だれも死なない (リエゾン・リーブル)
- KADOKAWA(メディアファクトリー) (2000年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
- / ISBN・EAN: 9784889919707
作品紹介・あらすじ
哲学する動物たち、ひっくり返れないことにコンプレックスをもつサギ、とまどいながらタコとお茶をするリス、理屈っぽくてナイーブなアリ、思い出をとっておく箱、風が運んでくれる木の皮の手紙…。大人のための哲学童話、待望の出版化。オランダ児童文学の金字塔、ついに翻訳刊行。
感想・レビュー・書評
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オランダ出身の著者が贈る動物たちの物語。
このストーリーでの規則は4つ。
1.同種類の動物は複数登場しない。たとえばゾウが一頭のみ、アリもリスもしかり。
2.みな同じ大きさ。だから、ゾウとアリがダンスをすることもできる。
3.だれも死なない。(谷川俊太郎氏がつけた邦題はこの言葉に由来する)
4.人間は出てこない。
『ぼのぼの』を思わせるどうでもいいようなやり取りがおもしろい!買う価値あり!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
動物たちが宙に浮かんだり、海の中でお茶したり。自由奔放なユーモアでいっぱいのお話......なのになんだろう、この漠然とした淋しさ。
だれも死なないし、みんなが仲良し、ケーキも蜂蜜ある。それでも孤独や不安はいつもすぐそばに、一番親しい友達のようにそこにある。
装丁はどう見ても児童書ですが、複雑な大人の味わい。 -
なんだか意味深。大人向けかしら。
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大人にしても子どもにしても、何かに煮詰まった時なんかにいいような…
シュールな世界。
のほほんともしている。
それぞれの動物に、こんな人いそうだなと思わせる個性があり…
肩の力が抜けます。 -
図書館で。
特に面白い~とか、何か重大な事件が起こる~とか言う本ではなく、淡々とというわけでもなく森の生活が営まれている。そんな感じ。時間がある時にゆっくり読みたいなぁ、という贅沢な感じの本。
あまり挿絵があっていないような、これで良いような、不思議な本だなぁ… -
2、3ページの短いお話がたくさん。すごく好き。動物たちそれぞれに個性があって、その個性だけでも充分楽しい。ゾウが友だちのリスに手紙を書く。でもゾウは「く」しか書けない。手紙をもらったリスは返事を書く。でもゾウは返事を読めない。だから頭の下に置いて寝た。なんてのんびりした温かい話なんだろう。リスが大好き。
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トーン・テレヘン氏の原則がとてもいい.タイトルにそのまま選んだ谷川俊太郎さん,さすがのセンス.リスやアリの友情,ゾウのとぼけたふわふわ具合,考えすぎるカメ,コオロギやカエル,イカにタコ、ホタルやミミズありとあらゆる生き物が自由に振る舞う世界.ほわんほわんして素晴らしい.
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「リス、いつかぼくたちも終わると思う?」ある時、アリがたずねた。
オランダ人の著者による、動物たちの短い短い物語。
タイトルと表紙を見て風刺物かと思い、読み進めて行くうちに哲学っぽいと感じ、読み終えて「なんだ、単純に楽しめば良かったんだ」と気付いた。