東日本大震災語られなかった国交省の記録ーミッションは「NOと言わない」 (-)
- JDC出版 (2012年7月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784890084784
感想・レビュー・書評
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リエゾン。フランス語で「つなぐ」「連絡将校」を意味する言葉だ。
東日本大震災の発生直後、国土交通省の出先機関である東北地方
整備局は被災自治体に対して、いち早くリエゾンの派遣を行った。
自然災害が起れば、被災自治体の支援には当該の都道府県が
あたる。しかし、東日本大震災では被害は広域に渡り、頼るべき
県さえも大混乱を来していた。
「自治体の首長に張り付いて、要望を伝えろ」。派遣されたリエゾンは
局長の指示通り、市町村長の傍で各自治体の被災状況や必要な
支援物資の情報を得る。
「何でもやります。何でも言って下さい」。リエゾンたちの存在に当初は
戸惑っていた自治体も、次第にその働きに信頼を置き、次々と要望を
出して来る。
被災地から求められる支援や物資には、本来であれば国土交通省の
所管ではないものも含まれている。しかし、時は非常時。「所管が
違うから」なんて言っていられない。
予算の裏付けはないけれど、まだ補正予算が残っている。後で他の
省庁から突っ込まれるかもしれない。だが、それは本省の担当者が
解決してくれればいい。
本来の仕事である土木も勿論だが、それ以外でも国交省の職員たち
が果たした役割は大きかった。
被災者やメディアの目に触れないところで、発災直後から被災地を
支えた力は大きかった。
本書はほとんど表に出ることのなかった国土交通省の活動に光を
当てて書かている貴重な書だ。だが、いろんなことを詰め込め過ぎて
深みがないのが残念。リエゾンだけに的を絞ればよかったのに。
リエゾンの働きについても自治体ごとの章建てになっているので、
重複部分もちらほら。時系列でまとめてくれた方が読み易かった
かもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示