 赤塚不二夫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

赤塚不二夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
村上 春樹
角田 光代
湊 かなえ
立川 談春
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×